『すべての福袋の組合せ』解答


◆宮城県 アンパンマン さんからの解答。

n=4のときの解答です。

商品がn種類の場合、一番少ない福袋のときは
nCn-1nCn=n+1福袋が必要です。

n−1の商品を入れる袋 n袋と全ての商品いれる袋1つです。
(1通りです。)

一番多い福袋のときは
nC1+nC2=n+1C2 福袋が必要です。
商品1ついれる袋n袋と商品2つ入れる袋nC2 袋です。
(1通りです。)

例えばn=5の場合は(商品=A,B,C,D,Eとします):
一番少ないとき
[B+C+D+E]
[A+C+D+E]
[A+B+D+E]
[A+B+C+E]
[A+B+C+D]
[A+B+C+D+E]
(6袋で1通りです。)

一番多いとき
[A]
[B]
[C]
[D]
[E]
[A+B]
[A+C]
[A+D]
[A+E]
[B+C]
[B+D]
[B+E]
[C+D]
[C+E]
[D+E]
(15袋で1通りです。)

商品がn種類の場合、m袋に入れる通り数をN(n,m)と定義すると

N(n,n+1)=1
N(n,n(n+1)
2
)=1がわかります。

n+1の袋の組合せからN(n,n+2)を求めます。

n+1の袋の組合せからn−1の商品を入れる袋 n袋をRグループ、全ての商品を入れる袋1つをSグループとします。

RグループまたはSグループから一つの袋を取り出して、中身の一部を新しい袋に入れます。
そうするとn+2袋になります。

1)Rグループから取り出す場合:
n
2!
( n-2
Σ
i=1
n-1Ci ) =n(2n-2-1)通りです。

2)Sグループから取り出す場合:
1
2!
( n-2
Σ
i=2
n-1Ci ) =2n-1-n-1通りです。

つまり、N(n,n+2)=(n+2)2n-2-2n-1 です。

次は N(n,n+3)を求めます。

1)Rグループから一つ取り出して3つに分ける場合:
n
3!
( Σ
i≧1,j≧1,n-i-j≧2
(n-1)!
i!j!(n-1-i-j)!
)
=n
3!
(3n-1-3C1 *2n-1+3C2*1n-1) 通り

3n-1-3C1*2n-1+3C2*1n-1
「同順を許す並び方の数は?」問題のJ(n-1,3)です。


J(n,k)
= k
Σ
i=0
(-1)i kCi (k-i)n
= Σ
i1,i2,...,ik≧1
i1+i2+...+ik=n
n!
(i1)!(i2)!...(ik)!
より、「n!」問題の証明にもなります。

つまり
J(n,n)
= Σ
i1,i2,...,in≧1
i1+i2+...+in=n
n!
(i1)!(i2)!...(in)!
= n!
1!1!...1!
=n!,

J(n,i)=0, i≧n。

さらに

J(n+1,n)
= Σ
i1,i2,...,in≧1
i1+i2+...+in=n+1
(n+1)!
(i1)!(i2)!...(in)!
=nC1 (n+1)!
2!1!...1!
= n(n+1)
2
n!

などもわかります。

これらを使って
k
Σ
i=0
(-1)i kCi (k-i-x)n の場合も計算可能です。


ちなみに、「同順を許す並び方の数は?」問題は「生徒のグループ分け」問題との関連性があります。
(J(n,k)=k! P(k,n))

2)Rグループから2つの袋を取り出して各袋から2つに分ける場合:
(袋の中身が他の袋と重複にならないことを注意しながら)

nC2 (( 2n-1-2
2
)2- 2n-1-2
2
)
=nC2 (22(n-2)-3*2n-2+2)通り

3)Sグループから一つ取り出して3つに分ける場合:
1
3!
( Σ
i≧1,j≧1,n-i-j≧1
n!
i!j!(n-i-j)!
)
=3n-3C1*2n+3C2*1n
3!
=J(n,3)
3!
通り

4)各グループ(RとS)から1つの袋を取り出して各袋から2つに分ける場合:
(ケース3と同じ場合がありますので、その場合を除きます)

nC1[2n-1-2
2
2n-2n-2
2
-22n-1-2
2
+n-1]
=n[(2n-2-1)(2n-1-n-1)-2n-1+n+1] 通り

ケース1から4まで合計すると

N(n,n+3)
nJ(n-1,3)
3!
+J(n,3)
3!
+nC2 (22(n-2)-3*2n-2+2)+n[(2n-2-1)(2n-1-n-1)-2n-1+n+1]

次はN(n,n(n+1)
2
-1)を求めます。
一番多いときn(n+1)
2
袋から二つの袋を取り出して一つの袋にすると
n(n+1)
2
-1袋になります。

一番多いときn(n+1)
2
袋、
1つの商品をいれる袋のグループをT、2つの商品をいれる袋のグループをU とすると
N(n,n(n+1)
2
-1)は次のように求められます。

