今回のテーマは分数を小数に直す時に生ずる問題です。
【準備】 分数を小数に直すとき、次の3通りの場合があります。
特に、2の場合を純循環小数、3の場合を混循環小数といいます。 |
※以下は全て既約分数(もうこれ以上約分できない分数)について考えます。
【問題1】
有限小数、純循環小数、混循環小数のどれになるかは、元の分数の分母の性質を見れば分かります。
その見分け方を予想してください。
またその予想を証明してください。
【問題2】
分数が有限小数になる場合、その小数が小数点以下何桁になるかは、元の分数の分母の性質を見れば分かります。
その見分け方を予想してください。
またその予想を証明してください。
【問題3】
分数が純循環小数になる場合、その循環節の長さは、元の分数の分母によって決まります。
すなわち、元の分数をn/mとすると、その循環節の長さは
10aをmで割った余りが1になるような最小の数aと一致します。
(10a≡1(mod m))
このことを証明してください。
例えば5/11(=0.4545・・・)の場合は、
102÷11=100÷11=9...1
であるから循環節の長さは2である。
5/7(=0.714285714285・・・)の場合は
102÷7=100÷7=14...2
103÷7=1000÷7=142...6
104÷7=10000÷7=1428...4
105÷7=100000÷7=14285...5
106÷7=1000000÷7=142857...1
であるから循環節の長さは6である。
【問題4】
分数が混循環小数になる場合、その循環節の長さと循環しない部分の長さは、元の分数の分母によって決まります。
問題2と問題3を参考にして、その求め方を予想してください。
またその予想を証明してください。
【おまけ】(難問)
オイラーの関数の値が分かっていると、循環節の長さの求め方は少し簡単になります。
純循環小数になる場合、n/mの循環節の長さはφ(m)の約数となります。
(混循環小数の時も、問題4の結果を利用すれば同様に楽に計算できます。)
このことを証明してください。
例えば、3/17(=0.1764705882352941・・・)で考えると、
φ(17)=17−1=16
16の約数は1,2,4,8,16
102÷17=100÷17=5...15
104÷17=10000÷17=588...4
108÷17=100000000÷17=5882352...16
1016÷17の余りは、計算が大変なので合同式で計算すると、
1016
≡108×108
≡16×16
≡256
≡1(mod 17)
であるから循環節の長さは16である。
●参考
既約真分数と循環小数を計算してあるページを見つけました。
参考にぜひご覧ください。
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