『工場のスケジュール』


「一人の大工さんが建てれば、100日で建つ家がある。
それでは100人の大工さんで建てれば、何日で建つか。」
答えは「一日です。」
では「10000人の大工さんで建てたら・・・」

というのはよく算数にでてくる笑い話ですよね。

ある印刷屋さんでは、製本完了までに、AからJまでの10の工程があります。
一人の人がそれぞれの工程にかかる時間は次の通りです。
(誰がやっても同じ時間がかかります)

◆図1

仕事
所要時間
(分)
18

一つ一つの工程は細かい作業なので、常に一人の人が専従することにします。

また各工程は下の図の順序に従って行われなければならないとします。
つまり矢印の始点からはじめて、その工程が終わるまでは矢印の先の仕事を始めることはできないとします。

 
原稿ができていないのに、印刷することはできないですからね。

・怠ける人がいると、全体の作業効率は落ちますね。
そこで、この会社では2つの規則を設けられており、その規則はきちんと守られているとします。

  1. 着手可能な仕事がないときは休息してよいが、それ以外の場合はすぐに次の仕事にかからなければならない。
  2. 1つの工程に着手したら、その工程が完了するまで休んではならない。
    つまり、各工程は必ず図1の時間で完了する。

上の条件の下で、できるだけはやく仕事を終わらせることができるようなスケジュールを考えてみましょう。

【問題1】

Xさん、Yさん、Zさんの3人で作業をするとします。
すべての工程が終わるまでの最短所要時間は何分でしょうか。
またその手順を示してください。

【問題2】

Xさん、Yさんの2人で作業をするとします。
すべての工程が終わるまでの最短所要時間は何分でしょうか。
またその手順を示してください。

【問題3】

 社長さんは思い切って、新型の機械を導入することにしました。
その結果、図1の各工程に要する時間を全て一分ずつ短縮できるようになりました。
今度も作業はXさん、Yさんの2人で行うことにするとすると、作業完了までの最短所要時間は何分でしょうか。
またその手順を示してください。


参考文献:数学流生き方の再発見 秋山 仁著 中公新書

この問題は秋山先生の著書で見つけ、あまり面白かったので紹介してみました。


 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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