【コメント】
問題2は面倒な問題でしたが、多くの方が挑戦してくださいました。
なかには怪しい回答もあるのですが、不完全なものがあれば、完全なものに直してください。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答
【問題1−1】
答え 9の倍数。
【問題1−2】
1000−1=999=9×111
1000−10=990=9×110
1000−100=900=9×100
100−1=99=9×11
100−10=90=9×10
10−1=9
上記のいずれもが9の倍数であるから元の数と各位の数を並び替えた数との差は、9の倍数になる。
【問題1−3】
教えられた数が9の倍数のときは、0である。
9の倍数でないときはその数より大きい最小の9の倍数の数から教えられた数を引いた数である。
例えば、教えられた数が25のとき、
27−25=2
(27>25 27÷9=3)
【問題2】
思い浮かべた数をXとする。
題意により
10X+A=3P+B.........................a)
10P+C=(100E+Y)*3+D.................b)
0≦Y≦99
0≦A≦9,0≦C≦9,0≦B≦2,0≦D≦2
a),b)からPを消去してXについて解く。
X=9E+(9Y+3D-3C+10B-10A)/100
(9Y+3D-3C+10B-10A)/100=K
Kは負でない整数(*) とおく。
100K=9Y+3D-3C+10B-10A
99K+K=9(Y+B-A)+B-A+3D-3C
9の剰余で考える。
K≡B-A+3(D-C) (MOD 9)
R=(B-A)+3(D-C)とおく。
1)R≧0
Rを9で割り余りをR1とする。
X=9E+R1
2)R<0
R1=R+9N
1≦N,0<R1<9 となるように9を加えていく。
X=9E+R1
●補足
Z=(9Y+3D-3C+10B-10A)/100 が負でない整数であることの証明。
(0≦Z≦8)
0≦Y≦99,0≦A≦9,
0≦C≦9,0≦B≦2,0≦D≦2
-1.17≦Z≦9.17
-1≦Z≦9
1) Z≠-1 であることの証明
Z=-1 とする。
9Y+3D-3C+10B-10A=-100
9Y+3D+10B+100=10A+3C
解が存在するためには、
B+1≡A (MOD 3)
●B=0, A=1,4,7
9Y+3D+100=10A+3C
A≠1,A≠4,A=7
10A+3C≦97<100
存在しない。
●B=1 A=2,5,8
9Y+3D+110=10A+3C
A≠2,A≠5,A=8
10A+3C≦107<110
存在しない。
●B=2 A=3,6,9
9Y+3D+120=10A+3C
A≠3,A≠6,A=9
10A+3C≦117<120
存在しない。
証明終わり。
2) Z≠9 であることの証明
Z=9 とする。
9Y+3D-3C+10B-10A=900
9Y+3D+10B=900+3C+10A
解が存在するためには、
B≡A (MOD 3)
●B=0, A=0,3,6,9
A≠3,A≠6,A≠9
9Y+3D=900+3C
9Y+3D≦897<900
存在しない。
●B=1, A=1,4,7
A≠4,A≠7
9Y+3D=900+3C
9Y+3D≦897<900
存在しない。
●B=2, A=2,5,8
A≠5,A≠8
9Y+3D=900+3C
9Y+3D<897<900
存在しない。
証明終わり。
1),2)から0≦Z≦8
以上です。
X=9E+Z
0≦E≦9、0≦X≦89
題意を満たします。
◆千葉県 緑川 正雄 さんからの解答
【問題1−1の回答】
9の倍数
【問題1−2の回答】
4桁の元の数Aが
A=a(1)×1000+a(2)×100+a(3)×10+a(4)
で与えられ、各桁の数を適当に並び替えた数Bを
B=a(i1)×1000+a(i2)×100+a(i3)×10+a(i4)
とする。
(CASE1)
A≧Bのとき
9999-B
= (9-a(i1))×1000+(9-a(i2))×100+(9-a(i3))×10+(9-a(i4))
であるから、
A-B = (A+9999-B)-9999 = (a(1)+9-a(i1))×1000+(a(2)+9-a(i2))×100+(a(3)+9-a(i3))×10+(a(4)+9-a(i4))-9999 =(a(1)+9-a(i1))×999+(a(2)+9-a(i2))×99+(a(3)+9-a(i3))×9+(a(4)+9-a(i4))-9999+(a(1)+9-a(i1))+(a(2)+9-a(i2))+(a(3)+9-a(i3))+(a(4)+9-a(i4))であり、
(a(1)+9-a(i1))×999+(a(2)+9-a(i2))×99+(a(3)+9-a(i3))×9+(a(4)+9-a(i4))-9999は9で割り切れる。
一方、
(a(1)+9-a(i1))+(a(2)+9-a(i2))+(a(3)+9-a(i3))+(a(4)+9-a(i4)) =36+(a(1)-a(i1)+a(2)-a(i2)+a(3)-a(i3)+(a(4)-a(i4)) =36も9で割り切れる。
よってA-Bも9で割り切れる。
(CASE2)
A<Bのとき
(CASE1)に同じ
【問題1−3の回答】
合計の数が、9で割って余りが1,2...,8ならば、消した数は各々8,7,6,...,1であるが、合計の数が9の倍数の時、消した数が特定出来ない。
0と9の区別がつかない
【問題2】
【各記号の意味】
(1)‘0以上90未満の好きな整数’をxとする。
[Xは0〜89の間の整数]
(2)その数の10倍に好きな一桁の数Aを加えてください。
10×x+A
[Aは0〜9の間の整数]
(3)その答えを3で割って、その商をP、余りをBとしてください。
10×x+A=3×P+B
