『n次元余弦定理』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【問題1】

複素数でとけばよい。
問題3のn=1の場合である。

【問題2】

ベクトル空間でとけばよい。
問題3のn=2の場合である。

【問題3】

n+1次元の3角形である面Pmの法線ベクトル(テンソル)を
Smi i=1...n+1とする。

ここで Smi
 √(SmiSmi) = Pmの面積

Sml=εlij...k *(V2-V1)i*(V3-V1)j*.....(Vn+1-V1)k/n!

εlij...kはlij...k が 1...n+1の偶置換のとき1 奇置換のとき−1 その他のとき0であり、 全体として問題において行列式で与えられたPmの面積の定義と同じである。

このとき  m
Σ
p=1
Sp =0である。

なぜなら、n+1次元空間内の一様な流れを考えると
Pmから入ってくる流体の量と 
P1 ... Pm-1 から出てゆく流体の量は等しい。

即ち流速ベクトルをWとするとき,
Sm・W=- m-1
Σ
p=1
Sp・W。

Wは任意であるので
よって、 m
Σ
p=1
Sp =0である。

|Sk2
=| m
Σ
p=1,p≠k
Sp2

m
Σ
p=1,p≠k
Sp2 m
Σ
p=1,p≠k
m
Σ
q=1,q≠k,q≠p
(Sp・Sq)

ここで cosθの定義を代入すると、

m
Σ
i=1,i≠k
Si 2 -2 m
Σ
i=1,i≠k
m
Σ
j=1,j≠k,j>i
cos(θij)|Si||Sj

なお、cosθの正負は 面Pi,Pjの法線ベクトルがほぼ同じ方向の場合 θはπに近くて負になるべきであり、
一方 Pi・Pjは正だから、符号はマイナスである。

面がすべて超3角形の場合は以上で証明終了。

面が超3角形でない場合も、面は幾つかの超3角形に分割できる。

i=Si1 + Si2 + .....とする。

このとき Sip p=1.2, ... は同じ方向のベクトルである。
すなわち cos(θi1,i2)=-1 ....

まず、Si1 と  Si2 に着目し 関連項目を取り出すと

関連項目
=|Si1|2+|Si2|2+2|Si1||Si2|cos(θi1,i2) - m
Σ
j=1,j≠i
2|Sj |(|Si1 |+|Si2 |)cos(θj,i)
=|Si1+Si2|2 -2Σ|Sj||Si1+Si2 |cos(θj,i)

これを順次 Sip p=2,3... に対して繰り返すことにより
Qiの関連項目は

 Qi 関連項目
= |Qi |2-2Σ|Sj ||Qi |cos(θj,i)

にまとめられ、同形式の関係式が得られる。

従って,他の面に対しても同じ操作でまとめることが可能であり、任意のm多面体に適用可能である。


 『n次元余弦定理』へ

 数学の部屋へもどる