『n-D parallel planes』


『正三角形の存在』の発展問題です。

【問題】

n次元上、次のようなことを定義します。

【定義1】

点V1(x1,x2,...,xn)と点V2(y1,y2,...,yn)の
距離(D(V1,V2))は

 

であることと定義します。

【定義2】

面 P1(a(1,1)*x1+a(1,2)*x2+...+a(1,n)*xn=b1)と
面 P2(a(2,1)*x1+a(2,2)*x2+...+a(2,n)*xn=b2)があります。

a(1,i)=a(2,i) ;i=1,2,...,nであれば 面 P1と面 P2は平行面と定義し、
その時、面 P1と面 P2の距離(D(P1、P2))は

 

【定義3】

n次元上の(n+1)面体:V0V1...Vnがあります。

すべてのi,j,i≠jに対し、ViVjの距離が等しければ
その(n+1)面体を正(n+1)面体と定義します。


n次元上, n+1平行面があります:

面 P0(a1*x1+a1*x2+...+a1*xn=b0)
面 P1(a1*x1+a2*x2+...+an*xn=b1)
...
面 Pn(a1*x1+a2*x2+...+an*xn=bn)。

このとき各平面上に1点ずつ適当に点を置くことによって,つまり
面 P0上に点V0、面 P1上に点V1、...、面 Pn上に点Vnの条件で
正(n+1)面体V0V1...Vnが存在し、そのViVjの長さ(a)は

 

であることを証明してください。

ここで dij=面 Piと面 Pjの距離とします。


【うんちく】

ア)
平行面ではない時は正(n+1)面体V0V1...Vnはいろんな大きさがありますが
(存在しない場合もあります)、
平行面になるとViVjの長さ(a)は一つしかありません。

イ)
面 P1、面 P2、...、面 Pnを同じ面にして(=面 P)、
点V0から面Pまでの距離をbとすると

 

実はbは正(n+1)面体V0V1...Vnの一番短い距離でもあります。
(点V0から面V1...Vnまでの距離です)。

bとaの関係は

 

上の式と一致しています。

図の場合、4次元上の正5面体で

 

 

 

(V4X
V4V3
1

2
XY
XV2
1

3
YZ
YV1
1

4
)

ちなみにV1V2V3V4は3次元上では4面体なのですが、4次元上では平面としか見ら れません。

ウ)
n次元上の多面体の要素を考慮します。
0次元上の平面の数をN0 (=1)
1次元上の平面の数をN1
...
n次元上の平面の数をNn
n+1次元上の平面の数をNn+1 (一つの多面体なので=1)とすると

N0-N1+N2-N3+...+(-1)n+1Nn+1=0 
という関係(n次元オイラー定理)が得られます。

n次元上のn+1面体の場合はNr=n+1Crから

n+1
Σ
r=0
(-1)r・ Nr n+1
Σ
r=0
(-1)rn+1Cr=0。

図の場合、

N0-N1+N2-N3+N4-N5
=1-5+10-10+5-1
=0
ちなみに3次元の場合は
1-N1+N2-N3+1=0

N1=V,N2=E,N3=F と置き換えると
V-E+F=2

つまり(3次元)オイラー定理が得られます。
すなわち V-E+Fが2であることは偶然ではありません!


 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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