『同値関係』


集合Xの2つの要素の間に関係〜が定義されていて、

反射律(1)x〜x
対称律(2)x〜y → y〜x
推移律(3)x〜y、y〜z → x〜z

の3つの条件を満たすとき、関係〜を同値関係という。

[例1]

実数の集合に対して、関係=は3つの条件をすべて満たすので同値関係です。

[例2]

ある自然数nを1つ決めます。
自然数の集合に対して、関係a〜bを

「|a−b|をnで割ったら余りは0」と定義します。

この関係は同値関係です。

例えばn=3とすると、
{1,4,7,・・・},{2,5,8,・・・},{3,6,9,・・・}の3つのグループにわかれ、同じグループに属する2数は関係〜を満たし、異なるグループに属する2数は関係〜を満たしません。

[例3]

平面上のすべての三角形の集合に対して、関係∽は同値関係です。
この関係によって、三角形は形が同じ(サイズは問わない)グループに分けられます。

では、実数の集合に対して定義された関係≦を考えてみましょう。
この関係は(1)と(3)は満たしますが、(2)を満たさないので、同値関係ではありません。

また、関係<は(3)しか満たしません。

【問題】

さて、同値関係の3つの条件の真偽の組み合わせは8通り。
同値関係でない場合の7通りについて、集合Xと関係〜を見つけてください。

(C)と(G)の場合も他におもしろい例があれば教えてください。

 (1)反射律(2)対称律(3)推移律 
(A)実数の集合、=
(B)×???
(C)×実数の集合、≦
(D)××???
(E)×???
(F)××???
(G)××実数の集合、<
(H)×××???


 解答用紙はこちらです。 【寄せられた解答】


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