1)Tグループから袋2つ取り出して1つにする場合:
Uのグループと重複になりますので=0通り

2)Uグループから袋2つ取り出して1つにする場合:
nC2*n-2C2
2!
=3 nC4 通り

3)各グループ(TとU)から袋1つ取り出して1つにする場合:
nC2*n-2C1=3 nC3

ケース1から3まで合計すると
N(n,n(n+1)
2
-1)=3(nC3+nC4)=3 n+1C4

次はN(n,n(n+1)
2
-2)を求めます。
1)Tグループから袋3つ取り出して1つにする場合:
nC3 通り

2)Uグループから袋3つ取り出して1つにする場合:
nC2 n-2C2 n-4C2 = 90 nC6 通り

3)Tグループから袋2つ,Uグループから袋1つ取り出して1つにする場合:
nC2 n-2C2 = 6 nC4通りあります。

4)Uグループから袋2つ,Tグループから袋1つ取り出して1つにする場合:
nC2 n-2C2 n-4C1
2!
= 15 nC5 通り

5)Tグループから袋2つ取り出して1つにして、Uグループから袋2つ取り出して1つにする場合:
ケース3と同じになりますので=0通り

6)Uグループから袋2つ取り出して1つにして、UとTグループからそれぞれ袋1つ取り出して1つにする場合:
nC2 n-2C2
2!
(nC2-2) n-2C1 = 3 nC4 (nC2-2)(n-2)通り

7)Tグループから袋2つ取り出して1つにして、UとTグループからそれぞれ袋1つ取り出して1つにする場合:
ケース1と同じになりますので=0通り

8)UとTグループからそれぞれ袋1つ取り出して1つにすることを2回する場合:
(この場合は1回目は[AB][C]->[ABC]で、
2回目[CD][E]->[CDE]または[DE][F]->[DEF]、
つまりUグループの2回目とTグループの1回目の中身はすべてちがう商品かどうか2つのケースに分けられます)

nC2 n-2C1 [nC2-n-1C1-1][n-2C1-1]+nC2 n-2C1 n-1C1 n-2C1
2!
=3 nC3n(n-3)2+2(n-1)(n-2)
4
通り

合計すると
N(n,n(n+1)
2
-2)
=90 nC6+15 nC5+6 nC4+nC3+3 nC4(nC2-2)(n-2)+3 nC3[n(n-3)2+2(n-1)(n-2)]
4

n=4の場合,
N(4,5),N(4,6),N(4,7),N(4,8),N(4,9),N(4,10)があります。

N(n,n+1),N(n,n+2),N(n,n+3),N(n,n(n+1)
2
),N(n,n(n+1)
2
-1),と
N(n,n(n+1)
2
-2)の式を使って計算すると

N(4,5)=1,N(4,6)=15,N(4,7)=70,
N(4,8)=82 ,N(4,9)=15,N(4,10)=1

合計=1+15+70+82+15+1=184通りです。


◆出題者のコメント。

解答ありがとうございます。
福袋の数が最少の時から、順々に商品を新しい福袋に移していく発想は面白いですね。

ただ、N=4の時ですが、184通りより多くなります。
以下、N=4の時をシラミ潰しで確認した方法を示します。

各福袋は同じ商品を複数入れられないので、最大4個までしか商品は入れられません。
しかも、同じ福袋は許されないので、
4個入り,3個入り,2個入り,1個入りの福袋は、
それぞれ
1個(44)まで,
4個(43)まで,
6個(42)まで,
4個(41)までしか作ることはできません。
これは4個,3個,2個,1個の商品で作成可能な福袋の種類の数です。

一方、すべての福袋における全商品の数は16個(42)です。

そこで各福袋を、中にある商品の数で表すと、4を1回まで、3を4回まで、2を6回まで、1を4回まで使用することを許して、
16を4,3,2,1の4種類以下の数字の和で表す方法になります。

以下、+を省略しています。

43333
4333 2     1     ・・・ 12通り
4333       111
433  222         ・・・ 12通り
433  22    11    ・・・ 42通り
433  2     1111
43   2222  1     ・・・ 24通り
43   222   111
4    222222
4    22222 11
4    2222  1111  ・・・  3通り
 333322          ・・・  3通り
 33332     11
 3333      1111
 333 222   1
 333 22    111   ・・・ 24通り
 33  22222      
 33  2222  11    ・・・ 42通り
 33  222   1111  ・・・ 12通り
 3   2222221
 3   22222 111   ・・・ 12通り
     2222221111
ところが、ここで3,2,1で示した福袋は実際には4種類,6種類,4種類ありますから、各行をさらに場合分けする必要があります。

求めた結果の1部を右側に示しましたが、
示した分だけでも既に186通りになります。
(面白いことにそれぞれの場合の数は上下対称になります)


◆宮城県 アンパンマン さんからの解答。

n=4の時、シラミ潰しで求めた結果です。

43333                                  1通り
4333 2     1     ・・・ 12通り
4333       111                4通り 
433  222         ・・・ 12通り
433  22    11    ・・・ 42通り
433  2     1111              6通り
43   2222  1     ・・・ 24通り
43   222   111              28通り
4    222222                      1通り
4    22222 11                  6通り
4    2222  1111  ・・・  3通り
 333322          ・・・  3通り
 33332     11                  6通り
 3333      1111              1通り
 333 222   1                  28通り
 333 22    111   ・・・ 24通り
 33  22222                  6通り
 33  2222  11    ・・・ 42通り
 33  222   1111  ・・・ 12通り
 3   2222221                    4通り
 3   22222 111   ・・・ 12通り
     2222221111              1通り
N(4、5)=N(4、10)=1、
N(4、6)=N(4、9)=27、
N(4、7)=N(4、8)=111

合計=1+27+111+111+27+1=278通りです。

ちなみに、
N(n,n(n+1)
2
-1)
=3(nC3+nC4)+ nC6 6!
(2!3) 3!
6C3
2!
3 nC3 n-3C2 4C2
2!
nC4 4C2 2C1
=3 nC3+15 nC4+90 nC5+150 nC6

(これは前回の解答から求めた N(n,n(n+1)
2
-1)の値にケース4の数を加える)
(ケース4=Uグループから袋3つ取り出して3個入りの袋2つにする)


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