『立方体は何個?』

『立方体は何個?』解答


◆静岡県 ヨッシーさんからの解答。

【問題1】

1×1×1の立方体が 3×4×5=60(個)
2×2×2の立方体が 2×3×4=24(個)
3×3×3の立方体が 1×2×3= 6(個)の合計90個・・・答え

【問題2】

まず赤い立方体も含めて考えると、

1×1×1 4×5×6=120(個)
2×2×2 3×4×5= 60(個)
3×3×3 2×3×4= 24(個)
4×4×4 1×2×3=  6(個)の合計210個

このうち、赤い立方体を含むものは

1×1×1 2個
2×2×2 8個
3×3×3 6個
4×4×4 4個 の合計20個

よって、210−20=190(個)・・・・答え

【問題3】

・1×1×1
 a×b×c=abc

・2×2×2
 (a-1)(b-1)(c-1)=abc-(bc+ca+ab)+(a+b+c)-1

・3×3×3
 (a-2)(b-2)(c-2)=abc-2(bc+ca+ab)+22(a+b+c)-23

    ・・・・・・・・・・・

・c×c×c

 (a-c+1)(b-c+1)(c-c+1)
=abc-(c-1)(bc+ca+ab)+(c-1)2(a+b+c)−(c-1)3
立方体の個数は

c×abc-{1+2+・・・+(c-1)}(bc+ca+ab)+{12+22+・・・+(c-1)2}(a+b+c)−{13+23+・・・(c-1)3}
=abc2 c(c-1)(bc+ca+ab)
2
+ c(c-1)(2c-1)(a+b+c)
6
- {c(c-1)}2
4
c(c+1){(c-1)(c-2a-2b)+6ab}
12
・・・答え
問題3は、もっときれいな形になるのかどうか分かりません。


【コメント】

 問題3もこれで完全解です。
a=b=cのときは、
13+23+・・・c3{c(c+1)}2
ですね。


◆岐阜県 水の流れさんからの解答。

掲示板の Knelさんの質問の参考にと思いまして。

問題
3+23+33+・・・+n3
={ n(n+1)
} 2

を等差数列を正方形に配置して、証明します。

<導き方>

このように等差数列を正方形に配置して、各正方形内の数の和をS(n)とおく。
例えば、S(1)=1 ,S(2)=1+2+2+4=9
S(3)=1+2+3+2+4+6+3+6+9=36,
・・・,
S(n)=?

次に、2つの連続する正方形の作る逆L字形の部分の数の和をT(n)とおく。
例えば、T(1)=1、T(2)=2+4+2=8 ,
T(3)=3+6+9+6+3=27,・・・,
T(n)=?(ただし、T(1)=1は特別扱いにする)

そこで、n番目の正方形を考えてみると、第1行の数の和R(1)は
R(1)=1+2+3+・・・+n= n(n+1)

そして、第i行の数の和R(i)は  R(i)=iR(1)

したがって、n番目の正方形内の数の和S(n)は

 S(n)
=R(1)+R(2)+R(3)+・・・+R(n)
=(1+2+3+・・・+n)× n(n+1)
={ n(n+1)
} 2

また、n番目の逆L字形の部分の数の和をT(n)は

 T(n)
=S(n)−S(n−1)
={ n(n+1)
} 2−{ n(n−1)
} 2

{(n+1)2 −(n−1)2}
=n3

ところで、T(1)+T(2)+T(3)+・・・+T(n)=S(n)

ゆえに、
3+23+33+・・+n3
={ n(n+1)
} 2

すなわち、はじめのn個の立方数の和は第1行の数の和の平方に等しい。


◆岐阜県 水の流れさんからの解答。

ATOM さんの平方数の和(掲示板)を別方法で求めてみました。

問題 <平方数の和S(n)を求める方法>

2+22+32+・・・+n2
n(n+1)(2n+1)

