『系列Mをまわせ』


○回転角度を検出するセンサとしてローターリーエンコーダ(RE)というものがあります。
光学式マウスが出るまでは、これが2個マウスの中に入っていました。
通常REには2種類あって、絶対値型と積算型です。

 絶対値型の場合、2nステップの分解能を持つものは、nトラックのグレー符号をn個のセンサで読み取り、絶対位置を検出します。
センサ()が多数必要です。
グレー符号というのは隣接位置のビットパターが常に1ビットしか異ならない符号で、切り替り時のグリッチ(たとえば 00→11 の場合、誤差で 00→01→11と検出される可能性が高い。このわずかなノイズ)が発生しません。

 積算型の場合はA,B2トラックのグレー符号の2n-2回繰り返しを2個のセンサで読み取り、相対位置を積算検出します。
絶対位置は0点が分かるZトラックを1個のセンサで検出します。
従って、0まで回さないと絶対位置がわかりません。
センサをのように配置してトラックを節約することもできます。

 両者の折衷型として考えられたのが、ZトラックにM符号(系列Mをまわせ)を用いたのもので、現在位置の付近を少し移動すると絶対位置がわかります。
Mトラックセンサ設置位置はグリッチを回避するために位相をずらしてあり、ステップ境界で検出します。

【問題1】

 グリッチ問題を考えなくて良い場合に、2トラック2センサの折衷型REのトラックパターンを考えてください。
ただし分解能は1回転7ビット=128ステップとし、回転方向速度等はランダム(途中でバックしたりする)であるとします。
そのときの探索範囲(位置により異なる場合はその最大値)は何ステップでしょうか。
なるべく小さく(もちろん7ステップ以上)してください。
なお、トラックパターンは128分の1を単位とするパターンのみとし、もっと細かいパターンを使うのは禁止です。

【問題2】

グリッチ問題を考慮した場合、2トラック2センサの折衷型REは実現可能でしょうか。
可能であればそのトラックパターンを示してください。


 解答用紙はこちらです。


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