『3人の帽子の色』

『3人の帽子の色』解答


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

A,B,Cの順に答えたとする。

●Cの推理

  
(1) 
(2)この場合、Bが自分の帽子の色は赤と判ったはずです。
(3) 
(4)この場合、Aが自分の帽子の色は赤と判ったはずです。
(5) 
(6)この場合、Bが自分の帽子の色は赤と判ったはずです。
(7) 

赤の帽子3個、青の帽子2個のとき上記の7通りしかない。

問題となるのは2)の場合。
Aは論理的には、赤か青か判らないはず。
Aの判らないという答えを聞いたBは背理法を使って、もし自分(B)の帽子の色が青ならAは「自分の帽子の色は赤」と判るはずなのに、判らないと答えている。
判らないと答えていることから、自分の帽子の色は赤と判るはずである。

したがって2),4),6)の場合はなかったことになる。
そうなるとA,B,Cが実際にかぶった帽子のパターンは、1),3),5),7)になり、Cは自分の帽子の色は赤と判る。


【コメント】

 この問題は、かなり有名な問題だそうですが、特に2)の場合が面白いですね。


◆福井県の中学校3年生 かおる さんからの解答。

よって、『赤・青・赤』『青・赤・赤』『青・青・赤』の3通りが答えです。


◆東京都 vic.R さんからの解答。

解答として付け加えるものではありませんが、解答の整理とこの問題についての感想をのべます。

rを赤い帽子、bを青い帽子、?は不明として、下表により説明する。
左の4列がAの判断、右の5列がBの判断(太字で表現)

A ? ? ? r r r r b b
B r r b b ? r b ? r
r b r b r b b r b
組み分け 2) 2) 2) 1) 3> 2> 1> 3> 2>

AとBの判断の組み合わせは
1)−−1>
2)−−2>、3>となる

すなわち
Aは
1) 2人ともbなら自分はr
2)そうでないときは自分は不明

この2つしか、論理的な解答はない。

Bは
1> Aが1)なら、自分はb
2> Aが2)でCがbなら自分はr
3> Aが2)でCがrなら自分は不明

論理的な解答はこの3つである。

したがって、Cは1>、2>、3>に対応して b、b、rと解答できる。

とすると、実はCはAが論理的に解答していればその内容が不明でもBの論理的解答で解答できる。
つまりBが帽子の色がわかればb、不明ならrと解答できる。


つまり、問題は(論理的解答を前提として)「最初に解答したAの解答を聞いて、Bは自分の帽子の色がわかった(あるいはわからない)といいました。
Cの帽子の色はなんでしょう」とすることができる

(感想)
この問題が古くからあるのはおっしゃるとおりです。
何度か、クイズの本で見かけます。
そのことで思い出すのは、小学低学年向けにかかれた「赤いぼうし」という絵本です。
この絵本全体がこの問題をあつかっています。

この本は野崎昭弘 文、安野光雅 絵 童話屋の出版、美しい数学という森毅先生などによるシリーズの5にあたるもので1984年発行です。
低学年にもわかるよう工夫しながら、論理的に(「もし」という考え方など)説明しています。
(解説には図があるのですが、本文は文章だけなので結構筋道をたどるのはしんどい)

たまたま部屋を整理していたらこの本がでてきました。
当時小学2年の息子のために買ってやったものですが、結構熱心にみて理解していたのを思い出します。
小学校では随分と算数や論理に熱心で関心も高かったのに、大学生のいまは数学はまったくだめ、とても残念におもっています。


◆京都府の中学校3年生 おじゃる丸 さんからの解答。

まず、図で考えます。

  
これはCがわからない。
これもCがわからない。
 
BとCが青でAがわかる。
 
AとCが青でBがわかる。
 

3はCがもし青だったらAが青だとわかってしまうのでCが赤だとわかります。
5はCがもし青だったらBが赤だとわかってしまうのでCが赤だとわかります。
7は青は2個しかないのでCが赤だとわかります。

よって、[赤 青 赤][青 赤 赤][青 青 赤]の3通りが答えです。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

