『5組の夫婦』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【問題1】

答え 6回

 1つの手により 表1に示される数のグループに分類される。
これより、最善の場合は全部一致する1組を除いて残りが4等分される場合で、表2に示すように5回は試す必要がある。

 一方、最悪の場合の平均的確率から見積もると6回程度となる。表3参照。
実際にこの辺をPCで探索すると、5回では無理で表4の手順により6回は可能であることが判った。
なお、6回の手順は他にもある。
表4において各夫婦は 0〜4で表わされ、最初は 01234 で試行する。
その結果5組一致なら終了。
N組一致なら表を下方に辿って、数値Nのところの右側の組を試行し、以下同様に試行する。
なおNへはリンクJumpである。

表4をプログラム化(JavaScript)した.HTMLを添付する。 

表1 初手分類 表2 最善回数 表3 最悪平均確率
一致数 場合数 回数 120 回数 120
0 44 1 45 1 45
1 45 2 11 2 16.90
2 20 3 3 3 6.40
3 10 4 1 4 2.40
4 0 5 完成 5 0.90
5 1 6     6 完成
合計 120  
[ x-1
4
+1]
  
45x
120

表4
1 2 3 4 5 6
01234
0 12340
1へ 0 34120
2へ 1へ 0 42310
3へ 2へ 0 23401
3へ 1 20413
2 43012
1 23041
0 30412
1 43102
2 24013
3 43021
2 30421
0 24103
1 34012
2 40123
3 34102
2 34021
1 21340
0 13420
0 42013
3 42103
1 32401
2 14023
3 10423
2 13402
1 34120
0 40312
1 40321
2 30142
3 43120
2 32140
0 24301
1 23041
2 23410
2 20143
2 23140
0 32410
0 14302
1 42301
2 12403
1 32041
2 32410
2 24310
0 13042
1 13420
2 20341
3 32140
1 10342
2 14320
2 12043
1 42310
1 12340
0 21340
1へ 0 43201
2へ 0 30124
3へ 2 04123
1 40132
1 03412
2 40213
0 03421
3 34201
1 23140
0 41023
1 31402
1 20431
3 24031
2 23014
3 23104
2 21403
1 32140
0 04132
0 13024
1 20314
1 14203
1 41302
2 10432
0 04321
3 14032
2 04312
1 32410
0 21043
1 42031
2 43210
3 02413
2 32014
0 03142
1 24130
1 30241
1 31420
2 31042
1 34210
3 32104
2 23140
0 10324
1 10243
0 41320
2 02143
2 42130
3 21340
1 12304
2 12430
2 02341
1 13240
2 12340
0 31240
0 21430
0 03124
1 04132
2 20134
1 40231
0 01423
1 04213
2 41032
2 32410
0 41203
1 31024
2 30214
1 21340
0 13204
0 02431
1 03241
3 21304
2 21430
2 21340
0 12034
1 02314
0 14230
3 01342
2 31240
3 12340
0 21340
0 03214
2 04231
1 31204
1 01432
2 21034
1 21340
0 10234
2 02134
2 42310
0 01243
1 01324
2 41230


◆出題者の山梨県 Footmark さんからのコメント。

みごと正解です。
最悪の場合でも5回までで正解の並び方が判明して、6回目で5組一致します。
証明できませんが、これが最善のようです。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【追加問題1】

M(N,0) はN個の乱列の数に当たりますから、包除原理より次式が得られます。

 M(N,0)
=N!−N1(Nー1)!+N2(Nー2)!+…+(−1)NNN(N−N)!
=N!{1−
1!

2!

3!
+…+(−1)N
N!
}

M(N,1) は、1箇所一致はN箇所あり、
その各々の一致箇所に対して(Nー1)個の乱列の数になるので、

 M(N,1)
=N{M(N−1,0)}
=N!{1−
1!

2!

3!
+…+(−1)N-1
(N−1)!
}

∴ |M(N,0)−M(N,1)|=|(−1)N|=1

[補足]

数列 1,2,3,… の並び替えで、どの数も元の位置にない数列を乱列(derangement)と呼びます。

【追加問題2】

【追加問題1】より

 M(N,0)
=N!{1−
1!

2!

3!
+…+(−1)N
N!
}

ですから、

M(N,0)
N!
=1−
1!

2!

3!
+…+(−1)N
N!

∴ n→∞のとき

M(N,0)
N!
=e-1≒0.37

(ただし,eは自然対数の底)


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからのコメントと解答。

【追加問題1,2コメント】

正解です。
Nが大きいとき大体どうなるかを考えたときに出てきた関係です。
この結果 N組のとき、1+Ln(N!) 程度の回数が必要と予想されます。

【追加問題3解答】

 

一致組数の最大値で分類すると 最大5組 最大3組 最大2組 最大1組 の4種ある。
かならず合計5組だから 最大0組はありえない。

(あ)最大5組の場合
一致組数円順列は 0 0 5 0 0 しかなく、対称である。

(い)最大3組の場合
3組一致以外の2夫婦は互換になっており一致組数円順列は
1 0 3 0 1 か 0 1 3 1 0であり、対称である。

(う)最大2組の場合

個数5の円順列で考えるので、一致している最大2組が 夫並びの
<1>〜<5>のどれかにおいて (1)(2)か(1)(3)位置であると限定しても一般性を失わない。

一方、残り3組は一致していない条件より、2タイプに限られる
これら 2×2=4ケースを実際に調べると (下図参照)一致組数円順列は
 0 2 1 2 0 か 2 0 1 0 2
であり、対称である。
なお、下図においてはA−Eを再命名し、夫並びを2組一致した場合が先頭になるように回転して考えている。

(え)最大1組の場合
一致組数円順列は 1 1 1 1 1 しかなく、対称である。
以上より一致組数円順列は右左回り対称である。

【追加問題4解答】

答え n≦5

∵下図のようにn≧6では 「妻並び例外」に対して

夫並び<P>は[n−3]組一致し、2より大きいので単独最大値で対称中心である。

一方<P−1>と<P+1>の一致組数は0と2で等しくない。

よって、n≧6では例外が必ず存在し成立しない。

n=5は追加問題3で成立証明済み。

n=4は追加問題3の(あ)(い)(え)と同様の方法で成立が証明される。

n=3は追加問題3の(あ)(え)と同様の方法で成立が証明される。

n=2,1は明らかに成立する。


◆出題者の山梨県 Footmark さんからのコメント。

【追加問題3】,【追加問題4】とも、正解です。
5組までの時は対称になるのに、6組以上では対称になりません。
元の問題の解を得るのに、私はその対称性を利用しました。


 『5組の夫婦』

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