『今週の問題−第200回』


 今回は200回記念なので、たくさん記念問題を出題します。
じっくり考えてみてください。


記念問題その1 静岡県 medaka さんからの問題です。


◆記念問題その2 愛知県 Y.M.Ojisan さんからの問題です。(高校生以上向き)

百人一首の情報

小倉百人一首は絵札100枚、字札100枚の合計200枚のカルタであそぶゲームです。
ルールは競技カルタから坊主めくりまで色々なレベルがあります。
日本カルタ連盟参照。

ここでは「競技カルタ」のルールを若干変形して考えます。
専用ロボットと人間の対戦とします。

<ルール>

  1. 100枚の字札からそれぞれ無作為に25枚を選びます。

  2. 各自、自分向きに3段9列の決まった位置にならべます。
    (正規は3段任意位置)
    下図参照

    自陣の並べる位置・順は自分で決めることができます。

  3. 15分間覚えます。(問題には関係ない)

  4. 絵札の上の句をよみ、下の句が書かれている字札を取ります。
    絵札は100枚全部を無作為に読み上げます。
    一度詠んだ歌は再度詠まれません。

  5. お手つきは双方しないものとしてルールを定めません。
    (正規:お手つきした方に一枚移動する。)

  6. 残っている字札を移動させてはいけません。
    (正規:相手の了解を得て自陣の札のみ移動可能)

  7. 敵陣の札をとった場合は、自陣の1枚を相手に渡し、相手は自陣の空いたところに置きます。

  8. 25枚を先に取った(自陣がなくなった)方が勝ちです。
<専用ロボットの機能>

 専用ロボットは2体(#1と#2)から構成され、通信でつながっています。

#1は目と手を持っていて、自陣の札を作戦に基づいて並べると共に、相手の並べた札位置を認識し記憶します。
また、この情報を圧縮して、試合開始直前の一回だけ、#2に送信します。

 #2は耳と高速の手を持っていて、また#1の作戦および情報圧縮方法を完全に知っています。
詠まれた上の句を瞬時に認識し、#1からの情報やそれまでの詠まれた歌の構成から判断し、対応する字札位置が特定できれば瞬時に取ることができ、人間には負けません。
一方、一箇所に特定できない場合は取らないので、必ず人間が取ります。

 #2は目が無いので、札の移動があった場合、相手からの札が何か、また相手に渡した札が敵陣の何処に置かれたかは普通分からなくなります。

 字札100枚に番号を付けると、7ビットの情報で、どの札であるかないし置かれていない状態か分かります。

置くべき位置が54あるので、7×54=378ビット送信すれば、全ての位置を伝えることが可能であることは明らかです。
でも無駄があります。そこで、

【問題1】

 試合開始時、ロボット#2が自陣の札25枚の位置を全て特定できるためには、#1は最低何ビットの情報を送信する必要があるでしょうか。 

【問題2】

 試合開始時、ロボット#2が敵陣の札25枚の位置を全て特定できるためには、#1は最低何ビットの情報を送信する必要があるでしょうか。

【問題3】

 ロボットが100%勝利する(25枚に取る)には自陣の情報だけでは最悪ケースに於いて不足です。
その合計のビット数は最少何ビット必要でしょうか。

 ただし、対戦相手(人間)の癖が分析されており常に、下図のように中央上2段を除く位置に25枚を置き、かつ(1)〜(6)の4枚の各グループ内では公知辞書の辞書引き昇順に左から並べます。
これを作戦に組み込めます。


 解答用紙はこちらです。


No.解答時刻正解者 
7/11 SUN 8:45迷子の雄猫 さん一般
7/25 SUN 5:06やっこざき さん一般


 ●寄せられた解答


 ◆過去問はこちらです。


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