東京都 サボテン さんからの問題です。
以下の問題は「樹形図」を念頭に置きながら解くと分かり易いと思います。
以下の条件に基づきある形状Sが構成されているとします。
1)Sの構成要素は複数の点と複数の適当な長さの線(以下「枝」と呼ぶ)である。
2)各点には自然数が対応しており、これを「ランク」と呼ぶ。
3)ランクkの点にはランクk+1の点が枝を通して繋がっているものとする。
この時ランクkの点からは複数の枝が出るが、
各枝の先にはそれぞれ異なるランクk+1の点が1点だけ対応するものとする。
(ランクkの点から直接的にランクk+2などの点が枝を通じて繋がることはないものとする)
4)ランクkの点からランクk+1の各点に向けて出る枝の本数は、平均値μ、分散σの適当な確率分布に従うものとする。
5)各ランクの点から枝が出る出方は独立な事象であり、全て4)に述べた確率分布に従うものとする
【問題1】
ランクkからランクk+1の点に向けて出る枝の合計の期待値を求めなさい。
【問題2】
ランクkからランクk+1の点に向けて出る枝の合計の分散を求めなさい。
【問題3】
最大のランクをNとする。
ランクは、分岐の仕方によってグループ分けしたものと考える事ができる。
1)ランクkの点の個数の期待値を求めなさい。
2)点の総数の期待値を求めなさい。
1)を2)の値で割ることでランクkの点の出現頻度とkの関係を求めなさい。
またNが十分大きい時にはどのような振る舞いになるか?
【発展問題】
1)枝の分岐の角度や確率分布に適当な条件をつけて、実際に図形を作成してみてください。
(枝の長さをランクによって変化させてみても良いと思います)
2)作成した図形において、問題3のようにランクと、点の出現頻度の関係を調べてみて下さい。
ランク1の点からの距離と、点の出現頻度の関係を調べるのも面白いかもしれません。
今回の問題はジップの法則にヒントを得て作成したものです。
高校の知識があれば解けると思うので、高校生の方もチャレンジしてみて下さい。
この問題の条件に、枝の太さや流量などを考慮することで更に実際の川の流れや、葉脈、血管、インターネットのネットワーク構造といったものを記述できるかもしれません。
解答用紙はこちらです。
◆図形問題へもどる
数学の部屋へもどる