◆石川県 平田 和弘 さんからの解答。
文字を使って、左手にあてる数をxとし、右手にあてる数をyとする。
左手の10の位は(x-5)、1の位は5-(x-5)で
右手の10の位は(y-5)、1の位は5-(y-5)だから求める数は
10×{(x-5)+(y-5)}+{5-(x-5)}×{5-(y-5)}
=10×(x+y-10)+(10−x)×(10-y)
=(10x+10y-100)+(100-10y-10x+xy)
=xy
となり題意は証明された。
別解答
一般的に証明しようとすると文字を使わざるをえないので、使わないで考えてみます。
問題の中の例のように6×7を考えてみます。
6×7
=(10-4)×(10-3)
=100-30-40+(4×3)
=(50-30)+(50-40)+(4×3)
=10×(5-3)+10×(5-4)+(4×3)
={10×(2+1)}+{4×3}
={10×(1+2)}+{4×3}
↓ ↓
A B
と変形できるので、最後の式の最初の中カッコ(A)は10の位を表し
((1+2)の1は立てた左手指の数を表し、2は立てた右手の数を表す。)、
次の中カッコ(B)は1の位を表し
((4×3)の4は折った左手の数を表し、3は折った右手の数を表す。)ている。
感想
この解答でも正の数・負の数の計算がわからなければ難しいと思います。
小学生にもわかる何かよい方法はないでしょうか。
これは昔、昔、矢野健太郎先生の本で読んだことがあります。
◆京都府 ネットOL さんからの解答。
立っている指の数をそれぞれa,bとすると、本当の数字は
a+5とb+5だからその積は
(a+5)(b+5)、これを展開すると
ab+5a+5b+25・・・(1)となる。
そこにあるおもしろい計算方法でやってみると、折っている指の数はそれぞれ
5−a,5−bだから
(a+b)×10+(5−a)(5−b)
これを展開すると
10a+10b+25−5a−5b+ab
=5a+5b+25+ab・・・(2)となり、
(1)(2)が同じなので・・・
と、いうことでできるのですが、これは授業の問題としてはおもしろいですね。
◆海外 西野 友朗 さんからの解答。
6から9までの数と、立てた/折った指の数の関係は以下の通り。
数 | 立てた指 | 折った指 |
6 | 1 | 4 |
7 | 2 | 3 |
8 | 3 | 2 |
9 | 4 | 1 |
一般に元の数を n (nは 6≦n≦9 を満たす自然数)とすると、
立てた指: n-5、折った指: 10-n
と書くことができる。
さて、今任意の数を n、mとすると、nとmの積は:
n・m
=n・m -10(n+m)+100 +10(n+m) -100
↓ ↓
=(10-n)・(10-m) +10(n+m-10)
=(10-n)・(10-m) +10{(n-5)+(m-5)}
=10{(n-5)+(m-5)} +(10-n)・(10-m)
(A) (B)
と変形できる(恒等式)。
ここで、n,mがそれぞれ 6≦n≦9、6≦m≦9 を満たす自然数のとき
(A)は問題にある「立てた指の和の10倍」
(B)は問題にある「折った指の積」
であり、その和が元の数(n,m)の積を表すことがわかる。
小学校のとき「9の段の掛け算は指で表現できる(*)」というのを見て感動したことがありましたが、これもとても面白いですね。
(*)両手を広げて、左からn番目の指を折ると、9xnの答えは
10の位: 折った指の左側の指の数、
1の位: 折った指の右側の指の数 で表すことができる。
例えば、左から3番目の指を折ると、
折った指の左側の指の数: 2
折った指の右側の指の数: 7
で、9x3の答えは27。
◆広島県 清川 育男 さんからの解答。
(2+1)×10+3×4
=((2+1)×5+(2+1)×5)+((5−2)×(5−1))
=(2+1)×5+(2+1)×5+5×5−(2+1)×5+2×1
=(2+1)×5+5×5+2×1
=2×1+(2+1)×5+5×5
=(2+5)×(1+5)
=7×6
上記の等式を下から上にたどっていけば、
7×6は(2+1)×10+3×4と等しいことがわかる。
5を上手に使った方法ですね。
◆福岡県 中山 さんからの解答。
6≦x≦9なるxについて、
立っている指はx−5、折っている指は10−xと表現される。
問題の計算を上の条件を満たすx、yについて行ってみると、
{(x−5)+(y−5)}×10+(10−x)(10−y)
=10x+10y−100+100−10x−10y+xy
=xy
よって、問題の計算はxかけyという九九を計算していることにほかならない。
◆東京都 唯よーじゅ さんからの解答。
小学生にわかるようにと思って書いたらすごく長くなってしまいました。
【答え】
5×5=25は確かに、指が一本も立ってないですから、そのまま折れた5本と5本をかけて25ですね。
ここまでは九九と。
で、かけ算で片方の数が1つ進むということは、
その「1つ進んだのとは別の一方の数」が、もう1回足されるということです。
つまり、5×5が5×6になるということは、右側の5が6になった分、左側の5を(もとの5×5に対して)1回足すわけです。
もともと5×5とは5が5個、5×6は5が6個という決まりごとでもありますから、 5×5が5×6になる、というのは、という数が、最初5個だったのが、今度は6個になりますよ、ということは、5という数が、もう1つ増えますよ、ということですね。
そこで、その5個が6個になるといったような変化を、数が進むほうの数を現す手(この場合右手とします)で指を立てて表現します。
右手の指が1本立つということは、【問題】のルールに従うと、十の位が1つ増えて(10が1つ増えて)、左手にかける数が1つ減る、ということですから、
