『シムソン線』


【問題】

シムソン線に関して,次の各命題を証明してください。

【問題1】

原点を中心とし,半径が1の円周O上の3点A,B,Cの座標を次のように定める。

A (cosα,sinα)
B (cosβ,sinβ)
C (cosγ,sinγ)

このとき,BCに直交する直線BC
CAに直交する直線CA
ABに直交する直線ABの方程式を,それぞれ

BC:(cosγ−cosβ)x+(sinγ−sinβ)y=p
CA:(cosα−cosγ)x+(sinα−sinγ)y=q
AB:(cosβ−cosα)x+(sinβ−sinα)y=r

とする。これが1点Pで交わるための定数p,q,rの条件は

p+q+r=0 である。

【問題2】

ここでp,q,rを

p=sin(α+γ)−sin(α+β)
q=sin(β+α)−sin(β+γ)
r=sin(γ+β)−sin(γ+α)

とおけば,点Pは円周O上に乗る。また,任意のtに対し

p=sint(sin(α+γ)−sin(α+β))+cost(cos(α+γ)−cos(α+β))
q=sint(sin(β+α)−sin(β+γ))+cost(cos(β+α)−cos(β+γ))
r=sint(sin(γ+β)−sin(γ+α))+cost(cos(γ+β)−cos(γ+α))

とおくとき,点Pの座標は

(cos(α+β+γ+π−t),sin(α+β+γ+π−t))

となる。

【問題3】

与えられたθに対し,上記のtを
t=α+β+γ+π−θのように定める。

このとき,BCとBCの交点A1
CAとCAの交点B1
ABとABの交点C1の座標はそれぞれ

A1  (
(cosβ+cosγ−cos(β+γ−θ)+cosθ),
(sinβ+sinγ−sin(β+γ−θ)+sinθ))
B1  (
(cosγ+cosα−cos(γ+α−θ)+cosθ),
(sinγ+sinα−sin(γ+α−θ)+sinθ))
C1  (
(cosα+cosβ−cos(α+β−θ)+cosθ),
(sinα+sinβ−sin(α+β−θ)+sinθ))

となる。

【問題4】

方程式
l(θ) :xsinφ−ycosφ=
(sin(φ−α)+sin(φ−β)+sin(φ−γ)+sin(φ−θ))
で表される直線は3点A1,B1,C1を通る。

すなわち l(θ)は△ABCの点Pに関するシムソン線である。
ただしφ= α+β+γ−θ
である。

【問題5】

3本のシムソン線 l(θ1) ,l(θ2) , l(θ3) が1点で交わる条件は,nを整数として

θ1+θ2+θ3=α+β+γ+2nπである。

【問題6】

θ1 ,θ2 ,θ3の間に,nを整数として
θ1+θ2+θ3=α+β+γ+(2n+1)π
の関係が成り立っているとき,
3本のシムソン線 l(θ1) ,l(θ2) , l(θ3) で作られる三角形が△ABCと合同であるための条件は,
θ1−α=θ2−β=θ3−γ= (2n+1)π
である。


 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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