筑波大学大学院教育研究科の恩田さんからの問題です。
「3つの半円」に関して数学史的な話題を少し。
この問題のように、3つの半円で囲まれた領域をアルキメデスは彼の『補助定理集』で”靴屋のナイフ”と呼び、研究しています。
そして、それから500年後にアレクサンドリアのパッポスが『数学集成』の中で、この”靴屋のナイフ”についてのアルキメデスの定理を拡張しました。
その定理は、まず、この問題のように、3つの半円に接するように円を描き、これをC1とする。
次にその円と、外側の半円、大きい方の半円に接する円を描き、これをC2とする。
さらに同じようにしてC3、C4、・・・Cn、・・・を順に描いていくと、
n番目の円の中心から(外側の半円の)底辺への垂直距離は、n番目の円の直径のn倍になっている、というものです。
○ 参考文献 ボイヤー『数学の歴史2』
【問題】
それではこの定理を証明してください。
話しを簡単にするために、最初の3つの半円の半径を5cm、3cm、2cmと仮定して証明してもOKとします。
もちろんこれも文字にして証明してもらってもOKです。
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