◆東京都 かえる さんからの解答
【問題1】
ケーキの上面の円の中心をO、ハエの位置をA、B、Cとする。
OAからOBに向かう角を2πx、OAからOCに向かう角を2πyとする。
ただし、0≦x≦y≦1。
この領域のなす面積は | 1 2 | 。 |
ケーキの上面の半円が無事
⇔
π<2πx または 2πy−2πx>π または 2πy<π
⇔
x< | 1 2 | または y>x+ | 1 2 | または y< | 1 2 |
0≦x≦y≦1の領域の中で、この領域のなす面積は、 | 3 8 |
従って、
ケーキの半円の上面が無事な確率
= | 3 8 | / | 1 2 |
= | 3 4 | ・・・【答】 |
(感想)
『1本の線分と三角形』の問題の三角形ができない確率と同じですね。
【問題2】
O(0,0)、A(0,6)、B(9,6)、
C(9,0)D(4,6)、E(9,1)
とすれば、OA+AD=DB+BE=EC+CO=10 より、
四角形OADX=四角形DBEX=四角形ECOX=18 になるように点Xをとれば、線分OX、DX、EXの3線分が題意を満たす例となる。
△OAD=12 より △ODX=18−12=6 ゆえ、
点Xは、直線y= | 3 2 | x−3 上にある。 |
△DBE=12.5 より △DEX=18−12.5=5.5 ゆえ
点Xは、直線y=−x+ | 39 5 | 上にある。 |
2直線の交点を求め、点X(4.32,3.48)
四角形OABCを線分OX、DX、EXで分割するのが1例となる。・・・【答】
◆愛知県 迷子の雄猫 さんからの解答
【問題1】
ハエの大きさを無視して良ければ、75%
最初の2匹のハエが止まった点をa,b、中心をO、点aを通る直径と円周の交点のうち、点aと反対側にある 点をA’とする。(点B’も同様)
3匹目のハエが止まってはならない領域は、扇形A’OB’である。
この領域の面積は、円全体の0%(点A’とB’が一致するとき)〜50%(点a,bがほぼ反対側に有るとき) であるから、平均して25%
ケーキの上面の半円が無事である確率は75%
【問題2】
ケーキの大きさを(0,0)-(9,6)として、
(0,3)-(5,3),(5,3)-(7,0),(5,3)-(7,6)で分割する。
◆熊本県 mit さんからの解答
【問題1】
任意の2点にハエがとまった時点では、必ず何処にもハエがとまってない半円ケーキが得られる切り分け方が存在する。
ハエが止まった2点をA,B、円の中心Oとし、∠AOB=θとおく。
(0≦θ≦π)
AからOに向かって直線を引き円周との交点をD、同様にBからOに向かって直線を引き円周との交点をEと おく。
ここでハエが止まる3点目Cを決めるのだが、何処にもハエがとまってない半円ケーキが得られる切り分け方 が存在するのは半径OD、OEと弧DE(小さい方)でできる扇形の外部にハエが止まったときである。
したがって∠AOB=θのとき、どこにもハエが止まっていない半円ケーキが得られる切り分け方が存在しな い確率は
θ 2π |
となる。 |
θが取りうる値は0からπまで同様に確からしいので求める確率は
1− |
2π・π | = | 3 4 |
意外と大きいですね。
頭の中でイメージした感じでは無事でない確率の方が大きいように思えたので、結果は予想外でした。
◆出題者のコメント
かえるさん、迷子の雄猫さん、mitさん、解答ありがとうございます。
【問題1】【問題2】のいずれも正解です。
【問題2】の解答は、出題者としては一般形にも応用できる かえるさん が示されたような分割方法を期待してました。
まさか、迷子の雄猫 さん が示されたような単純明快な分割方法があるとは気付きませんでした。
(図らずも、4線分による分割の例がヒントになったのかな?)
