『今週の問題−第70回』


◆ピタゴラスのタングラム

 今回のテーマは中学校3年生で習うピタゴラスの定理(三平方の定理)についてです。
ピタゴラスは孔子や老子と同時代の、紀元前6世紀に活躍した数学者です。
(B.C580〜500頃)

上図の直角三角形ABCで、直角を挟む辺の長さがa,b、斜辺の長さがcであるとします。

すると

青の正方形の面積+緑の正方形の面積=赤の正方形の面積。
つまり a2+b2=c2が成り立ちます。
これが有名なピタゴラスの定理です。

ミュージカル「オズの魔法使い」にでてくるワラのかかしが、頭脳をはじめて授かり、最初に発した言葉が、
「直角三角形の2辺の2乗の和は斜辺の2乗に等しい。」だったそうです。
ここではこのピタゴラスの定理が人間の知恵の象徴として使われています。

【問題1】

上の2つの正方形を図のように分割します。
これを並び替えると、下の大きな正方形を作ることができます。
このことでピタゴラスの定理を証明してください。

回答は、並び替えた後の最も大きい正方形の各部の色を上から順に答えてもらえばOKです。


それでは実際に実験してみましょう。
図の2つの正方形を組み替えて、下の正方形を作ってみてください。
図形の中央付近でマウスの左ボタンをクリックし、ボタンを押しながら動かすと、図形を平行移動することができます。

下の ボタンをクリックしてマウスを動かすと、図形を回転することもできます。


2+b2=c2 の関係を満たす3つの自然数a,b,cはピタゴラス数といいます。

【問題2−1】(問題2−3を解く準備)

3,6,9・・のように3で割りきれる数を2乗した数は、当然3で割り切れます。

それでは、1,4,7・・のように3で割って1余る数を考えます。
これらの数を2乗した数12,42,72・・を3で割った余りは何になるでしょうか。

【問題2−2】(問題2−3を解く準備)

2,5,8・・のように3で割って2余る数を考えます。
これらの数を2乗した数22,52,82・・を3で割った余りは何になるでしょうか。

【問題2−3】

a,b,cはピタゴラス数であるとします。
このときa,bのうち、少なくとも一つは3で割り切れることを示してください。

 :できるだけ見ないでね。

【問題3−1】(高校生以上向き)

a,b,cはピタゴラス数であるとするとき、
a×bは12で割り切れることを示してください。

【問題3−2】(高校生以上向き)

a,b,cはピタゴラス数であるとするとき、
a×b×cは60で割り切れることを示してください。


◆参考

三平方の定理の別の証明はこちらにあります。

三平方の木その1その2もご覧ください。


 解答用紙はこちらです。


No.解答時刻正解者 
11/ 7 SUN 13:03清川 育男 さん一般
11/ 7 SUN 15:09緑川 正雄 さん一般
11/ 7 SUN 19:16迷える羊 さん一般
11/ 7 SUN 21:41ゆうきリンリン さん中学3年
11/13 SAT 12:27加藤 優彦 さん小学生
11/13 SAT 12:28AAAI さん大学生


●寄せられた解答


 ◆過去問はこちらです。


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