『果物の分配』


 今回のテーマは、猿の群れで果物を分ける方法が何通りあるかという問題です。
この問題が『リーグ戦Part2』を解くヒントになります。

 今、果物が何個かあり、その個数と同じ数の猿がいるとします。
猿の間には序列があり、必ずランクが上の猿から果物を取ります。
また、前の猿が取った個数よりも多くの果物を取ることはできません。

もちろん、途中で果物がなくなってしまうこともあるとします。

例えば果物が2個(猿2匹)の場合は

  1. 1+1
の2通りの場合があります。

果物が3個(猿3匹)の場合は

  1. 2+1
  2. 1+1+1
の3通りの場合があります。

【問題1】

 果物が4個(猿4匹)の場合は、分け方は何通りあるでしょうか。

【問題2】

 果物が5個(猿5匹)の場合は、分け方は何通りあるでしょうか。


果物がn個(猿n匹)の場合の分け方の総数をS(n)、
n個の果物をk匹の猿に分けるときの分け方の総数をM(n,k)とします。

S(n)=n
Σ
k=1
M(n,k)は明らか。

したがってM(n,k)が求められれば、S(n)も求められることになります。

それではM(n,k)の性質について調べてみましょう。

【問題3】

M(n,n),M(n,n−1),M(n,1)を求めてください。

【問題4】

M(n,2)をnの式で表してください。

【問題5】

k>
のとき
M(n,k)=M(n−1,k−1)

k≦
のとき
M(n,k)=M(n−1,k−1)+M(n−k,k)となることを示してください。

【問題6】

k≧
のとき
M(n,k)=S(n−k)となることを示してください。

この式で、nを2n,kをnとすると、
S(n)=M(2n,n)が成り立ちます。

【問題7】

 以上の関係を用いて、果物が6個(猿6匹)の場合、分け方は何通りあるか求めてください。
つまりS(6)ですね。

【問題8】

 以上の関係を用いて、果物が7個(猿7匹)の場合、分け方は何通りあるか求めてください。

P.S

この問題は「自然数nを自然数の和に分割する方法は何通りあるか。」という問題と同じですね。

 参考文献:数学ランド・おもしろ探検
 寺田文行監修/教材探検の会編(森北出版)


 


 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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