『今週の問題』第90回 解答


◆千葉県の中学校1年生 鹿野 幸平 さんからの解答

【問題1】

選びだしたコインをのぞいた100個を50個ずつにわけてはかりにのせます。
つりあえばどちらも重いもの軽いものが同じ個数ずつはいっているので本物です。
差が奇数の場合は、つりあい分をひくと必ず奇数個残るので偽者が選び出したコインになります。
差が偶数の場合は、つりあい分をひくと必ず偶数個残るので選び出したコインは本物です。

【問題2】

奇数が7個、偶数が6個あります。
13と1はつながってますから、
(12,1)(13,2)のペアにおくのが1番最適になります。
だから、9、10、11、12、13、1、2、3、4、5、6、7、8で偶数は8個になります。


◆広島県 清川 育男 さんからの解答

【問題1】

ある1個を選んで、残り100個を半分50個ずつ載せる。

1) 釣り合った場合、選んだ1個が本物

2) 釣り合わなかった場合、選んだ1個が偽物

【問題2】

9,10,11,12,13,1,2,3,4,5,6,7,8
8個が偶数。

【問題3】

1
――
a
1
――
b
1
――
c
1
――
d
1
――
e
1
――
f
=1....(1)

両辺に(a*b*c*d*e*f)をかける。

b*c*d*e*f+c*d*e*f*a+d*e*f*a*b+e*f*a*b*c+f*a*b*c*d+a*b*c*d*e
=a*b*c*d*e*f
a,b,c,d,e,fは奇数であるから、
左辺=偶数、右辺=奇数

したがって、(1)式を満たすa,b,c,d,e,fは存在しない。


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答

【問題1】

残された100個を50個ずつ秤にのせ、差を計測する。
計測値が 奇数gなら 偽物、偶数gなら 本物

解法

50個ずつのせれば、本物の重量分は相殺されるので、
本物0g、偽物+1または−1gとしてもおなじ。

特定の偽物1個につき考えると、計測値への効果は、
皿のどちらに載せるかも含めて±1gである。

したがって、計測値が奇数gなら偽物は奇数個、偶数gなら偶数個 皿の上にある。
偽物は全部で50個(偶数個)あるので、残されたものの真贋がわかる。

【問題2】

解法

数値を2で割ったあまりに置き換えれば、一目瞭然。

最初の2行の和は
0000110000000  −−(1)

もう一行は下記を回転移動

1010110101010  −−(2)

なのだけど、(1)の方を動かした方が分かりやすく、(2)において1が連続している1箇所以外では、10が隣あっているので、偶数の数は6で変わらない。

重なったときだけ8個。

【問題3】

奇数の自然数の解はない。

解法

この問題の本質は分母が奇数であることと、左辺項数が偶数個であることである。

従って,
1
――
A
1
――
B
=1

で説明する。

分母を通分して、両辺に分母をかけると

1*B + 1*A=1*AB (*CDEF) であり、
右辺は奇数の積であるので奇数である。

一方 左辺の各項は、やはり奇数(の積)であるので、奇数である。

左辺はこれら奇数の(偶数個の)和であるので、偶数である。

よって、このようなA,B(C、D、E、F)は存在しない。

考察

左辺1項だと 1 だけ。
左辺3項だと 3,3,3 だけ。
左辺5項だと自明な解 5,5,5,5,5 以外に 3,3,9,9,9 がある。        


◆千葉県 緑川 正雄 さんからの解答

【問題1】

右と左の重さの差が偶数の場合は、選びだした1個が本物
右と左の重さの差が奇数の場合は、選びだした1個が偽物

【問題1の証明】

コインを1個を選びだし、残り100個を50個ずつに分けて秤にかける。

(左の天秤の本物の数)=h(h)
(左の天秤の偽物の数)=h(n)
(右の天秤の本物の数)=m(h)
(右の天秤の偽物の数)=m(n)
(本物のコインの重さ)=W(h)
(偽物のコインの重さ)=W(n)とおくと

h(h)+h(n)=50、m(h)+m(n)=50…(1) よって、

m(h)-h(h)=h(n)-m(n) …(2)

即ち

 (右のコインの重さ)-(左のコインの重さ)
=m(h)×W(h)+m(n)×W(n)-h(h)×W(h)-h(n)×W(n)
={m(h)-h(h)}×W(h)+{m(n)-h(n)}×W(n)
={m(h)-h(h)}×{W(h)-W(n)}  [(2)より] …(3)

(Case1)

選びだした1個が本物である場合
秤にあるコインは本物と偽物が50個ずつである。

よって、
h(h)+m(h)=50、h(n)+m(n)=50…(4)

