格子点上の多角形の面積解答

格子点上の多角形の面積解答


◆兵庫県中学校3年生 Takoさんからの解答。

周上の点の数を a
内部の点の数を b
多角形の面積を S とすると

    a+b/2-1=S

【コメント】

 見事正解です。
これをピックの定理といいます。
複雑な図形でも、けっこう簡単に面積が計算できますね。

できたらどんな方法で解いたのか、簡単に説明していただけませんか。
メール解答用紙で送ってください。

他にも解けた方がおいでましたら、メールをお待ちしています。


◆群馬県 青木繁伸さんからの解答。

b+a/2-1=S の間違いではないでしょうか?
例を挙げるまでもないですが,

+   +   +   +


+   *   *   +


+   *   *   +


+   +   +   +
 

格子点を+,*が正方形の4頂点とすると,
解答とされているものでは
a = 4, b = 0 で,s = 4+0/2-1=3 となり,誤りです。

【コメント】

 はい、まったくご指摘の通りです。
確認しなかった、私の不注意でした。
Tako君もきっと正解がわかっていて、書き間違えたのでしょうね。

どうもありがとうございました。


◆海外の高校生 宮崎隆行さんからの解答。

面積=S
内部の点の数=i
周上の点の数=p とすれば

S=p/2+i-1

[証明への試み]

(1)x軸に平行な辺の長さがm、y軸に平行な辺の長さがnの長方形を考える。

このとき、
p=2m+2n, i=(m-1)(n-1)

であるから、

(p/2)+i-1=m+n+(m-1)(n-1)-1=S となる。


(2)ここで
1辺を共有する2つの格子多角形を考え、その共有辺上の点(両端の点は含まない)の数をkとします。

          - - - - - - - - -
          |       #       |
          |  S^   #   S*    |
          |       #           |
          -      - - - - - - - -  /*この様な感じになる。 
           -   -                   ###のところが共有辺。*/
            ---

それぞれの多角形の面積をS^,S*,周上の点の数をp^、p*、内部の点の数をi^, i*とします。
このとき
S^=(p^/2)+i^-1, S*=(p*/2)+i-1

が成り立っているとします。(仮定)

もし共有辺***を消した新しい多角形の面積をS、周の点の数をp、内部の点の数をiとすれば、

   p=p^-k-1+p*-k-1,

   i=i^+i*+k となります。

これらの関係から、

(p/2)+i-1=S^+S*=S

(3) 全ての格子多角形は、小さな直角三角形を付け加えて作れる。

(4) もし(2)の長方形を2等分した直角三角形で S=(p/2)+i-1 が成り立つことさえ証明できれば

   直角三角形は S=(p/2)+i-1 をみたす

          ↓

   全ての多角形は直角三角形の和である

          ↓

   二つの多角形をあわせた場合、式が成り立つ

          ↓

        よって証終。

となるんですがこのステップがどうしても証明できません。

--- ここまで ---

【コメント】

 すばらしい証明のアイディアですね。
(4)のヒントだけを出しましょう。
長方形の面積をS、内部の点をi、周上の点をPとします。
長方形を2等分した直角三角形の内部の点をi'、周上の点をP'とします。
そして、対角線上の点の数をkとします。

i'はiとk、P'はPとkの式で表すことができるから、それを代入して

i'+P'/2−1を計算してみてください。

それはS/2と等しくなることが分かると思います。

ただちょっとしたことですが、「全ての多角形は直角三角形の和である」というのは厳密には正しくないかもしれません。
凸多角形ならたしかにそうですが、凹多角形では成り立たない場合もあると思います。
もちろん証明は簡単に修正できますが。


◆海外の高校生 宮崎隆行さんからの解答。

 完全な証明です。たぶん。

(4) (1)の長方形を対角線で二等分して二つの合同な直角三角形を作る。
直角三角形の内部の点をi'、周上の点をp'、対角線上の点の数をkとする。

このとき、

i'=(i-k)/2, p'=p/2+k・・(注)

よって

p'/2 +i'-1= (p/2+k)/2 +(i-k)/2 -1
= p/4 +i/2 -1/2
= S/2 /* Sは長方形の面積 */

であるから、上式は直角三角形においても成り立つ。
全ての格子多角形は直角三角形の足し引きによって作られる。
また、多角形の和・差は(2)により上式をみたすので与題は証明された。

/*ヒントどうも有り難うございました。(2)で(4)とほとんど同様のことをやっているのにそれに気付かないとは、何とも虚しい感じがします。*/

【コメント】

はい、実は99%正解です。

注の所を見てください。
p=2p'-2k-2ですから、
正しくは p'=p/2+k+1ですね。
それでばっちり計算が合うと思います。
でも、そんな細かいことよりもこれだけの証明を構成できる力はすごいと思います。


◆群馬県 429号さんからの解答。

面積=(周上の点−1)+(内部の点/2)


◆和歌山県 中辺路中学校選択数学5人衆 さんからの解答。

選択数学の時間にピックの定理について考えました。

小さな図形からだんだん大きな図形にしていって、多角形の内部の点の数、多角形の周上の点の数と 面積との関係を考えました。

そして、

多角形の面積=(多角形の内部の点の数)+(多角形の周上の点の数)/2-1
という関係を見つけました。

どんな複雑な図形の面積でも、暗算でぱっと答えが出るのでびっくりしました。
周上の点の数を2で割るのは、内と外の境界だからということですぐに納得できましたが、なぜ1を引 くのかについてはどうしてなのだろうと話し合いました。


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