『999 Part2』


 『素数の秘密』『999・・』に続いて999にこだわる青木です。

今回は『循環小数の秘密』の問題に密接に関連した問題です。


=0.714285714285・・・
循環節(繰り返しになる部分)は、714285です。
この循環節を半分に分けて、それぞれを加えると、

714+285=999になります。


17
=0.1764705882352941・・・・・・
循環節は、1764705882352941です。

この循環節を半分に分けて、それぞれを加えると、

17647058+82352941=99999999になります。

今、元の分数を

(m、nは互いに素、m>n)とします。

【問題1】

 一般に循環節の長さが偶数(2a)のとき、

10とmが互いに素で、

『循環小数の秘密』で見たように、言い換えると純循環小数の場合です。)

かつ10a≡−1(mod m)ならば、循環節を半分にしてそれぞれを加えると、各位の数は全て9になります。
その理由を考えてください。

素数の秘密とほとんど同じ問題ですが・・・)


未菜実 さんから1000以下の素数で確認した結果をいただきました。
確かに成り立っています。


【問題2】

 問題1の結果はk進法でも成立します。

循環節の長さが偶数(2a)のとき、

kとmが互いに素で、かつka≡−1(mod m)ならば、
循環節を半分にしてそれぞれを加えると、各位の数は全て(k−1)になります。
その理由を考えてください。

◆例

7進法の場合、


11
を7進法で表現すると
=0.0431162355・・

半分にして、それぞれ加えると

04311+62355=66666となる。

7と11は互いに素、75≡−1(mod 11)

【問題3】

 問題1,2の条件ka≡−1(mod m)は、mが素数なら成り立ちます。
その理由を考えてください。

●ヒント
『循環小数の秘密』【問題3】より、k2a≡1(mod m)


以下は茨城県 小川 康幸 さんからの問題です。

【問題4】

cを任意の自然数、qを奇数の素数とする。
m=qcも問題3の条件を満たす。

つまり、n/mの循環節が2aのとき、ka≡-1 (mod m)となる。


問題1,2の条件のka≡-1 (mod m)を満たす自然数mは、素数と、奇素数の冪以外にどのような数があるのかに答えを与えたのが問題5です。

そして、問題1,2の条件のka≡-1 (mod m)を満たすm以外に、 循環節の長さが2aの分数n/mの循環節を半分にして、それぞれ加えたときの各位の和が、k-1になる自然数は存在しないこと、
つまり循環節の長さが2aの分数n/mの循環節を半分にして、それぞれ加えたときの各位の和が、k-1になる自然数mは、
すべて問題1,2の条件のka≡-1 (mod m)を満たす事を示したのが問題6です


【問題5】

nとmは互いに素で、n<mとなる自然数、
kをmと互いに素な自然数とする。
cを自然数、qを奇素数とする。
問題1,2の条件 ka≡-1 (mod m)は、
m=2qc、4のときも正しい。

【問題6】

問題1,2の条件の逆、つまり循環節の長さが2aの分数n/mの循環節を半分にして、それぞれ加えたときの各位の和が、k-1になるとき、
必ず、ka≡-1 (mod m)となる。


よろしければ電卓を利用してください。






 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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