◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
任意のnで可能である。
<定義>
(A) n人の人を 0〜nー1番 の番号で識別する。
(B) n−1種の玉の色を 1〜nー1番 の番号で識別するとともに、0番の色を拡張追加し、これを交換しない意味とする。
(C)I番の人がJ番の人に渡す色を EIJ とする。
<定式化> EIJに要請される問題の条件は
(あ)自分とは交換しない
EII=0
(い)最初1人は全て異なる色を持つ
J≠K のとき EIJ≠EIK
(う)交換後1人は全て異なる色を持つ
I≠K のとき EIJ≠EKJ
(え1)(1)の条件 EIJ≠EJI (I≠J)
(え2)(2)の条件 EIJ=EJI :対称行列
<nが奇数の場合>
任意の奇数nで(1)の条件で成立するEIJがある。
∵ (え1)の条件を強化し下記(⊂え1)で考える。
これは(あ)と矛盾せず、nが奇数なので(⊂え1)が成立すれば(え1)は成立する。
∵もしEIJ=EJIなら EIJ=n/2 であり、整数でないから矛盾する。
(⊂え1)EIJ=−EJI [mod n] :反対称行列
いきなり、成立するEIJの作り方を示す。
EIJ=I−J [mod n]
を考えると、明らかに(あ)(い)(う)を満足している。
また −EJI=−(J−I)=EIJ[mod n] より(⊂え1)を満足する。
<nが偶数の場合>
任意の偶数nで(2)の条件で成立するEIJがある。
∵ (い)と(え2)から(う)は導かれるので、(あ)(い)(え2)のみの条件でよい。
こちらもいきなり、成立するEIJの作り方を示す。
{第1段階}
EIJ={(I+J+1) mod (n-1)}+1 for I≦n−2 J≦n−2
:明らかに(い)(え2)条件には非抵触である。
(あ)条件は後で修正する。要素値に0はない。
{第2段階}
EI,n-1=En-1,I=EII の後
EIIを白紙化 for I=0〜n−2
:(え2)は明らかである。
行内で要素を移動しただけなので、0〜n−2行では(い)に非抵触であり、要素値に0はない。
また、n−1行の要素値−1は(2*J+1)mod (n-1)であり、
2と奇数n−1は互いに素であるので、要素値は1〜n−1の値を一巡し、(い)には抵触せず、値は0ではない。
{第3段階}
EII=0 for I=0〜n−1
:(あ)の条件完了。
また、第2段階まででは0値はなく、かつ、対角要素への設定なので、(い)にも抵触しない。
以上でEIJ要素は全部埋まり、(あ)(い)(え2)を満足している。
【P.S.】
実際には、nが偶数の場合、0番〜n−2番の人内で
(自分番号+相手番号)mod (nー1)で交換する色を決めて交換し、
各自残った色をn−1番の人と交換すればよい。
一方、奇数の場合は(自分番号―相手番号)mod nで決める。
◆出題者のコメント。
早々に解答ありがとうございます。正解です。
期待以上のすばらしい解答です。
特に偶数時の巧妙な手法には感心しました。
示された偶数nの手法は、異なるn個を縦にも横にも揃える魔法陣(nxn)の一般解にもなります。
解答より、いかなる奇数時にも元に戻る異種交換は必ず存在するが、同種交換は存在しないことが示されました。
また、いかなる偶数時にも元に戻る同種交換が必ず存在することも示されました。
もうお判りと思いますが、問題を1つ追加します。
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【追加問題(2)】
答え n=2,4を除き任意の偶数で異種交換可能である。
∵ 下図に示すように、n=2,4 では 不可能である。
一方、n=8 は 下図に示す解がある。
また、奇数は一般に存在した。
いまm×m行列Emが異種交換の性質を満足しているとき、
下図によりE2mを作成すると、これも異種交換の性質を満足している。
{∵Emは0〜m−1を要素値とするm次亜魔方陣であるので、
F=Em+mU、G={Em+U mod m}t+mUは、
mから2m−1を要素値とするm次亜魔方陣であり、
E2mは0〜2m−1を要素値とする2m次亜魔方陣である。
また、Gt=F+U mod m であるので Gt≠Fである。
ここで「m次亜魔方陣」は異なるm個を縦にも横にも揃える魔法陣(mxm)の意味とする。
対角への条件なし。}
つまり、n=8×2Kないしn=奇数×2Kは可能である。
K:非負整数。
【P.S.】
魔方陣の作り方と似ていますね。
Cf『4の倍数でない偶数魔方陣』
◆出題者のコメント。
自分同士の交換に使う玉を(n−1)種とは別なn番目の玉とし、横の行を渡す玉、縦の列を貰う玉、としてn行n列の魔法陣を作ることを考えます。
異種交換でも同種交換でも共通して言えることは、異なるn個を縦にも横にも揃える必要があります。
異種交換,同種交換のそれぞれにおいて、さらに次の条件が加わります。
異種交換(EIJ≠EJI):魔法陣において、自分同士のマスを結んだ対角線を挟んで対称な位置は等しくない。
同種交換(EIJ=EJI):魔法陣において、自分同士のマスを結んだ対角線を挟んで対称な位置は等しい。
Y.M.Ojisan さんの【追加問題】の解答では、n=6 の例は条件を満足しています。
ところが、n=8 の例は条件を満足していません。
それから、確かに厳密に言えば「奇数nの時は同種交換は存在しない」とは解答中には示されていませんでした。
早とちりで、失礼しました。
【追加問題】の文章を改めました。
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【追加問題(1)】
答え nが奇数の場合に同種交換は不可能である。
∵ nが奇数の場合、一つの色に関して交換のペアを組むと必ず1つあまるので不可能である。
【解答訂正のコメント】
n=8の例に誤記がありましたので修正しました。
太字部。
また、問題文修正に合わせ、解答を一部修正しました。
◆出題者のコメント。
Y.M.Ojisan さんへ
すべて正解です。
3と4を入れ違えただけの、ただのミスプリだったんですね。
気付いてさえいれば、明らかに可能例になっているので些末なことでした。
気付かなくて、すみませんでした。