『油分け算』

 今回のテーマは、油を与えられた2種類のますを用いて等分する問題です。


【問題】

(1)桶に油が10升入っています。
  これを7升のますと3升のますを用いて、5升ずつに分けてください。
  方法は2通りあります。

(2)桶に油が8升入っています。
  これを5升のますと3升のますを用いて、4升ずつに分けてください。
  方法は2通りあります。

(3)この油分け算が必ず成功するような方法を見つけてください。



 解答用紙はこちらです。  【寄せられた解答】


それでは実際にやってみましょう。

 
どの移動をするかを選んで、「移動」ボタンをクリックしてください。
もう一度やるときは「新規」ボタンです。

◆(1)の場合  

【現在のますに入っている油の量】

10升のます:

 7升のます:

 3升のます:

【油の移動】

10升のます→ 7升のます:

 7升のます→10升のます:

10升のます→ 3升のます:

 3升のます→10升のます:

 7升のます→ 3升のます:

 3升のます→ 7升のます:

うまくできましたか。


◆(2)の場合  

【現在のますに入っている油の量】

 8升のます:

 5升のます:

 3升のます:

【油の移動】

 8升のます→ 5升のます:

 5升のます→ 8升のます:

 8升のます→ 3升のます:

 3升のます→ 8升のます:

 5升のます→ 3升のます:

 3升のます→ 5升のます:

うまくできましたか。


P.S

 これは1627年(寛永4年)、つまり江戸時代がはじまってまだ30年もたたないうちに発表された日本でたぶん最初の本格的な数学書「塵劫記(じんこうき)」という書物に載っている問題です。
著者は吉田光由(みつよし)という数学家です。
塵はチリのように小さいもの、劫は永遠というほど長い時間(囲碁で使いますね)のことで、塵劫記という名前は小さいものから大きいものまで何でも扱っている本、という意味なのです。
中国の数学書「算法統宗」などの問題を日本風に直したもので、大衆の教科書として使われており、当時の日常生活に関係ある問題もたくさん入っています。

同じような問題で「ぶどう酒」を等分する問題がヨーロッパでは16世紀の本に載っているそうです。


 ◆パズル問題へもどる

 数学の部屋へもどる