あまりにも簡単に解かれてしまったので、【問題1】を発展させた問題を追加します。
◆東京都 かえる さんからの解答
【問題1−A】
ケーキの上面の円の中心をO、ハエの位置をX(1)、X(2)、・・・X(n)とする。
OX(1)からOX(2)に向かう角を2πx(2)、・・・
OX(1)からOX(n)に向かう角を2πx(n)とする。
ただし、0≦x(2)≦・・・≦x(n)≦1。
この領域のなす体積は | 1 (n−1)! |
。 |
ケーキの上面の半円が無事
⇔
π<2πx(2) または 2πx(3)−2πx(2)>π または
・・・
または 2πx(n)−2πx
(n−1)>π または 2πx(n)<π
⇔
x(2)< | 1 2 |
または x(3)−x(2)> | 1 2 |
または |
または x(n)−x(n−1)> | 1 2 |
または x(n)< | 1 2 |
0≦x(2)≦・・・≦x(n)≦1の領域の中で、
この領域のなす体積は、 | n 2n-1・(n−1)! |
。 |
従って、
ケーキの半円の上面が無事な確率
= | n 2n-1・(n−1)! |
/ | 1 (n−1)! | = | n 2n-1 | ・・・【答】 |
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答
【問題1−B】
答え | n2−n+2 2n |
問題1−Aは次のようにも考えられます。
半円上(角のみ考慮)の点集合の最小領域をUとすると、
Uの両端の2点はnC2通りあり、かつ排他的です。
円の周長を1とし、Uの長さをLとするとき、L=0〜 | 1 2 | に対して |
従って、無事な確率Eは
E=nC2 | 1/2 ∫ 0 | Ln-2f(L) dL= | n 2n-1 | です。 |
問題1−Bも同様に考えられます。
球面は全表面積が1であるとします。Uとして今度は円を考え、パラメータは球上での面積Aとします。
この円Uを規定する場合として次の2ケースがあります。
(1)2点がUの直径になっている
(2)3点で円Uが規定され、かつその3点は鋭角三角形の頂点である。
さらに点の選び方で(1)にはnC2、(2)にはnC3ケースありますが、全て重複はありません。
従って、(1)(2)それぞれの確率を f2(A),f3(A)とすれば
E=nC2 | 1/2 ∫ 0 | An-2f2(A) dA+nC3 | 1/2 ∫ 0 | An-3f3(A) dA |
で計算できます。
<f2>
2点のうち1点を北極とし、他点を
緯度 | π 2 | −2θ(θ=0〜 | π 2 | )にあるとします。 |
このときA= | 1−cos(θ) 2 | です。 |
また、その確率はθあたりでsin(2θ) です。
従って、f2(A)dA=2sin(θ)cos(θ)dθ=4(1-2A)dA
nC2 | 1/2 ∫ 0 | An-2f2(A) dA=nC2 | 1/2 ∫ 0 | 4An-2(1-2A) dA= | 1 2n-2 |
<f3>
Uの中心を北極とし、他3点を緯度 | π 2 | −2(θ=0〜 | π 2 | )にあるとします。 |
このときA= | 1−cos(θ) 2 | です。 |
また、3点がその緯度にある確率はθあたりで | 3sin3(θ) 2 | です。 |
さらに、球面上の3点が鋭角3角形になる確率はその一様に | 1 2 | です。 |
(∵ | π/2 ∫ 0 | sin(2φ)dφ=1 、 | π/2 ∫ 0 | φsin(2φ)dφ= | 1 2 | ) |
従って、
f3(A)dA= | 3sin3(θ)dθ 4 |
= | 3(1−(1-2A)2)dA 4 |
=6A(1−A)dA |
nC3 | 1/2 ∫ 0 | An-3f3(A) dA=nC3 | 1/2 ∫ 0 | 6An-2(1-A) dA= | (n−2)(n+1) 2n |
以上まとめると E= | n2−n+2 2n |
【PS】
1−Aは | nC1 2n-1 | と表記でき、 |
1−Bは | nC0+nC2 2n-1 | と表記でき、 |
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答
【問題1−A】
無事な場合、点の存在する区間の左端の点:ハエは排他的にNとおりあり、
残りN−1点がその区間に入る確率は21-Nであるので、
NC1 2N-1 | が得られる。 |
【問題1−B】
点間を結ぶ大圏コースの線分は、NC2通りあるが、これらは赤道と全く交わらない場合と交わる場合の2ケースがある。
交わらない場合は、北半球か南半球に点が全部ある場合であって無事な場合であり、
その確率は2*2-Nである。
交わる場合は赤道上に交点が幾つか存在するが、1−A同様一番左端の交点を排他的に定めることが可能である。
大圏コースの線分を定める2点に関しては北と南か南と北半球に入る場合であり、
確率は2* | 1 22 | であり、 |
よって全体で確率は | NC2 2N-1 | である。 |
以上合計すれば無事な確率は | NC0+NC2 2N-1 | である。 |
【PS】
やはり直接の解釈方法がありました。
◆出題者のコメント
かえるさん、Y.M.Ojisanさん、解答ありがとうございます。
いずれも正解です。
(コメントが遅くなって申し訳ありません。)
一般に、d次元球の表面である(dー1)次元球面の半球面上に
n点すべてが存在する確率を F(d,n) とすると、
F(d,n)={ | d-1 Σ k=0 | n-1Ck | } | /2n-1 が成立します。 |
ですから、
【問題1ーA】
F(2,n)= | n-1C0 + n-1C1 2n-1 | = | n 2n-1 |
【問題1−B】
F(3,n)= | n-1C0 + n-1C1 + n-1C2 2n-1 | = | n2−n+2 2n |
ですね。