『今週の問題』第91回 解答


◆東京都 DoubleClick さんからの解答

【問題1】

上からm番目,左からn番目の数を a(m,n) とします。

また、A,B,C,D の領域の数を加算する操作をそれぞれ A,B,C,D と表し
それらの回数をそれぞれ
n(A),n(B),n(C),n(D) と表します。

a(2,2)は A,B,C,D のどの操作を行ったときにも 加算されるので

a(2,2) = n(A) + n(B) + n(C) + n(D) です。
また、
a(1,1)はA, a(1,3)はB,
a(3,1)はC, a(3,3)はD を行ったときだけ数字が加算されるので

a(1,1)=n(A), a(1,3)=n(B),
n(3,1)=n(C), n(3,3)=n(D) です。

a(2,2) = n(A) + n(B) + n(C) + n(D) より
a(2,2) = a(1,1) + a(1,3) + a(3,1) + a(3,3)

すなわち、左上・右上・左下・右下の数の和が中央の数となります。

問題1では 3+2+2+1 = 8 だからこの表を作ることは可能です。

そして、それぞれの操作の回数は
A: 3回 B: 2回 C: 2回 D: 1回 です。

当然、その順序は問いません。

【問題2】

18≠4+5+6+7 ですので 問題1より導いた事項よりこのような表にすることは不可能です。

【おまけ】

たとえば、積が1000となる場合 :

20150
25104
21005

ちなみに それぞれの数字は 100の約数です。

作った手順です。

  1. 約数を 9以上の奇数個 持つ数(nとする)を探します。
    # 約数を奇数個持つ数字は平方数ですね。
    (約数の中央の数字がn0.5となるため)

  2. 約数の中で積がnになるもの同士で4つのペアを作ります。
    # n=100 のとき
    (1,100),(2,50),(4,25),(5,20)でペアをつくる。

  3. 4つのペアのそれぞれの数と n0.5 の9つの数を考えます。
    これら9個の数の積は
    n4 * n0.5 = n4.5
    ですので、これらの数を使い
    縦,横,対角線の積が
    (n4.5)^(1/3) = n1.5
    となる魔法陣を作ります。

    n0.5 を中央におき、ペアの数が中央をはさんで向かい合うようにします。


◆鹿児島県 ともひろ さんからの解答

【問題1】

【解】

実験図において、Aを3回・Bを2回・Cを2回・Dを1回のボタンを押す。
(順不同)

解答例1
A−A−A−B−B−C−C−D

解答例2
D−C−A−B−A−B−A−C

【説明】

マス目において、i行目・j列目の数字を P(i,j)と表現する。

P(1,1)P(1,2)P(1,3)
P(2,1)P(2,2)P(2,3)
P(3,1)P(3,2)P(3,3)

A,B,C,Dボタンを押したときに+1加算されるマス目のみを表すと、

P(1,1)P(1,2) P(2,1)P(2,2)    
   P(2,1)P(2,2) P(3,1)P(3,2) 
 P(1,2)P(1,3) P(2,2)P(2,3)   
    P(2,2)P(2,3) P(3,2)P(3,3)

P(2,2)は常に1加算されていく。
「Aのボタンのとき、P(1,1)」、
「Bのボタンのとき、P(1,3)」、
「Cのボタンのとき、P(3,1)」、
「Dのボタンのとき、P(3,3)」は他のボタンの影響を受けない。

よって、どのボタンを何回押したかはこの数字をみればよい。

P(1,2) = P(1,1) + P(1,3)
P(3,2) = P(3,1) + P(3,3)
P(2,1) = P(1,1) + P(3,1)
P(2,3) = P(1,3) + P(3,3)
P(2,2) = P(1,1) + P(1,3) + P(3,1) + P(3,3)
で表すことができる。

【問題2】

【解】

できない。

【証明】

上記図より、P(2,2)=18であるが、
P(1,1)=2 , P(1,3)=6 ,
P(3,1)=4 , P(3,3)=8

よって、
P(1,1) + P(1,3) + P(3,1) + P(3,3)
= 2 + 6 + 4 + 8
= 20

P(2,2) ≠ P(1,1) + P(1,3) + P(3,1) + P(3,3)

なので、図のような表にすることはできない。
(証明終わり)

【おまけ】

【解】

26432
256161
84128

この図では、縦・横・対角線の数字をかけた、各値は
「16384 (= 214)」となる。
ただし、マス目の各数字は、n(n≧2)の指数で表すことができて、解は無限に存在する。

【説明】

P(1,1)P(1,2)P(1,3)
P(2,1)P(2,2)P(2,3)
P(3,1)P(3,2)P(3,3)

題意は、縦・横・対角線の各積が等しい魔法陣であるから、

P(1,1) * P(1,2) * P(1,3)
= P(2,1) * P(2,2) * P(2,3)
= P(3,1) * P(3,2) * P(3,3)

P(1,1) * P(2,1) * P(3,1)
= P(1,2) * P(2,2) * P(3,2)
= P(1,3) * P(2,3) * P(3,3)

P(1,1) * P(2,2) * P(3,3)
= P(1,3) * P(2,2) * P(3,1)

ここで、縦・横・対角線の各和が等しい魔法陣、

より、
2+7+6=9+5+1=4+3+8=15

2+9+4=7+5+3=6+1+8=15

2+5+8=4+5+6=15

よって、nを整数とすると、

2+7+6=n9+5+1=n4+3+ 8

n2*n7*n6=n9*n5*n1=n4*n3*n8

とおける。

2+9+4=n7+5+3=n6+1+8

2+5+8=n4+5+6 も同様。

ところで、n0 = 1であり、これは題意を満たす。

そこで、各和が等しい魔法陣のマス目の各数字より1を引いた魔法陣を考える。

縦・横・対角線の各和は14である。

題意を満たす縦・横・対角線の各積が等しい魔法陣は、
各積の値が「n14」の数を考えればよい。

題意を満たす解は、

P(1,1) = n1, P(1,2)=n6,P(1,3)=n5
P(2,1) = n8, P(2,2)=n4,P(2,3)=n0= 1
P(2,1) = n3, P(2,2)=n2,P(2,3)=n7

ただし、n=1のときはマス目の各数字は「1」となり、異なる数字ではなくなる。
よってn≧2となる。


◆東京都 じっさん さんからの解答

【おまけの問題】

べき乗にすれば掛け算は指数の足し算なので。。。

276
951
438

積は2の15乗で32768。

全ての要素を2で割って、

165
84
327

(積は4096)もOKですね。

でも、これだけではつまらないので、一般解を調べてみました。

とおき、積をTとおく。

まず、
 aei×beh×ceg=T×T×T

左辺を並べ替えると、
 abc×ghi×eee=T×T×T

abc=ghi=Tなので、
 T=eの3乗となる。

これをもとに、a〜iをa,e,fの3つで表すと、以下のようになる。

eef/aaae/f
ee/f
ef/aaa/fee/a

どの要素も整数になる。
簡単のためにf=1とする。
また、e=ajとおく。
以下のようになる。

jjaaj
aajjaj
aaajj

この9つの要素が全て異なればよい。
また、全てをf倍したものも解となる。

積が一番小さい解は、
多分a=2,j=3とした以下の解でしょう。

12
36
18

積は216です。


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