『面積は何分のいくつ?』

『面積は何分のいくつ?』解答


◆千葉県 Hiroshi Maki さんからの解答。

 ベクトルを使って一般解を考えました。
文中の強調文字はベクトルを表します。

Figure ABACとする。

AI:IH:HE=j:k:m(J+K+m=1),
BG:GI:IF=p:q:r(p+q+r=1)

として..  (GEは補助線です)

AIベクトルを2つの方法で表します。
 1.AI=jAE
     =(j/n)+j(1−1/n)
 2.AIAFFI
     =(1/n)+ r(−(1/n)
     =r+(1/n)(1−r)

1,2の各ベクトルの成分は等しいから
  j/n=r
  j(1−1/n)=(1/n)(1−r)

連立方程式を解いて、
  j=n/(n−n+1)
  r=1/(n−n+1)

p、q、rの比は仮定だけど、見方を変えてやれば、j、k、mと同じになるので
  p:q:r=j:k:m

すなわち
  m=r=1/(n−n+1)
  k=1−j−m=n(n−2)/(n−n+1)

これでj、k、m全て出そろったので、△IGHの面積を計算できる。
△ABCの面積を1として、順に小さい三角形を求める要領で..

△IGH=(n−1)/n×(k+m)×k/(j+k) ×k/(k+m)
       △ABE   △IBE    △IGE    △IGH

  =(n−2)/(n−n+1) ・・問2の解


【問題1】・・・ n=3を上式に代入して △IGH=1/7
【問題2】・・・ (n−2)/(n−n+1)
【問題3】・・・ 成立
【問題4】・・・ 成立


 20年ほど前の記憶を呼び覚ましつつ、悶々と考えました。
外積を使ってもっとスマートにできるのかな?


【コメント】

 なるほど、鮮やかな証明ですね。
中学校的なやり方よりも見通しがきくのが、いいですね。
私も久しぶりにベクトルを思い出しました。


◆大阪府の高校生 大森 剛さんからの解答。

<問題1>と<問題3>

△ABF+△ACE+△DBC=△ABCより
△IGH=△AIF+△CEH+△BDG

 ベクトルBH
=tベクトルBA+(1−t)ベクトルBE
=(1−s)ベクトルBD+sベクトルBC

ベクトルBE=2/3ベクトルBC
ベクトルBD=1/3ベクトルBA
よって t=1/7だから △HEC=1/7△AEC
よって △HEC=1/21△ABC

同様に △GDB=△AIF=1/21△ABC

よって △IGH=△AIF+△CEH+△BDG=1/7△ABC

これは<問題3>でもいけると思う。

<問題2>と<問題4>

△ABF+△DBC+△AEC=3/n△ABCだから

 △IGH
=△ABC−3/n△ABC+△AFI+△DBG+△HEC
=(n−3)/n△ABC+3△HEC

△HECを上のように求めると
△HEC=1/(n−n+n)△ABC

よって△IGH=(n−3)/n+3/(n−n+n)

これは<問題4>でもいけると思う。


◆岐阜県の中学校3年生 もっち さんからの解答。

【問題1】

答え 1/7

 まず,Eより,BFに平行な直線を引きACとの交点をJとする。
そこでAF:FC=1:2 … @
BE:EC=2:1 → FJ:JC=2:1 … A

@,Aより AF:FJ=3:4

よって△ABE:△AEC=2:1 → △ABE=△ABC×2/3

また,△ABI:△IBE=3:4 → △ABI=△ABE×3/7

Figure 
したがって△ABI=△ABC×2/7

  同様にして考えると
△ABI=△CBG=△AHC=△ABC×2/7

よって △IGH=(1−2/7×3)×△ABC=1/7×△ABC


【コメント】

 今まで高校の知識を使った解答しかなかったのですが、補助線一本で解決したのがすばらしいです。
もちろん正解です。
面積比の問題に慣れているのでしょうが、解答が大変分かりやすく書いてありますね。
ぜひ、2問目も解いてください。


◆岐阜県の中学校3年生 もっち さんからの解答。

【問題2】

問題2の答えが出ましたので送ります。

答え  (n−1)(n−4)+n
――――――――――――
n+(n−1)2

EよりBFに平行線を引き、ACとの交点をJとする。
AF:FC=1:n−1,FJ:JC=n−1:1より、
AF:FJ=n:(n−1)2

よって、
△ABE:△ACE=n−1:1
   ↓
△ABE=(n−1)/n×△ABC

△ABI:△IBE=n:(n−1)2
   ↓
△ABI=n/(n+(n−1)2)×△ABE

したがって、

△ABI= n−1
――――――――
n+(n−1)2
×△ABC

同様にして考えると、

△ABI=△CGB=△AHC
n−1
――――――――
n+(n−1)2
×△ABC

よって

 △IGH
=(1− n−1
――――――――
n+(n−1)2
×3)×△ABC

(n−1)(n−4)+n
――――――――――――
n+(n−1)2
×△ABC

問題3,4も正三角形の性質を利用していないので、成り立つと思います。

問題1の答えを参考にして考えられたので、楽でした。
考え方次第で、僕たち中学生にも解けてしまうのは不思議ですね。
これからもこんな楽しい問題をお願いします。


【コメント】

 完璧な解答です。
確かに一般の三角形でも同様に証明できると思います。
ただ分子は(n−1)(n−4)+n=n2−4n+4

ですから(n−2)2と直した方が美しいかもしれませんね。


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