を 自然数を正方形に配置して、証明します。

<導き方>

このように自然数を正方形に配置する。
k番目の逆L字形の部分の数の和L(k)は

 L(k)
=1+2+3+・・・+(k−1)+k×k
k(k−1)
+k2

2

 次に、n番目の正方形内の数の和U(n)は、

 U(n)
=L(1)+L(2)+L(3)+・・・+ L(n)

(12+22+・・・+n2)−
(1+2+・・・+n)

S(n)−
n(n+1)
・・・(1)

 一方、n番目の正方形内の各行の数の和は一定で、

1+2+3+・・・+n=n(n+1)

したがって、U(n)=n・n(n+1)
・・・(2)

よって、(1)と(2)より ,


S(n)−
n(n+1)
=n・n(n+1)
・・・(2)

 S(n)

n(n+1)
{n+
n(n+1)(2n+1)

すなわち、自然数の平方数の和は
n(n+1)(2n+1)
となる。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【問題3】

与えられた直方体の任意の頂点を原点にし、3辺a,b,cがそれぞれx値,y値,z値となるようにxyz座標をとります。

そこで、立方体の8頂点の内で原点からの距離が最長である頂点が、直方体に含まれる各格子点である場合を考えます。

明らかにx=0やy=0やz=0の格子点には立方体は存在しません。
よって、立方体が存在する格子点は、
座標(x,y,z)が1≦x≦a,1≦y≦b,1≦z≦cのa*b*c個です。

a*b*c個の各格子点において、存在する立方体の数は以下となります。(注)
(ただし、例は9×6×4の直方体ですが、以後も同様にします。)

当然のことですが、各格子点における立方体の数は、x値,y値,z値の内の最小値です。

条件より、cはa,b,cの内で最小です。
そこで、1≦x≦cのc個と、
c<x≦aの(a-c)個に左右に分割します。
上の例で左側にある1≦x≦cをL、
上の例で右側にあるc<x≦aをRとします。

そこで、Lを以下のように1≦y≦cのc個と、
c<y≦bの(b-c)個にさらに下上に分割します。

Lの最右辺は、
(12の1倍)+(22の2倍)+・・+(c2のc倍)と
2+22+・・+c2の(b-c)倍の和です。(注)

明らかに、
(12の1倍)+(22の2倍)+・・+(c2のc倍)は
3+23+・・+c3 です。

∴ L={ c(c+1)
} 2+(b-c) c(c+1)(2c+1)

同様に、Rも以下のように1≦y≦cのc個と、
c<y≦bの(b-c)個にさらに下上に分割します。

Rの最右辺は、12+22+・・+c2の(a-c)倍と
1+2+・・+cの(a-c)(b-c)倍の和です。(注)

∴ R=(a-c) c(c+1)(2c+1)
+(a-c)(b-c) c(c+1)

よって、
求める立方体の数
=L+R
={ c(c+1)
} 2+(a+b-2c) c(c+1)(2c+1)
+(a-c)(b-c) c(c+1)
c(c+1) (c-1)(c-2a-2b)+6ab
12

【答え】 c(c+1){(c-1)(c-2a-2b)+6ab}
12

(注) 詳細は『正方形は何個?』で示したので省略しました。

[ P・S ]

直方体の3辺の最小値をtとし、他の2辺との差をそれぞれd1,d2とすると、以下のような綺麗な式になります。

求める立方体の数
=(1〜tの3乗和)+(d1+d2)(1〜tの2乗和)+(d1*d2)(1〜tの1乗和)

当然ですが、
a=b=cのときは3乗和{ c(c+1)
} 2となります。

また、3辺とも1なら1、2辺だけ1なら残りの1辺、1辺だけ1なら残り2辺の積となります。
いずれの場合も辺長1以外の立方体は不可能なので、これも当然です。

ところで、この解法や結果から判るように、a,b,cの内で最小なものさえ判明すれば解は得られます。
ですから、最小な辺でない他の2辺の大小関係は、解を得るのに必要ありません。


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