[Pは0〜299の間の整数、Bは0〜2の間の整数]
(4)またPの10倍に好きな一桁の数Cを加えてください。
10×P+C(=yとする)
[10×P+Cは0〜2999の間の整数、Cは0〜9の間の整数]
(5)その答え(y=10×P+C)を3で割ってください。
その商の百の位をE、余りをDとします。
10×P+C=3×(100×E+10×F+G)+D
[E,F,Gは0〜9の間の整数、Dは0〜2の間の整数]
【問題2の回答】
(a)(4)で定まる数y=10×P+Cは、
Z={0,1,2,3.......,2997,2998,2999}のいずれかの値になる。
(b)(5)の数Eが1つ定まるとy=10×P+Cの候補として
Z⊃Z(E)={E×300,E×300+1,.......,E×300+299}の300個の数があげられる。
(c)更にDが指定されるとZ(E)の中で3で割ってD余る数(yの候補)100個があげられる。
100個あげられたyの候補の下2桁は,00〜ら99の100通りある。
(d)更にCが指定されると、Z(E)の中で10で割ってC余る数が、(c)の100個のyの候補の中で10個があげられる。
10個あげられたyの候補の下2桁は(c)であげられた100個の数の中で
y-Cが10で割りきれる10個の数であり、(c)により、
その下1桁は0〜9の10通りとなる。
(e)更にA,Bが指定されると、
(3)により3×P+B-Aは10で割りきれる数である。
即ち(d)の10個のyの候補の最後の1桁は、0〜9の値を持つ数が1つずつなので
(y-C)×3÷10+B-A
が整数となる数は只1つある。
Z(E)の中で定まったyに対して、
(5)よりy-Dは3で割りきれるので
y-300×E-Dは0〜299の間の数であって3で割りきれる。
(y-300×E-D)÷3は0〜99までの間の整数となる。
10の位の数をF、1の位の数をGとすると
(y-300×E-D)÷3=10×F+Gより
y=3×(100×E+10×F+G)+Dを得る。
以上により求めたyを元に、
(ア)y-Cは10で割りきれるので
P=(y-C)÷10とする。
(イ)3×P+B-Cは10で割りきれ、
x=(3×P+B-C)÷10とする。
(ウ)xが求める答えである。
◆神奈川県 山宮 貴志 さんからの解答
【問題1】
4桁の数をA、Aの各位の数を適当に並べ替えた数をBとする。
AとBの各桁の数字の和は等しいから、A、Bを9で割った余りも等しい。
よってその余りをrとすると
A=9p+r
B=9q+r
∴ |A−B|=9|p−q|
よって9の倍数である。
【問題2】
数字を簡単に求めるために、次のような表を作ってみました。
まずA−Bの値に対応するFの値を下の表から求め、
C+Fを3で割った余りrを計算します。そして
r≦Dの時はD−r、r>Dの時は3+D−rを計算しその値をGとします。
あとは下の式にA、B、E、F、Gを代入して計算すれば最初の数がわかります。
A−B F 9 ⇒ 3 8 ⇒ 6 7 ⇒ 9 6 ⇒ 2 5 ⇒ 5 4 ⇒ 8 3 ⇒ 1 2 ⇒ 4 1 ⇒ 7 0 ⇒ 0 −1 ⇒ 3 −2 ⇒ 6χ=(90E+30G+3F+B−A)/10
例えば、
A=4、B=2、C=7、D=1、E=3の時は
A−B=2なのでF=4、
C+F=11なのでr=2、
r>DなのでG=2、
そしてχ=34となります。
◆京都府 AAAI さんからの解答
【問題1−1、2】
9の倍数になっています。
何故なら、10進法の整数AにおいてAを9で割った余りはAの各位の数字の合計を9で割った余りに等しく、そのためAの各位を並べ替えて作った 新しい整数Bを9で割った余りも、Aを9で割った余りに等しいからです
(証明は省略)。
A=9a+x, B=9b+y
(0≦x<9, 0≦y<9),
A-B=9(a-b)+(x-y)
先程の説明より、x=yが証明されていますので、
x-y=0となりA-Bは9の倍数です。
【問題1−3】
A-Bが9の倍数なので、その各位の数字の和は9の倍数になっています。
そのため、残った数字の合計を9で割った余りを9から引いた数字が答となります
(ただし、余りが0の場合、答は0または9の2通りあります)。
【問題2】
以下、演算子%,/を次の通り定義します
(優先順位は乗除算と同じです)。
x=yn+m (x,y,n,mは整数、0≦m<y) において
x%yはmを示し、x/yはnを示す
答は 9E+3((D-C)-(A+B)/3)%3)+(B-A)%3 です。
ある整数Xを10倍した場合、それを3で割った余りは変わりません。
そのため、Xを10倍してAを足し、3で割った余りBから、元のXを3で割った余りが求まります
(B-A)%3。
次に先程の商Pも同様にCとDから3で割った余りが求まります
(D-C)%3。
ここで、Pから「10XにAを足した事による商の増加」
(A+B)/3を差し引けば、「Pを3で割った余り」は
「Xを3で割った商をさらに3で割った余り」を示すことになります
(D-C-(A+B)/3)%3。
以上よりXを9で割った余りが求まります
3((D-C)-(A+B)/3)%3)+(B-A)%3。
最後に、Eの値より、
10P+Cを3で割った商Qが
100E≦Q<100E+99 である事がわかります。
300E≦10P+C<300E+99*3+2
30E≦P<30E+29
(なぜならば、E,P,Cはいずれも整数)
P=(10X+A)/3 より、次の式が成り立ちます。
90E≦10X+A<90E+29*3+2
9E≦X<9E+8
(なぜならば、E,X,Aはいずれも整数)
よってEは、Xを9で割った商である事がわかります。
Xの商と余りがわかったので、Xを冒頭の式から求めることができます。
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