『今週の問題』第24回 解答


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

【問題1】

答え
1個,2個,4個,6個,9個,12個,16個,20個。

【問題2】

答え
 15個のとき 16m
 16個のとき 16m
 17個のとき 18m
 18個のとき 18m。

【問題3】

40個のとき、周の長さは26m。

答え 37個,38個,39個,41個,42個。

【おまけの問題】

プログラムを組んでシミュレーションしました。
元の位置をXーY座標の(0,0)とする。30万歩まで。


 1回目    482歩。
 2回目    488歩。
 3回目   4670歩。
 4回目 260506歩。
 5回目 261842歩。
 6回目 261844歩。
 7回目 261890歩。
 8回目 261892歩。
 9回目 261902歩。
10回目 262144歩。
11回目 262626歩。
12回目 262632歩。
13回目 266814歩。  
30万歩 (130,−216)
無限のレベルで考えるとすると何度でも元の位置に帰れるとした方がいいと思われます。
一定のエリアをフラフラ歩くようです。電子雲のように。


◆石川県 平田 和弘 さんからの解答。

【問題1】の解答

図形が長方形(正方形)になるには、スタートしてからまず左に進むので必ず
縦の長さ≦横の長さ  ・・・(1)という関係が成り立ち、

しかも縦の長さと横の長さの関係は

縦の長さ=横の長さ   ・・・(2)
  (この場合は正方形) 

または

縦の長さ=横の長さ−1 ・・・(3)
  (この場合は長方形)

のどちらかが成り立つ場合だけです。

従って考えられる組み合わせは

塗った個数
12
16
20

の8通りです。

答えは 
1,2,4,6,9,12,16,20 です。

【問題2】の解答

図形の周の長さは例えば塗った個数が15のときでも16でも変わらない。
(要するに角がへこんでいてもいなくても変わらない。)
また4×4(=16個)の正方形より一つでも塗った個数が多くなると次の長方形(この場合4×5=20個)まで周が同じことに目をつけて、周の長さを以下のように分類できます。

塗った個数基本となるもの
(これと同じという意味)
  縦×横周の長さ
1×1
1×2
3〜42×2
5〜62×310
7〜93×312
10〜12123×414
13〜16164×416
17〜20204×518
・・・・・・・・・ 

となるので求める答えは

15個のとき 16m
16個のとき 16m
17個のとき 18m
18個のとき 18mです。

【問題3】の解答

問題2と同様に考えて

塗った個数基本となるもの
(これと同じという意味)
  縦×横周の長さ
・・・・・・・・・ 
21〜25255×520
26〜30305×622
31〜36366×624
37〜42426×726
・・・・・・・・・ 

となるので40個塗った図形は上記37〜42のグループになるので求める答えは
37,38,39,41,42です。

(感想)

この問題は最初とりかかりが難しかったが素直に考えてあること(周の長さの規則性や図形の分類方法)等に気がつけばわりと簡単です。
問題1は比較的わかると思うのですが、問題2の本質がわからないと問題3は難しいと思います。
しかし、問題1から3まで順を追って導けるようになっているのでなかなか良問だと思います。
(社会に出てから数学とはあまり縁のない私が申すには恐縮ですが........)

(おまけ解答)

図が書きにくいので説明が難しいのですが、Aから前後左右どちらにも1/4の確率で移動するので特に前に動く場合について考えます。
(他は角度を90度ずつずらして考えれば同じです。)

  列     1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  11  12  13  14  
行
 1
 2
 3
 4
 5
 6
 7                                 G1
 8                             G7  F1  G7
 9                         G21 F6  E1  F6  G21
10                     G35 F15 E5  D1  E5  F15 G35
11                 G35 F20 E10 D4  C1  D4  E10 F20 G35
12             G21 F15 E10 D6  C3  B1  C3  D6  E10 F15 G21
13      G7 F6 E5 D4 C3 B2 S1  B2 C3 D4 E5 F6 G7
14                 A
15
上の図ではAをスタートしてまずS1に行った場合を考えます。
Bn(n=1,2)はその地点から最短距離で2コマ進むと元へ戻れます。
nは最短で戻る場合の経路の数を表しています。
(B1の地点から最短距離でAへ戻る経路の数は1で、B2の地点から最短距離でAへ戻る経路の数は2です。
(そういう地点であるという意味です。))

同様に、
Cn(n=1,3)はその地点から最短距離で3コマ進むと元へ戻れます。
nは最短で戻る場合の経路の数を表しています。
(C1の地点から最短距離でAへ戻る経路の数は1で、C3の地点から最短距離でAへ戻る経路の数は3です。
(そういう地点であるという意味です。))

以下同様に考えると上の図のようになります。
(上の図では例えばF1およびF6の位置はこのようになって、それ以外のものは例えばE10とE5にはさまれたAからみて1回り外のもの(F)はF15(=10+5)という関係になっています。)

1コマで戻れるのはS1の地点(1通り)だけでその確率は1/4です。

2コマで戻れるのはB1,B2,B2の3地点で合計5(2×2+1)通りで、このように戻ってこられる確率は
それぞれ1/4×1/4=1/16です。

3コマで戻れるのはC1,C3,C3,C3,C3の5地点で合計13(3×4+1)通りで、このように戻ってこられる確率は
それぞれ1/4×1/4×1/4=1/64です。

以下同様に考えて、またそれぞれ独立して試行されるので求める確率は

1/4+{(1/4)2×(2×2+1)}+{(1/4)3×(3×4+1)}+{(1/4)4×(4×4+6×2+1)}+・・・(S) 
となりますが一般項はわかりません。

しかし実際に計算してみると

第1項までの和は 1/4=0.25
第2項までの和は 9/16=0.5625
第3項までの和は 49/64=0.765625...
第4項までの和は 225/256=0.8789062...
第5項までの和は 961/1024=0.9384765625.....
第6項までの和は 3969/4096=0.9689941.....
第7項までの和は 16129/16384=0.984436......

