◆奈良県 DAI さんからの解答。
正しくない
【反例】
an=0(n=1,2,…,ab+1)
問題文を「相異なるab+1個の実数からなるどのような数列に対しても…」に変えた場合、命題は正しい
【証明】
相異なるab+1個の実数からなる数列を
x1,x2,…,xab+1とする。
各xiに対して、次のように(pi,qi)を対応させる。
(i=1,2,…,ab+1)
pi:xiで始まる最長の増加列の長さ
qi:xiで終わる最長の減少列の長さ
ここで、問題の結論を否定すると、
どのpi,qiに対しても、1≦pi≦a,1≦qi≦bより、
異なる(pi,qi)の組は高々ab個しかない。
よって、鳩の巣原理より、(pi,qi)=(pj,qj)となるi≠jが存在する。
しかし、任意のi,jに対してxi≠xjより、
xi<xjならば、pi<pj
xi>xjならば、qi<qj
いずれの場合も、(pi,qi)=(pj,qj)に矛盾する。
◆山梨県 Footmark さんからの解答。
【答え】
増加や減少を不変は含まないものと狭義に解釈すれば、命題は偽。
増加や減少を不変も含むものと広義に解釈すれば、命題は真。
【証明】
狭義に解釈したとき、命題が偽となるのは明らかゆえ証明は省略します。
以下、広義に解釈したとき、命題は真である証明です。
題意の数列 n1,n2,…,nab+1 において、
項nkから始まる最多の増加列の項数を xk 、
項nkから始まる最多の減少列の項数を yk 、
とし、
mk=(xk,yk) とします。
もし、(a+1)項による増加列も、(b+1)項による減少列も存在しないなら、
x1,x2,…,xab+1 の値は多くてもa種類で、
y1,y2,…,yab+1 の値は多くてもb種類です。
すると、m1,m2,…,mab+1 の値は多くてもab種類です。
ところが、任意の i<j において、
ni≦nj なら、xi>xj で、
ni≧nj なら、yi>yj です。
それ故、m1,m2,…,mab+1 の値はすべて異なるため、(ab+1)種類ある筈です。
ab≠ab+1 ゆえ、明らかに「(a+1)項による増加列も、(b+1)項による減少列も存在しない」とすると矛盾します。
よって、(ab+1)項の数列には、(a+1)項による増加列か、(b+1)項による減少列が、必ず存在します。
証明は終わりです。
【P・S】
解釈により結果に違いが生じないように、「ab+1個の異なる実数からなる…」とすれば紛らわしくなかったですね。
すると、増加や減少に決して不変は含まれませんから、命題は解釈に関係なく常に真です。
その証明は、上の証明の中の
ni≦nj と ni≧nj を、
ni<nj と ni>nj に変えるだけです。