この問題でA,B,Cが赤,赤,赤の場合、
「清川育男さん」や「vic.R さん」は、Cはわかる。
他の2人の解答者は、Cはわからない。
としています。

結論から先に述べれば、A,Bが、どのように答えようがCは常にわかります。
以下にその推理を示します。


Aが「わかる」ならば、B,Cとも青です。

Aが「わからない」ならば、B,Cの内の少なくとも1人は赤です。
(何故なら、B,Cとも青ならAは「わかる」筈です)

Aが「わからない」後、BがCを見て青ならば自分(B)は赤と「わかる」筈です。
(何故なら、自分(B)も青ならAは「わかる」筈だったからです)

Aが「わからない」後、BがCを見て赤ならば自分(B)も「わからない」筈です。
(何故なら、Cが赤なら自分(B)が何色でもAが「わからない」のに矛盾しないからです)

これらのことは、BはAの気持ちに、CはBやAの気持ちになれば推理できます。
ですから、A,Bがどのように答えようがCは次のように常にわかります。

A「わかる(赤)」,B「わかる(青)」,C「わかる(青)」
A「わからない」,B「わかる(赤)」,C「わかる(青)」
A「わからない」,B「わからない」,C「わかる(赤)」


この解法では、自分の帽子の色を推理するのに、BはAの帽子の色を、CはBやAの帽子の色を、 まったく利用していません。
ですから、問題を以下のようにさらに面白くしても結果は同じです。

3個の赤い帽子と、2個の青い帽子があります。

これらの帽子を3人に見せてから、縦1列に並んでもらいました。
そこで、本人には見えないように任意の帽子を1個ずつかぶせて、残りの帽子は隠しました。

後ろから順に自分の帽子の色をたずねたところ、いつも先頭の人はわかったと答えました。
先頭の人は、どう考えたのでしょうか。

縦1列に並んでいるので前にいる人(達)の帽子は見えますが、他の帽子は見えません。


◆大阪府 ドラキュラ さんからの解答。

  1. A がわからないと答えたので、残るB,Cの帽子の色は青青ではない。
    (どちらかは赤)

  2. B もわからないと答えたので、残るA,Cの帽子の色は青青ではない。
    (どちらかは赤)

  3. A,B が赤赤の場合、Cも赤なら、1、2を満たし、この場合Cにも自分の帽子の色は分からない。

    A,B が赤青、または青赤の場合、Cも青なら、AかBのどちらかは青青の帽子を見ることになり、自分の帽子は赤いとわかる。
    ゆえにCの帽子は赤いとわかる。

    A,B が青青の場合、Cは自分の帽子は赤いとわかる。


◆愛知県の高校生 ひろ さんからの解答。

これは『3枚のカード』の簡単バージョンですね。

赤3、青2

まず「Aが分からない」より「BCは少なくとも一方が赤。」

「Bが分からない」より「AとCは少なくとも一方が赤。」

またCが二人を見たとき時

ABが青の時…赤
Aが赤、Bが青の時…Aが分からないより、赤
Aが青、Bが赤の時…Bが分からないより、赤

ABが赤の時…もしもCが青ならば、AがわからないよりBはCをみて自分が青じゃない、赤だと断定できるが分からなかった。
よってCは青じゃない、赤

以上の通りCは考えた。

この問題はもしCに青をかぶせたら成立しなくなると言うのがみそですね。
なんかスマートに解けて嬉しいです。

でも今気づいたけど、最後の背理法の証明しちゃえば上のはいらないですね(^_^;)

まだまだですm(__)m


◆東京都 鳳 奥人 さんからの解答。

最初にAさんが自分の帽子の色を判別できるのは、BさんとCさんの2人とも青帽子だった場合です。
(青帽子は2個しかないので、Aさんは当然赤帽子になります)

しかしAさんは自分の帽子の色を判別できませんでした。
したがって、BさんとCさんの少なくとも1人は赤帽子です。・・・(1)
そしてこのことは、Aさんが答えた時点でBさん・Cさんにも当然わかってしまいます。

次にBさん。もしCさんの帽子が青だったら、(1)より自分の帽子は赤だとすぐわかるはずです。
しかしBさんはわかりませんでした。
よってCさんの帽子は赤です。

というわけで、Cさんの帽子が赤であることが確定しました。
もちろんこのことはCさんにもわかりました。

残念ながら、AさんとBさんの帽子の色が何であったかは我々にはわかりません。


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