となって1に近づくことがわかります。
従って試行回数を無限に近づけると元の地点Aに戻ってこられる確率は1に近づきます。
要するに元に戻ってこられるようになります。
(実際に収束するかどうかの判定や、収束値は予測の世界です。)

(感想)

とりあえずこんな風にしか考えられませんでした。
数列の等比数列を駆使してできるのでしょうか。
まったくわかりませんでした。
(その方向へ走ったら深みにはまりました。)

直感で考えると元へ戻れなさそうな気がしますが、実際はまったく反対であるという事実には驚かされます。

(おまけ解答の追補)

調べた結果、この問題は2次元のランダム・ウォークの問題であり、解答はかなり困難です。
(証明はあるのですが理解がとても困難です。現役で確率論をやっているのなら話は別でしょうが)
とはいえ結果を申しますと、やはり元に戻る確率は無限回試行すると1になるようです。

[概略]

この問題はポイヤ(G.Polya)の定理とよばれ、

(定理)

1次元および2次元の対象なランダム・ウォークでは、粒子が遅かれ早かれ(したがって無限回)、初めの位置に戻る確率は1である。
しかし3次元の場合は、その確率はおよそ0.35にすぎない。

(証明の概略)

2次元の場合は地点Aを原点とし、x軸、y軸に平行に正または負の方向へそれぞれ1ずつ移動すると考える。
このとき、最初の位置への復帰の確率はx軸、y軸への正の方向への回数がそれぞれ負の方向への回数に等しいときに限り可能である。

U(n)をn回めの試行で最初の位置に達する確率とすると、
n=奇数とすると、U(n)=0 (奇数回の試行では戻れない!)

n=偶数(簡単のために2n)とすると
(2n回中k回右へk回左へ行き、(n−k)回上へ(n−k)回下へくる確率U(2n)は)

多項分布により

となります。
この無限和が発散することを証明すればよいようです。・・・(※参照)

(1)式

但し、
(2n n)= 2n(2n-1)・・・・(n+1)
――――――――――――――
1×2×・・・・×(n-1)×n
とする。

ここでスターリングの公式

により

Σ
n=0
U(2n)
は発散するそうです。(※ここがさっぱりわかりません。)

(証明終わり)

(※)
一般に事象εが起こるのが一時的である

u=
Σ
j=0
U(j)が有限

(⇔は必要十分条件という意味で、U(j)はj回めの試行でεが起こる確率とする。)


◆奈良県 岸本 大和 さんからの解答。

【問題1】

  1. 縦の長さを a 横の長さ を b とする(a、bは自然数)と、長方形(正方形含む)の桝目の数(面積)は、a × bと書ける。

  2. 塗りつぶし方が渦巻き状に中からなので、a と b の差は2 以上にならない。
    また、最初に進む方向が横だから b≧a 。
    つまりa=b または b=a+1。

  3. 1,2から長方形は
    a×aの形か、a×(a+1)=a×a+a の形になっている。

  4. また、周囲の長さは、長方形の状態から次の一つを塗りつぶした時、2だけ増加し、次の長方形になるまで変わらない。

  5. 3から a を 1〜10とすると、次の表ができる。

12345678910
a×a149162536496481100
a×a+a2612203042567290110

これより 問題1の解答は
1 2 4 6 9 12 16 20

【問題2】

周囲の長さは、5の表から、15〜18前後を取り出し、4の考え方で整理する。
長方形である、桝目12の時は 2×(4+3)なので、問題2の解答は、次の通り。

マス目の数12131415161718192021
周囲の長さ14161616161818181820

【問題3】

5の表から、桝目40 よりすぐ上の長方形をみると、42。
4の性質から、桝目(36+1)から42までは、周囲の長さが同じ。
つまり、桝目37 38 39 41 42 が 40と周囲の長さを持つ。


◆福岡県 中山 さんからの解答。

【問題1】

n×n、n×(n+1)、(n+1)×(n+1)の順番で長方形(正方形)になることから考える。

答え 1、2、4、6、9、12、16、20個

【問題2】

15個塗った時の図形は、16個(4×4)の形から1個分とれた形なので周の長さは16個の時と同じ。
17個および18個塗った時の図形は、16個の形に付け加えた形であることから考える。

答え

 15、16個の時、周の長さ16
 17、18個の時、周の長さ18

【問題3】

長方形(正方形)に1個分付け加えた形から、次の長方形(正方形)に至るまでの間周の長さは一定であることから考える。

答え 37、38、39、41、42個の時


 ◆ 問題へもどる

 ◆ 今週の問題

数学の部屋へもどる。