『果物の分配』

『果物の分配』解答


◆宮城県 斉藤 誠さんからの解答。

果物が2個(猿2匹)の場合は
M(2,1)  2,0
M(2,2)  1,1

果物が3個(猿3匹)の場合は
M(3,1)  3,0,0
M(3,2)  2,1,0
M(3,3)  1,1,1

【問題1、2】

果物が4個(猿4匹)の場合は
M(4,1)  4,0,0,0
M(4,2)  3,1,0,0
        2,2,0,0
M(4,3)  2,1,1,0
M(4,4)  2,1,1,0

果物が5個(猿5匹)の場合は
M(5,1)  5,0,0,0、0
M(5,2)  4,1,0,0、0
        3,2,0,0、0
M(5,3)  3,1,1,0、0
        2,2,1,0、0
M(5,4)  2,1,1,1、0
M(5,5)  1,1,1,1、1

【問題3】

M(n,n)   =1
M(n,n−1)=1
M(n,1)   =1

【問題4】
M(n,2)=[
――

【問題5】

(1)

k>
――
のとき
M(n,k)=M(n−1,k−1)について
M(5,3)  3,1,1
        2,2,1
M(5,4)  2,1,1,1
のようにkがnの半分以上の場合には一番右が全て1になるので
赤字部分がM(n−1,k−1)に等しくなる

(2)

k≦
――
のとき
M(n,k)=M(n−1,k−1)+M(n−k,k)について
n=6の調査が必要。
M(6,1)  6,0,0,0、0、0
M(6,2)  5,1,0,0、0、0
        4,2,0,0、0、0
        3,3,0,0、0、0
M(6,3)  4,1,1,0、0、0
        3,2,1,0、0、0
        2,2,2,0、0、0
M(6,4)  3,1,1,1、0、0
        2,2,1,1,0,0
M(6,5)  2,1,1,1、1、0
M(6,6)  1,1,1,1、1、1

となりM(6,3)を例にすると
M(6,3)  4,1、1
        3,2、1
        2,2、2
のように赤字の部分がM(n−1,k−1)と同じ、
最後の1行はn→nーkにした(nは3(=k)減るので)
M(3,3)  1,1、1
と同じ。すなわちM(n−3,k)
M(n,k)=M(n−1,k−1)+M(n−k,k)が示される。

【問題6】

k≧
――
のとき
(1) k=
――
の場合
この場合はnが偶数に限られるのでM(6,3)を例にすると
M(6,3)  4,1,1,0、0、0
        3,2,1,0、0、0
        2,2,2,0、0、0
nから3(=k)を引いて各猿から1ずつ取り上げると、次の状態、S(3)と同じになる。
        3,0,0
        2,1,0
        1,1,1
すなわち、M(n,k)=S(nーk)

(2) k>
――
の場合
M(n,k)=M(n−1,k−1)なのでn−1をn、k−1をkと置き換えると
2k>nの間繰り返されるので最後には
M(n,k)=M(n、n/2)となり、これは(1)に等しくなる。

故に、(1)(2)をあわせて
M(n,k)=S(n−k)

この式で、nを2n,kをnとすると、
S(n)=M(2n,n)が成り立ちます。

ここまでをまとめると

M(n,1)=1
M(n,2)=
――
《k>
――
の場合》
 M(n,k)=M(n−1,k−1)

《k≦
――
の場合》
 M(n,k)=M(n−1,k−1)+M(nーk、k)


M(n,n−1)=1
M(n,n)=1

S(n)=M(2n,n)

【問題7】

 以上の関係を用いて、果物が6個(猿6匹)の場合

 S(6) =M(12,6) =M(11,5)+M(6,6) =M(10,4)+M(6,5)+M(6,6) =M(9,3) +M(6,4)+M(6,5)+M(6,6) =M(8,2) +M(6,3)+M(6,4)+M(6,5)+M(6,6) =4+M(5,2)+M(3,3)+M(4,2)+M(6,5)+M(6,6) =4+2+1+2+1+1 =11

【問題8】

 果物が7個(猿7匹)の場合

 S(7)
=M(14,7)

=M(13,6)+1
  ∵M(7,7)=1

=M(12,5)+2
  ∵M(7,6)=1)

