『n-D parallel planes』解答


◆東京都 siobhan さんからの解答。

面P0を原点Oを通るように平行移動し、移動先の面をP0'とする。
各Pk(1≦k≦n)を同じだけ平行移動させ、Pk'とする。

α=(a1a2...an)とするとPkは (α,Χ)=bk-b0(=bk'とおく) と表される。

面P1',P2',...,Pn'上に、一般の位置にあるような点Χ1,Χ2,...,Χnをとる。
また、各i,j(0≦i<j≦n)について、
|| Ei - Ej ||=1 であるような適当な点E0=O,E1,...,Enをとると、
これらは一般の位置にあり、正(n+1)面体の頂点を成す。

正則なn×n行列Aによって f:Χ→AΧ と表され、ΧkをEkに移すような変換を考える。

AΧk=Ek ⇔ Χk=A-1Ek
(α,Χk)=bk' ⇒ (α,A-1Ek)=(t(A-1)α,Ek)=bk' が成り立つ。

f(Pk')は (t(A-1)α,Χ)=bk' で表される平面であるが、
f(Pi')とf(Pj')(i≠j)とは平行であり
D(f(Pi'),f(Pj'))=||α||/||t(A-1)α||*D(Pi',Pj') 。
Ekはf(Pk')に含まれている。

ここで全ての点Χに g:Χ→||t(A-1)α||/||α||*Χ なる変換を施すと、
D(g(f(Pi')),g(f(Pj')))=D(Pi',Pj') であり、
g(Ek)は平面g(f(Pk'))に含まれ、
g(E1),...,g(En)は正(n+1)面体の頂点を成すが
適当な回転、平行移動によって平面g(f(Pk'))をPkに重ねることができる。

よって条件をみたす正(n+1)面体が存在するが、逆に条件を満たす正(n+1)面体は全て今回の操作で得られることに注意 する(※)。

||g(Ei)-g(Ej)||=||t(A-1)α||/||α||(i≠j) である

ここで || Ei - Ej ||2=||Ei||2+||Ej||2−2*(Ei,Ej)=2-2*(Ei,Ej)=1 より
(Ei,Ej)=1/2(i≠j)を得る。

t(A-1)αをE1,...,Enによって、
t(A-1)α=x1*E1+x2*E2+...+xn*En
と表すことができるが、このとき

 ||t(A-1)α||2
=(x1*E1+x2*E2+...+xn*En,x1*E1+x2*E2+...+xn*En)
=Σ(1≦i≦j≦n)xi*xj …(1) となる。

また、

(t(A-1)α,Ek)=bk' (1≦k≦n)
⇔(x1x2...xn)*(対角成分が1で、その他の成分が全て1/2のn行列)=(b1'b2'...bn')
⇔(x1x2...xn)=2/(n+1)*(対角成分がnで、その他の成分が全て-1のn行列)*(b1'b2'...bn')…(2)

(1)、(2)から結局 ||t(A-1)α||2 を b0,...,bn によって表すことができ、
 ||g(Ei)-g(Ej)||=√(2*(Σ(0≦i<j≦n)dij2)/(n+1)) が導かれる。

(※)から、以上で証明された。


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