『今週の問題』第105回 解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答

【一般に】

C=[c1,c2,c3,c4,c5,c6,c7,c8,c9]t  の状態に対し
N=[n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,n8,n9]t  なる手をうち
D=[d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7,d8,d9]t  になったとするとき、これらは下記線形方程式を満たす。

ここで P は色の数であり、105回の場合3である。

D=C+A×N mod P

行列Aの逆行列の存否はdet(A)が0かどうかで決まるが、これを計算すると、

 det(A) mod P = 80 mod P である。

従って、Pが2(104回の場合)または5の倍数でなければ、Aの逆行列が存在する。

この場合解は唯一であって、D=0(全部赤)の解は 

N=−A-1×C mod P  ―――――(1) である。

なお −A-1 は計算すると下記である。

特にP=3 の時 −3→0 、2/10→2 である。

【問題1】

P=3とし、
C=[0,2,0,2,0,2,0,2,0]t を式(1)に代入し計算すると
N=[2,0,2,0,0,0,2,0,2]t である。すなわち

1,1,3,3,7,7,9,9

【問題2】

P=3とし、
C=[2,2,2,2,2,2,2,1,2]t を式(1)に代入し計算すると
N=[0,2,0,0,2,0,2,0,2]t である。すなわち

2,2,5,5,7, 7,9,9

【おまけ1】

本問題は【一般に】のP=3の場合である。
従って、逆行列が存在し、解は必ず、かつPを法として唯一存在する。

【おまけ2】

【おまけ1】に示したように「3を法として解は唯一」であり、これが最小手数である。

【P.S.】

104回の場合は det(A)=0 であり、
計算すると、rank(A)=5 なので解が複数存在(29-5=16個/ただし3手以上を含む)したり、存在しなかったりすることも(1)より分かる。
なお、「4色」もそうだが、「5色」が次におもしろそうだ。


◆岡山県の中学校3年生 葵 さんからの解答

【問題1】

1,3,7,9,1,3,7,9

【問題2】

2,7,9,5,2,7,9,5

問題を作る時点でクリックされた回数×2が、必要な回数

例外→問題を作る時点で、繰り返してクリックされている場合
 [1,2,1、]

この場合、『1,2,1,1,2,1、』でとくことも可能。
しかし、基本を、1,2。最後の1を1,2の繰り返しの始まりの1だと考えれば、
『2,1,2』の3回でとくことができる。

つまり、3回(同じ押し方を)繰り返せば、初期設定に戻すことは可能。

従って、
問題1は、「1,3,7,9、」によって作成されているので、
それ(1,3,7,9、)×2

問題2は、「2,7,9,5」によって作成されているので、
それ(2,7,9,5、)×2が、手順になる。


◆広島県 清川 育男 さんからの解答

【問題1】

1,3,7,9,1,3,7,9 (順不同)

【問題2】

2,5,7,9,2,5,7,9 (順不同)

【おまけ1】

An(n=1-9)
An mod 3≡Kn (Kn=0,1,2)
Kn=0のときは操作不要。

初期状態から、クリックされたAnの回数に対して(3-Kn)回ずつ順不同でクリックすれば、初期状態に戻すことが可能です。

また任意の状態を初期状態に戻すことが可能だと思います。
行列の加法が成立します。

赤 0 緑 1 ピンク 2 で表わすとする。

例えば下記の図柄を作る場合

100
000
000
1を含む行と列を除いたマス目と1のマス目をクリックすればよい。
すなわち、1,5,6,8,9のマス目をクリックすればよい。
000
010
000
同様に、1,3,5,7,9のマス目をクリックすればよい。
000
000
001
同様に、1,2,4,5,9のマス目をクリックすればよい。

上記3個の図柄で合成される下図は、

100
010
001
足し算をすればよい。
3回以上クリックするマス目は3個ずつ省く。また順不同なので、
 1,5,6,8,9,1,3,5,7,9,1,2,4,5,9
=1,1,1,2,3,4,5,5,5,6,7,8,9,9,9
=2,3,4,6,7,8
200
000
000
 1,5,6,8,9,1,5,6,8,9
=1,1,5,5,6,6,8,8,9,9
このようにして任意の図柄を作ることが出来る。
任意の図柄を作ることが出来るので、それを初期状態に戻すことは可能である。

【おまけ2】

赤 0 緑 1 ピンク 2 とする。
a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8,a9 は、0,1,2とする。

任意の図柄を

a1 a2 a3
a4 a5 a6
a7 a8 a9
とする。 この図柄を作るための操作

1→a1+a5+a6+a8+a9≡b1 (mod 3)
2→a2+a4+a6+a7+a9≡b2 (mod 3)
3→a3+a4+a5+a7+a8≡b3 (mod 3)
4→a4+a2+a3+a8+a9≡b4 (mod 3)
5→a5+a1+a3+a7+a9≡b5 (mod 3)
6→a6+a1+a2+a7+a8≡b6 (mod 3)
7→a7+a2+a3+a5+a6≡b7 (mod 3)
8→a8+a1+a3+a4+a6≡b8 (mod 3)
9→a9+a1+a2+a4+a5≡b9 (mod 3)

bn≠0 (n=1-9) のときnのマス目をbn回クリックすると上記の図柄が出来る。
初期状態に戻すためには、
bn≠0 のときnのマス目を(3-bn)回クリックすればよい。

bn≠0 (n=1-9) のとき最小の回数は、
mini=n
Σ
k=1
(3-bk)

以上です。
ポイントは行列の加法が成り立つことですね。


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