◆東京都 けめ丸 さんからの解答。
一般化された追加予想について示す。 二項定理を用いて (x-1)n を展開した式(x-1)n = Σk=0,n (-1)n-k nCk xkを眺めると、問題の式が以下のように変形されることが分かる。Σk=0,n (-1)n-k nCk (k+r)n = (r + x d/dx)n Σk=0,n (-1)n-k nCk xk |x=1 = (r + x d/dx)n (x-1)n |x=1 = Σk=0,n nCk rn-k (x(d/dx))k (x-1)n |x=1 ... (*)ここで、次の事実に注意する。(x d/dx)k (x-1)n |x=1 = 0 for k < nなぜなら、(x-1)n を高々 k (< n) 回微分しても、(x-1) の 1 次以上のベキが 残るからである。結局、式 (*) で 0 でないのは k = n に対する項のみ。(*) = (x d/dx)n (x-1)n |x=1この計算には Leibniz の公式を順次適用していかねばならない。しかし、上記に 述べた理由から、0 でない値をとるには (x-1)n を n 回微分せねばならない のだから、必要な項はxn (d/dx)n (x-1)n |x=1のみである。これは明らかに n! を与える。
『n!』の追加問題について r は、実数でなくても例えば不定元としても正しいと思います。
以前お送りした公式集のようなものの (1.4) とした次の補題があります。
【補題】
N を n 個の要素からなる集合とし、 J を j 個の要素からなる集合とすると、J から N の上への写像の個数は
|
n Σ k=0 | (-1)n-knCk kj |
【追加問題】
この補題を証明してください。
河野 進さんのご指摘によると、この補題は、『生徒のグループ分け』 問題でグループに名前を付けて区別したものと見ることができます。
従って、一方が解ければ他方は、グループの数の階乗(またはその逆数)をかける事で解けます。
【系】
| (1) |
n Σ k=0 | (-1)n-knCk kn = n!. |
(2) j を n より小さい非不整数とすると
|
n Σ k=0 | (-1)n-knCk kj =0. |
この系をつかいますと
|
n Σ k=0 | (-1)n-knCk (k+x)n |
| = |
n Σ k=0 | (-1)n-knCk |
n Σ j=0 | nCj kjxn-j |
| = |
n Σ j=0 | ( |
n Σ k=0 | (-1)n-knCk kj)nCjxn-j |
| =( |
n Σ k=0 | (-1)n-knCk | kn)nCnx0 |
| = n! |
◆東京都 千葉 英伸 さんからのコメント。
n!でのrは確かに実数である必要はありませんね。
ご指摘のとおり、n!は生徒のグループ分けから導きました。
導かれた式が(k+1)の形だったのでそのまま出題しました。
自分で証明もできずに出題してしまったので、問題自体が混乱してますね。
すいません。
少なくとも、(k+整数)くらいに拡張しておくべきでした。
(k+整数)にしておけば、
(もちろん実数でも虚数でもOKですが)
高校数学の問題として、帰納法で直接証明することができます。
◆東京都 元吉 さんからのコメント。
この問題は、わたしのホームページの「数学の問題」の中の問題5と本質的に同じだと思います。
わたしとしては、自分のページの解答で使った、「n回階差数列の初項」という見方のほうが好きなのですが、いかがなものでしょうか。