よって、
m(h)-h(h)={m(h)+h(h)}-2×h(h)=50-2×h(h)は偶数である。

W(h)-W(n)は1若しくは-1であるから(3)より
(右のコインの重さ)-(左のコインの重さ)は偶数である。

《逆に》右と左の重さの差が偶数の場合

W(h)-W(n)は1若しくは-1であるから(3)及び(2)の式より、
m(h)-h(h)=h(n)-m(n)は偶数である。

よって、
h(n)+m(n)={h(n)-m(n)}+2×m(n)…(5)
h(h)+m(h)={m(h)-h(h)}+2×h(h)…(6)
は偶数である。

ところで、天秤のコインの本物は50又は51であり、偽物は49又は50

即ち、h(n)+m(n)は49又は50であるが、(5)より偶数なので
h(n)+m(n)=50

h(h)+m(h)は50又は51であるが、(6)より偶数なので
h(h)+m(h)=50

よって、秤には本物と偽物が同数あり、選び出したコインは本物である。

(Case2)

選びだした1個が偽物である場合
秤にあるコインは本物は51個、偽物は49個である。

よって、
h(h)+m(h)=51、h(n)+m(n)=49…(5)

よって、
m(h)-h(h)={m(h)+h(h)}-2×h(h)=51-2×h(h)は奇数である。

W(h)-W(n)は1若しくは-1であるから(5)より
(右のコインの重さ)-(左のコインの重さ)は奇数である。

《逆に》右と左の重さの差が奇数の場合

W(h)-W(n)は1若しくは-1であるから
(3)の式より、m(h)-h(h)は奇数である。

よって、
h(n)+m(n)={h(n)-m(n)}+2×m(n)…(7)
h(h)+m(h)={m(h)-h(h)}+2×h(h)…(8)
は奇数である。

ところで、、天秤のコインの本物は50又は51であり、偽物は49又は50

即ち、h(n)+m(n)は49又は50であるが、(7)より奇数なので
h(n)+m(n)=49

h(h)+m(h)は50又は51であるが、(8)より奇数なので
h(h)+m(h)=51

よって、秤には本物が51個、偽物が49個あり、選び出したコインは偽物である。

【問題2】

9 10 11 12 13 1 2 3 4 5 6 7 8

【問題2の証明】

8 9 10 11 12 13 1 2 3 4 5 6 7 
10 11 12 13 1 2 3 4 5 6 7 8 9
の和は 偶 偶 偶 偶 奇 奇 偶 偶 偶 偶 偶 偶 偶である。

よって、上の和が奇数となる2つの並びの列(左から5,6番目)が偶数となるように、
即ち13と1が並ぶ数字の配列
9 10 11 12 13 1 2 3 4 5 6 7 8
が、最も偶数が多く、
奇 偶 奇 偶 偶 偶 奇 偶 奇 偶 奇 偶 奇
となり偶数が8個になる。

【問題3】

方程式

1
――
a
1
――
b
1
――
c
1
――
d
1
――
e
1
――
f
=1

を満足する異なる奇数の自然数a,b,c,d,e,fは存在しない。

【問題3の証明】

a>b>c>d>e>fと仮定しても一意性は失われない。

6/f>1/a+1/b+1/c+1/d+1/e+1/f=1より
f<6

よってf=3又は5

(Case1)

f=3の時
5/e>1/a+1/b+1/c+1/d+1/e=1-1/f=2/3より
e<7.5
よってe=5又は7

(Case1-1)

e=5の時
4/d>1/a+1/b+1/c+1/d=1-1/3-1/5=7/15より
d<60/7
よってd=7

3/c>1/a+1/b+1/c=1-1/3-1/5-1/7=34/105より
c<315/34
よってc=9

2/b>1/a+1/b=1-1/3-1/5-1/7-1/9=67/315より
b<630/67

9=c<bなる奇数bは存在せず不適

(Case1-2)

e=7の時
4/d>1/a+1/b+1/c+1/d=1-1/3-1/7=11/21より
d<84/11

7=e<dなる奇数dは存在せず不適

(Case2)

f=5の時
5/e>1/a+1/b+1/c+1/d+1/e=1-1/f=4/5より
e<25/4

5=f<eなる奇数eは存在せず不適


◆鹿児島県 ともひろ さんからの解答

【問題1】

この秤は「差をはかることができる」ので、「差を数値で表すことができる」ものとする。
101枚のコインから1枚を選び出して、このコインの本物・偽物を判別するものとする。

残りの100枚のコインを50枚ずつにわけて、これを秤(左皿・右皿にそれぞれ50枚ずつ)にのせる。

差が(偶数)gであった場合、「このコインは本物」
差が(奇数)gであった場合、「このコインは偽物」

【説明】

題意より、「偽物は50枚」である。
秤の皿を「左皿」「右皿」と表現する。

左皿‥‥偽物重(Lb)枚・偽物軽(Lc)枚

ここで、本物を基準に考えると、

( (+1) x Lb ) + ( (-1) x Lc ) = Lb - Lc

左皿がすべてのコインが本物のときより、
(Lb - Lc)g の差が生じる。

右皿‥‥偽物重(Rb)枚・偽物軽(Rc)枚

ここで、本物を基準に考えると、

( (+1) x Rb ) + ( (-1) x Rc ) = Rb - Rc

右皿がすべてのコインが本物のときより、
(Rb - Rc)gの差が生じる。

以下のように分類する。

1.本物のコインを選び出した場合。

秤にのせるコインは「偽物50枚」として、
差は|(Lb - Lc) - (Rb - Rc)|の絶対値の表現で表すことが出きる。

ここで、Rc = 50 - (Lb + Lc + Rb)とすると

 |(Lb - Lc) - (Rb - (50 - (Lb + Lc + Rb)))|

=|Lb - Lc - Rb - 50 - (Lb + Lc + Rb)|

=|Lb - Lc - Rb - 50 - Lb - Lc - Rb|

=|50 - 2Lc - 2Rb|

Lc ≧ 0,Rb ≧ 0 より

=50 - 2Lc - 2Rb
=50 - 2(Lc + Rb)