●10を1回足して、同時に、もう一方の手(左手)の折れた指を1回引く、
ということです。
ですから、もう一方の手(左手)は、
◆もともとの数を10から引いた分だけ、指を折っておけばいい
わけです。5以上の九九ならそれができますね。
どちらかの手の指が立ったり折れたりするということは、つねに、もう一方の手の指が(◆の方法で)表現している数を足したり引いたりしているということです。
7×6が8×5になる場合は?といったら、もし本当か確かめたいならまず片方の指から1本ずつ変えていけば目で見てなるほどとわかるはずです。
あ、その「目で見て」って部分を書くんですか?えーと、
左手の立った指をA、折れた指をB、右手の立った指をC、折れた指をDとすれば、
例えば7×6を8×5にしてみたいとすると。7×6は
A=2 B=3 C=1 D=4 ですね。
これをまずは左手の指をもう1本立てて8×6を表現してみます。
A=3 B=2 C=1 D=4 になりますね。
Aが1つ増えるので10を足して、Bが1つ減るのでDの分=4を引きます。
つまり右手の指が現す「6」を1回、全体に足したことになります。
「6が7個」だったのが「6が8個」になるのですからそういうことです。
続いて右手の指を1本折って、8×5を表現します。
A=3 B=2 C=0 D=5 になりますね。
こんどはCが1つ減ったので10を引き、Dが1つ増えたので5を足します。
つまり左手の指が現す「8」を1回、全体から引いたことになります。
「8が6個」だったのが「8が5個」になったのですからそういうことです。
いま片方の手ずつ行ったこの変化は、続けてやれば両手いっぺんにできますね。
それが指かけ算の仕組みです。
いや、もしかしたら、両手いっぺんにやったつもりでも、実はほんの一瞬のズレで片方ずつやっているのかもしれません。(笑)
両方いっぺんに数を変えられるかどうかも実際に試してみて下さい。
◆静岡県 ヨッシー さんからの解答。
AとBの掛け算を考えます。
ただし、9≧A≧5、9≧B≧5
左手でAを表すと、
折っている指は10−A本、立っている指はA−5本。
右手でBを表すと、
折っている指は10−B本、立っている指はB−5本。
問題の通りに計算をすると、
立っている指の和の10倍+折っている指の積
=10×{(A−5)+(B−5)}+(10−A)×(10−B)
=(10A+10B−100)+(100−10A−10B+AB)
=AB
となり、AとBの積になります。
◆三重県 ぐぅすか さんからの解答。
こんな計算方法があることを初めて知りました。
<証明>
5より大きい1けたの数字を(5+A)、(5+B)とおく。
この2数の掛け算の結果は、
(5+A)(5+B)=25+5A+5B+AB ・・・・・@
ここで指による計算の場合を考えてみると、
左手の立っている指がA、右手の立っている指がB、
左手の折っている指は(5−A)、右手の折っている指は(5−B)と表せる。
これを式にすると
10(A+B)+(5−A)(5−B)
=10A+10B+25−5B−5A+AB
=5A+5B+AB+25・・・・・A
@=Aよりこの計算方法は正しいと言える。
◆神奈川県 せいちゃん さんからの解答。
初めの数をX、左手の立てている本数をA本とすると、
折れている本数は5-A本となる。
掛ける数をY、左手の立てている本数をB本とすると、
折れている本数は5-B本となる。
立っている指の和の10倍+折っている指の積より
XY
=10(A+B)+(5−A)(5−B)
=AB+5A+5B+AB
になることの証明をすればいい。
またXはAについて解くとX=5+A。同様にY=5+B
よってこれらを掛けると
XY
=(A+5)(B+5)
=AB+5A+5B+25
ゆえに立っている指の和の10倍+折っている指の積になる。
◆神奈川県 あまえび さんからの解答。
「立っている指の和の10倍+折っている指の積」がもとの九九の答えになっていることを示します。
もとの九九をA×Bとすると、
(A,Bはそれぞれ5から9の整数です。)
立っている指の和の10倍
=10×[(A−5)+(B−5)]
=10A+10B−100
折っている指の積
=(10−A)×(10−B)となります。
ここで、問題の「立っている指の和の10倍+折っている指の積」を計算すると、
10A+10B−100+{100−10A−10B+A×B}
=A×B
となり、「立っている指の和の10倍+折っている指の積」がもとの九九の答えになっていることが分かりました。
〈証明終り〉
感想:
非常に興味深く考えさせて頂きました。
式を使うと簡単に「立っている指の和の10倍+折っている指の積」がもとの九九の答えになっていることが分かりますが、九九の答えを「立っている指の和の10倍+折っている指の積」で表現できることには普通気付かないと思います。
生活の知恵とは凄いものですね。
でも、五五でなく九九が普及してるってことは、九九を覚える方が結局速い(早い?・役立つ)ってことですかね?
◆埼玉県 MASTER さんからの解答。
2つのある数をX、Yとします。
すると、10の位の数は、たっている指の数の和なので、
(X−5)+(Y−5)=X+Y−10
と表せます。
そして、1の位の数は、折っている指の数の積なので、
(10−X)(10−Y)=100−10X−10Y+XY
と表すことができます。
あとは、この2つの数をたせばOKです。
10(X+Y−10)+(100−10X−10Y+XY)
=10X+10Y−100+100−10X−10Y+XY
=XY
これで、この計算方法は、正しいということがいえます。
この問題は、中3の僕としては、簡単な問題でした。
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