『不戦勝の試合数解答』


◆宮城県 斉藤 誠さんからの解答。

 不戦勝を数えるのは不自由なので「戦わないチーム」と戦った数をかぞえることとします。

「戦わないチーム」のグループを「ゴースト」とし、トーナメントツリーにすべてのチームを配置し、参加チームが2の累乗に不足する場合に「ゴースト」チームを配置することで完全なツリーとします。

 すると「不戦勝を最小にする」は、この「ゴースト」と戦う対戦数を最小にすることになります。
最善の場合は「ゴースト」グループ(2の累乗のチーム数のとき)での優勝チームと1度だけ戦えば、不戦勝1回で済みます。

 さて、ここに参加8チームのトーナメントツリーを考えます(図1)。
」の配下(枝と呼ぶことにします)のチーム数を見ると、それぞれ2の累乗になっています。
0段目=1チーム  1段目=2チーム 2段目=4チーム 3段目=8チーム
ここに「ゴースト」を配置することを考えます。
3チームの場合が図2です。

       ┃         配下のチーム数
                  8(3段目)
   ┏━━━━━━┓       
   ┃              4(2段目)
 ┏━┻━┓   ┏━━┓     
 ┃   ┃   ┃        2(1段目)
┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┓    
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃     1(0段目)
a b c d e f g  h 

       図1(配下のチーム数)

       ┃ 
       ┃
   ┏━━━┻━━━┓     3回戦
   ┃       ┃
 ┏━┻━┓   ┏━┻━┓   2回戦
 ┃   ┃   ┃    
┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┻┓  1回戦
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
a b c d e f g  h

     図2

 「不戦勝を最小」にすることは、「ゴーストとの対戦を最小にする」ことなので、出来る限り多くの「ゴースト」を1つの枝に配置する必要があります。
図2の様に1つの枝がいっぱいになってから隣の枝に配置していきます。
 このようにすると、真のチームと「ゴースト」が対戦するのは、どの回戦でも多くても1試合になります。
1試合以上の対戦が行われるとすれば、「ゴースト」が2チーム以上あるので「ゴースト」同士の試合が組めるので最適な配置になっていません。

 最適な配置ができたら、どの回戦でも「ゴースト」との対戦がある場合は、「ゴースト」はその枝配下の2の累乗チームの代表ですから、「ゴースト」のチーム数との関係が求まります。
 p回戦目に「ゴースト」との対戦があれば、「ゴースト」は2のp乗チームあるので、2進数のp桁目 と対応しますので、対戦があるところを「1」ないところを「0」で表した2進数が「ゴースト」のチー ム数です。

 図2の場合は「011」となり3チームです。
また、1のところは「ゴースト」との対戦ですので「不戦勝」を表し、この1の数が不戦勝の回数2となり、「ゴーストチーム数を2進数で表したときの1の数が不戦勝の試合数」に対応します。

 「ゴースト」チーム数は完全なトーナメントツリーから出場チーム数を減算したものですので

 K(2の累乗)ーn(出場チーム)=「ゴースト」チーム数

 「ゴーストチーム数を2進数で表したときの1の数が不戦勝の試合数」

となります。


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