これは偶数より、偶数( 2(Lc + Rb) )を引いているので、偶数。

2.偽物のコインを選び出した場合。

秤にのせるコインは「偽物49枚」として
差は|(Lb - Lc) - (Rb - Rc)|の絶対値の表現で表すことが出きる。

ここで、Rc = 49 - (Lb + Lc + Rb)とすると

 |(Lb - Lc) - (Rb - (49 - (Lb + Lc + Rb)))|

=|Lb - Lc - Rb - 49 - (Lb + Lc + Rb)|

=|Lb - Lc - Rb - 49 - Lb - Lc - Rb|

=|49 - 2Lc - 2Rb|

Lc ≧ 0,Rb ≧ 0 より

=49 - 2Lc - 2Rb
=49 - 2(Lc + Rb)

これは奇数より、偶数( 2(Lc + Rb) )を引いているので、奇数。

「左皿」「右皿」の差の数値が
「偶数」の場合、選び出したコインは「本物」であり、
「奇数」の場合、選び出したコインは「偽物」でである。

【問題2】

「9,10,11,12,13,1,2,3,4,5,6,7,8」

【説明】

1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13の並びは
「奇偶奇偶奇偶奇偶奇偶奇偶奇」として、

8,9,10,11,12,13,1,2,3,4,5,6,7の並びは
「偶奇偶奇偶奇奇偶奇偶奇偶奇」

10,11,12,13,1,2,3,4,5,6,7,8,9の並びは
「偶奇偶奇奇偶奇偶奇偶奇偶奇」

題意より、
18,20,22,24,13,15,4,6,8,10,12,14,16の並びで
「偶偶偶偶奇奇偶偶偶偶偶偶」となる。

偶数と偶数の和は「偶数」、偶数と奇数の和は「奇数」、奇数と奇数の和は「偶数」となるので、偶数の部分は、加算する数(偶数・奇数)によって変わる。

ここで、偶数が増えるためには「奇奇」の部分に「奇奇」を足せばよい。
つまり「13,1」の部分。

よって「9,10,11,12,13,1,2,3,4,5,6,7,8」が、偶数8個となり、もっとも多くなる。

【問題3】

(a,b,c,d,e,f) = (3,4,6,8,12,24) の場合、3
  ‥‥これは「24の約数(一部分)」

(a,b,c,d,e,f) = (3,4,6,9,12,18) の場合、3,9
  ‥‥これは「36の約数(一部分)」

(a,b,c,d,e,f) = (2,5,8,10,20,40) の場合、5
  ‥‥これは「40の約数(一部分)」

(a,b,c,d,e,f) = (2,3,15,20,30,60) の場合、3,15
  ‥‥これは「60の約数(一部分)」

【説明】

1
――
a
1
――
b
1
――
c
1
――
d
1
――
e
1
――
f
=1

a,b,c,d,e,fは自然数より、

(例:a>0),
――
>0

よって、左辺を満たすためにはa,b,c,d,e,fのいずれの数も2以上の数である。

ここで、ある自然数 K があり、
約数をP1〜Pm〜Pn
(P1 = 1 , Pn = K)とすると、

pn
―――

―――
pm

と表すことができる。

これらの約数から任意の数を数個
(この問題の場合は6個として、
 p1,p2,p3,p4,p5,p6とする)
を選び出し、合計がKとなる組み合わせを求めると、

p1 + p2 + p3 + p4 + p5 + p6
――――――――――――――――
=1

p1
――
p2
――
p3
――
p4
――
p5
――
p6
――
=1

1
――
a
1
――
b
1
――
c
1
――
d
1
――
e
1
――
f
=1

となる。

【別解】

すべてが奇数の自然数の解はない。

【証明】

1
――
a
1
――
b
1
――
c
1
――
d
1
――
e
1
――
f
=1

題意より、a,b,c,d,e,fのすべてを奇数とする。

ここで、左辺を計算すると

bcdef + acdef + abdef + abcef + abcdf + abcde
――――――――――――――――――――――――――
abcdef

となる。

分子について、奇数同士をかけた数(奇数)を、偶数個足しているので、分子は「偶数」となる。
分母について、奇数同士をかけているので、分母は「奇数」となる。

問題の式では「(分子)=(分母)」であるが、
「(分子)偶数」≠「(分母)奇数」になることから、すべてが奇数とする自然数の解は存在しない。
(証明終わり)

●感想

問題3‥‥最初「すべての解が奇数」の意味にとったのですがこれでは解がありません。
そこで「a,b,c,d,e,f」を満たす数の中から「奇数である数」の解も考えました。


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