『正多面体の電気抵抗』解答


◆東京都 小林 祐介 さんからの解答。

【問題1】

1
R
+2( 1
2R
)= 2
R
より
2つの頂点間の電気抵抗は R
2

【問題2】

最初の頂点から最も近い頂点群までの抵抗は
R
3

その次の頂点群までの抵抗は
R
6

最も遠い頂点までの抵抗は
R
3

以上より最も遠い位置にある2つの頂点間の電気抵抗は
5R
6

【問題3】

最初の頂点から最も近い頂点群までの抵抗は
R
4

最も遠い頂点までの抵抗は
R
4

以上より最も遠い位置にある2つの頂点間の電気抵抗は
R
2

【問題4】

最初の頂点から最も近い頂点群までの抵抗は
R
3

その次の頂点群までの抵抗は
R
6

その次の頂点群までの抵抗は
R
6

その次の頂点群までの抵抗は
R
6

最も遠い頂点までの抵抗は
R
3

以上より最も遠い位置にある2つの頂点間の電気抵抗は
7R
6

【問題5】

最初の頂点から最も近い頂点群までの抵抗は
R
5

その次の頂点群までの抵抗は
R
10

最も遠い頂点までの抵抗は
R
5

以上より最も遠い位置にある2つの頂点間の電気抵抗は
R
2


問題6以降において、隣り合う2つの頂点を結ぶ線分に垂直かつ線分の中点を通る平面は等電位面となる。
またこの等電位面に垂直かつ上記の線分を含む平面に対して対称な位置にある2点の電位は等しい。
このことを踏まえて問題6以降を配線図に直してみる。

以下の配線図において同じ列にある頂点の電位は等しく、細線でかかれた配線には電流が流れないことを意味する。

【問題6】

この問題を配線図にすると

となる。

この配線図を解くと抵抗は
7R
12
となる。

この回線に14RVの電圧をかけると
BD,CD,EF,EGには1A、DFには2A、BF,CGには4A、
AB,AC,FH,GHには5A、AHには14Aの電流が流れる。

【問題7】

この問題を配線図にすると

となる。

この配線図を解くと抵抗は
3R
7
となる。

この回線に6RVの電圧をかけると
BC,BD,CE,DEには1A、AB,EFには2A、
AC,AD,CF,DFには3A、AFには6Aの電流が流れる。

【問題8】

この問題を配線図にすると

となる。

この配線図を解くと抵抗は
19R
30
となる。

この回線に38RVの電圧をかけると
FH,GH,MN,MOには1A、FK,GL,HM,KN,LOには2A、
BD,CE,DF,EG,NP,OQ,PR,QSには3A、BI,CJ,IR,JSには8A、
AB,AC,RT,STには11A、ATには38Aの電流が流れる。

【問題9】

この問題を配線図にすると

となる。

この配線図を解くと抵抗は
1
2
Rとなる。

この回線に22RVの電圧をかけると
DF,DG,FI,GIには1A、BD,CD,DI,IJ,IKには2A、
BE,BF,CG,CH,EJ,FJ,GK,HKには3A、AB,AC,JL,KLには8A、
AE,AH,EL,HLには11A、ALには22Aの電流が流れる。


◆京都府 sambaGREEN さんからの解答。

【問題7】

問題7の図のB-E間に抵抗が1本抜けています。

したがって,答えは
5
12
Rになるのではないかと思います。


◆東京都 小林 祐介 さんからの解答。

【問題7】

ご指摘があったように、配線図にミスがありました。
修正した解答を送ります。
八面体でミスをしていたとは、くやしい!!

この問題を配線図にすると

となる。

この配線図を解くと抵抗は
5
12
Rとなる。

この回線に10RVの電圧をかけると
BC,BD,CE,DEには1A、BEには2A、AB,EFには4A、
AC,AD,CF,DFには5A、AFには10Aの電流が流れる。


◆千葉県 asama さんからの解答。

【問題6〜問題9】

正多面体の頂点の数をN、頂点で出合う辺の数をnとします。
(例えば、正二十面体ならばN=12、n=5)

まず、外から一つの頂点aに電流jを流し込み、
他の頂点から均等に
N−1
の電流を取り出すことを考えましょう。
対称性から隣の頂点bに向かい
の電流が流れますので
ab間の電位差は Rj
になります。

今度は、頂点bに電流−jを流し込み(=jを取り出し)、
他の頂点から均等に−
N−1
の電流を取り出した場合について考えましょう。
このとき、頂点aには対称性から−
の電流が流れますので
ab間の電位差はやはり Rj
になります。

重ね合わせの原理を用いて、2つの場合の効果を足してあげましょう。
頂点aに流れ込む電流は(1+
N−1
)j、
頂点bには−(1+
N−1
)j、
その他の頂点では打ち消しあいます。
そして、ab間の電位差は 2Rj
になります。

したがって、頂点aから電流Iを流し込み、頂点bからIを取り出した場合は、
j= (N−1)I
ですので、
ab間の電位差は 2R(N−1)I
Nn
になります。
よって、隣り合う2点間の抵抗は 2R(N−1)
Nn
になります。

対称性を上手に使うことがポイントですね。


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