=M(11,4)+M(4,2)+2
  ∵M(7,5)→M(4,2)

=M(10,3)+M(6,3)+4 
  ∵M(4,2)=2
   M(7,4)→M(6,3)

=M(10,3)+M(5,2)+M(3,3)+4
  ∵M(6,3)→M(5,2)+M(3,3)

=M(9,2)+M(6,2)+M(4,3)+7
  ∵M(5,2)=2
   M(3,3)=1
   M(7,3)→M(6,2)+M(4,3)   

=15
  ∵M(6,2)=3、M(4,3)=1
   M(9,2)=4
計算するのが面倒なので、表を作成。

表

この表は、「問題6」でまとめた結果を当てはめれば、機械的にいくらでも増殖出来ます。
証明というより多少はしょっているので説明になってしまいました。
やっとここまできたのですが、リーグ戦にどう応用しようか思案中?


【コメント】

 完璧な解答です。
リーグ戦への適用については、私がどうこういうよりも、黙って解答をお待ちしていようと思います。


◆神奈川県 今村 義彦さんからの解答。

@問1、2、3は省略する。

@問4 M(n,2)の一般式は?

nが奇数の場合と偶数の場合に分けられる。

1)n = 2m (m ≧ 1)の場合
もっとも偏った分け方は

 (n-1,1,0,0,...,0)

であり、もっとも平均的な(平等的な)分け方は

 (n/2,n/2,0,0,...,0)

である。したがって、分け方の方法は

 M(n,2) = n/2

である。

2) n = 2m + 1 (m ≧ 1)の場合
同様に、(n-1,1,0,0,...,0)と((n+1)/2,(n-1)/2,0,0,...,0)とが分配の上限と下限であるから、

 M(n,2) = (n-1)/2

となる。

答え:

 M(n,2) = n/2  {nが偶数のとき。}
 M(n,2) = (n-1)/2 {nが奇数のとき。}

@問5

 M(n,k) = M(n-1,k-1)  {k > n/2}
 M(n,k) = M(n-1,k-1) + M(n-k,k)  {k ≦ n/2} を示せ。

k番目の猿までに分配するということは、k番目の猿が最低1個の果実を持つということである。

1)k > n/2の場合、k番目の猿は最高1個の果実を持つ。なぜならば、

 1(個)* k > n/2≧ 1

であり、かつ、

 2(個)* k < n

である。つまり、2個までは持てない。
このことから、k番目の猿が持つ果実の数は1のみであり、のこりの(n-1)個を(k-1)匹の猿で分配することと等価である。
したがって、

 M(n,k) = M(n-1,k-1) {k > n/2} .................(1)

2)k ≦ n/2の場合、k番目の猿は最低1個の果実を持ち、また、2個以上を持つことも可能である。
例えば、もっとも平均化された場合にはn/k個の果実を持つことができる。
(k ≦ n/2)より、

 2 ≦n/k

が成り立つので、2個の場合は保証されるわけである。
さて、この2個以上の場合には、以下の手順で分配することを考えることにする。つまり、

したがって、

 M(n,k) = M(n-1,k-1) + M(n-k,k) {k ≦ n/2} .....(2)

となる。

@問6 k≧ n/2のとき、M(n,k) = S(n-k)となることを示しなさい。

M(n,k)を条件{k≧ n/2}に照らし合わせて考えたとき、k番目の猿には最低1個の果実が分配される。
そして、k番目の猿に2個の果実が分配される場合は、ちょうどk=n/2が成立するときのみである。
式(1)より順次第一の引数を減じていくと、

 M(n,k)
= M(n-1,k-1)
= M(n-2,k-2)
= M(2n-2k+1,n-k+1)
= M(2n-2k,n-k) .........................(3)

更に、式(2)を用いて(3)を展開すると、

 M(2n-2k,n-k)
= M(2n-2k-1,n-k-1) + M(n-k,n-k)
= M(2n-2k-2,n-k-2) + M(n-k,n-k-1) + M(n-k,n-k)
= M(n-k,1) + M(n-k,2) +,,,+ M(n-k,n-k)
= S(n-k)

@問7、8は省略する。


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