『分数の分割』


 紀元前2000年頃の古代エジプトには、かなり高度な数学があったようですね。

今から百数十年前にエジプトのテーベで発見されて、イギリス人 H.リンドが保管していたリンド・パピルス(現在は大英博物館所蔵)には、 当時の知識がまとめられています。
最もその文章を読むためには、暗号を解くのと同程度の努力が必要だったそうですが。

 
パピルス(Papyrus)がPaperの語源であるというのは有名ですね。
それでは,今回はリンド・パピルスの問題からの出題です。

 分子が2、分母が奇数である分数を考えます。
これは「分子が1で、異なった分母を持つ分数の和(3つ以上の分数になる場合もある)」で表すことができます。

例えば、




15




28




18


【問題1】


11
 と 
13
をそれぞれ

「分子が1で、異なった分母を持つ分数の和」で表してください。
後者の方は、3つの分数の和も考えてみてください。

【問題2】

一般に「分子が2、分母が奇数である分数」を「分子が1で、異なった分母を持つ分数の和」に表す方法を考えてください。


【問題3】(京都府 わかさひ君からの問題・高校生以上向き)


(ただし、pは3以上の素数) は、
2つの異なる単位分数の和として、一通りの方法でのみ表現可能であることを証明してください。

(青木注:分子が1の分数を単位分数といいます。)

【問題4】


(ただし、nは奇数の合成数)は、
2つの異なる単位分数の和として、二通り以上の方法で表現可能であることを証明してください。

(例えば、


18


45
ですね)

【問題5】

一般に、既約な分数
(m<n)は、
異なるm個以下の単位分数の和で表現可能であることを証明してください。
参考までに、 全ての
(n>4)は、
3つの単位分数の和で表現可能であるかどうかは未解決の難問です。
(かなりの部分は解決されてますが)。

【問題6】(京都府 わかさひ君からの問題)
問題4の発展形として、nが合成数の時、
異なる二つの単位分数の和に表す方法は何通りあるでしょう?



 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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