今回のテーマは簡単なカードマジックです。
今、あなたは「何枚かのトランプのカードのたば」をお客さんにわたし、一枚のカードを選んでもらいます。
あなたはお客さんの選んだカードを、たばの適当な位置にもどします。
それから以下の操作を行います。
◆操作
【問題1】
一番上のカードを最後に残すためには、カードの枚数を何枚にすればよいか。
【問題2】
一番下のカードを最後に残すためには、カードの枚数を何枚にすればよいか。
【問題3】
最後にお客さんのカードを残すためには、そのカードを何枚目にいれておけばよいだろうか。
カードの枚数によってその答えは異なる。
全部のカードの枚数がわかっているとしてその求め方を考えてください。
また、そうなる理由を指摘してください。
◆ヒント(あるいは問題3の前半部分の解答)の必要な人はどうぞ
上から4番目のカードを最後に残すには、カードの枚数を何枚にすればよいか。
●マーチン・ガードナー著、「数学ゲームU」講談社に、これを利用した面白いカードマジックが紹介されていたので、引用しておきます。
知人を相手にやってみて、びっくりさせてみたらどうでしょう。
◆マジック1
一組のカードをだれかが切って、あなたに渡す。
それを扇状に広げて自分の方へ向け、選ばれるようにあらかじめ決めたカードを明記する。
それには、トップカード(一番上のカード)を見て、その名前を紙きれに書き、なにを書いたかだれにも見せずに、そばに置くのである。
トップカードがハートの二だったとしよう。
一組のカードを裏を向けて左手で持つ。
一から五十二までの数字のうちのどれかを観客に言ってもらうが、十以上の方が奇術がおもしろくなる。
観客が二十三と言ったと仮定する。
暗算で二十三を越えない二の最も大きい累乗を差し引く。
この場合は十六で、引くと七が得られる。
七を二倍すれば十四である。
あなたの課題は、トップカード、つまりハートの二を取って、二十三枚のカードの十四番目に入れることである。
それには、次のようにすればよい。
カードを右の親指で組の一番上から一つずつ取りながら、数えていく。
これでカードの順序が逆になる。
十四枚教えたところで、手を休めてこう言う(忘れてしまったふうに)。
「あなたの言った数は、いくつでしたっけ」
観客が二十三だと言うと、うなずいて、「そうそう、二十三でした」そして続けて数えていく。
しかし、今度は左の親指で右に押して組からカードを取り、そのカードを右手にある束の下に滑り込ませる。
こうして二十三枚のカードを数え終わった時には、ハートの二はうまく十四番目に置かれることになる。
あなたが手を休めて質問したことによって、二つの部分に分けて計算が行なわれたことになるが、両方の数え方が同一でないことに気がつく者は、おそらくだれもいないと思う。
この二十三枚のカードの束を観客に渡す。
客は最初のカードをテーブルに置き、次のカードは手に持った組の下に入れ、次はテーブルに、といった操作を、カードが一枚になるまで続ける。
残ったカードは、むろんあなたが予言したものである。
◆マジック2
一組のカードから、四、ハ、十六、三十二のいずれかの枚数の束を取る。
たとえば十六枚にしたとする。
あなたは後ろ向きになり、観客に組からカードの小さい束を取ってもらう(枚数は十六より少ない必要がある)。
客は取った枚数をあなたに知らせずに手に持っている。
持っている数をn枚とする。
あなたは十六枚のカードの束を扇状に広げ、表を客の方へ向けて、上からn番目のカードを憶えてもらう。
むろん、あなたにはnの値もカードの名前もわからない。
手に持ったカードを揃え、客の持っているカードの束を上に載せてもらう。
このようにすると、選ばれたカードは自動的に(16+n)枚の2n番目にくることになる。
そこで、カードを一枚はテーブルに置き、一枚は手に持った束の下に入れ、というようにしてゆくと、客の選んだカードが最後に残る。
しかし、奇術者はすぐに客にカードを渡さずに、後ろを向いて客の選んだカードを好きな場所から出るようにしますと言う。
その実、後ろを向いてもなにもしないのである。
これは「トリックが自動的になされたということを隠す」だけのものである。
◆マジック3
2n枚(三十二枚としよう)のカードを観客に切らせ、一から十五までの好きな数を思ってもらう。
次に、奇術者が後ろを向いている間に、その数だけカードをポケットに入れてもらう。
演者は残りのカードを取り、裏向けにして山に積む。
その時、積みながらカードの表を見せていく。
観客は思っている数に相当するカードを心に刻みこむ。
全部のカードを積み終えたら(むろんこの操作で順が逆になる)、この束を第二の客に渡す。
そして、残りが一枚になるまで、「下に入れたり、置いたり」の操作をしてもらうよう指示を与える。
残ったものが客の選んだカードである。
◆マジック4
2n枚のカードを観客に切ってもらい、これを二山にして、好きな時に操作を止めてもらう。
二つの山のカードは同数とする。
次に客は、この二山のカードの一方か、手にしたカードの束かのいずれかを選ぶ。
テーブルの山の一方を選んだとして、客はそのトップカードを憶える。
そして、その山の上に手のカードを載せる。
このふえた山を持ち上げ、置いたり下に入れたりの操作で、客の選んだカードを見つけだす。
手の中の束を選んだ場合には、束のボトムカード(一番下のカード)を見る。
一方の山の上に束を置き、カードを持ち上げて、置いたり入れたりの操作で客の選んだカードを見つけだす。
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