『整数問題一発勝負!! Part6』解答


◆新潟県 加藤 英晴 さんからの解答。

【解答1−2】

2001n−1
=(2001−1)(2001n-1+2001n-2+・・・+2001+1)
=2000(2001n-1+2001n-2+・・・+2001+1)
と因数分解できます。

2000=24*53なので,常に4こ以上の素因数2をもつことが分かります。

また,nが奇数だと,
(2001n-1+2001n-2+・・・+2001+1)も奇数であるので,nが奇数の場合は,素因数2の個数は4です。

また,nが偶数だと,

(2001n-1+2001n-2+・・・+2001+1)
=(2001n-2)*(2001+1)+(2001n-4)*(2001+1)+・・・+(2001+1)
=2002(2001n-2+2001n-4+・・・+20012+1)
=2*1001*(2001n-2+2001n-4+・・・+20012+1)
n=2+4k(k=0,1,2・・・)であると,
(2001n-2+2001n-4+・・・+20012+1)が奇数であるので,
nが2+4k型の偶数の場合は,素因数2の個数は5です。

n=4kであると,
(2001n-2+2001n-4+・・・+20012+1)
の下の方の桁が0が適度に十分多くならんだ後にn/2がつく形になるので,
nが4k型の偶数の場合は,素因数2の個数は
5+(
にある素因数2の数)です。


◆東京都 ぽこぺん さんからの解答。

【問題2】

言える。m が奇数のとき,恒等式

xm + 1 = (x + 1)(xm-1 -+ … + 1)

が成立する。

この式で x = 27 = 33,m = 3n-1 とおけばよい。

【問題1−2】

n を素因数分解して n = 2e・q (e は非負整数,q は奇数) と書く。
ここで,E = 2e,E’= 2e-1 と表すことにすれば,n = E・q である。

このとき,a =2001E とおけば,

2001n - 1 = (2001E) q - 1 = aq - 1 = (a - 1)(aq-1 + … + 1)

となり,最右辺の第 2 因数は奇数個の奇数の和だから奇数である。
したがって,a - 1 に含まれる素因数 2 の個数を求めればよい。

ここで a - 1 は

2001E - 1 = (2001 - 1)(2001 + 1)(20012 + 1)…(2001E’ + 1)

と因数分解することができ,右辺の第 1 因数 (2000) は素因数 2 を 4 個持つ。
また,第 2 因数以降は,0≦k≦e-1 なる k に対して K = 2k とおけば,それぞれ二項係数を用いて

2001K + 1 = (2000 + 1)K + 1
=   K
Σ
r=1
C(K, r) 2000r + 2 = 2 (1000A + 1)   (A は適当な自然数)

となるので,素因数 2 を 1 個ずつ持つことがわかる。
したがって,a - 1 (すなわち 2001n - 1) に含まれる素因数 2 の個数は 4 + e となる。


◆茨城県 holsety さんからの解答。

【問題1−1】

20012n-1 = 2m*k

2001^(2^n)-1 = 2^m*k
(ただしkは2を素因数としてもたない)とおくと、mが求める値である。

このとき、20012n+1-1
2001^(2^(n+1))-1 を考えると、

20012n+1-1
= (20012n)2-1
= (20012n-1)2+2(20012n-1)
= (2m*k)2+2(2m*k)
= 2m+1(2m-1k+1)k

2001^(2^(n+1))-1
= (2001^(2^n))^2-1
= (2001^(2^n)-1)^2+2(2001^(2^n)-1)
= (2^m*k)^2+2(2^m*k)
= 2^(m+1)(2^(m-1)k+1)k

k および 2m-1k+1 は2で割り切れないため、

20012n-1 が素因数2を m 個もつ ⇒ 20012n+1-1 は素因数2を m+1 個もつ
2001^(2^n)-1 が素因数2を m 個もつ ⇒ 2001^(2^(n+1))-1 は素因数2を m+1 個もつ

が成立する。

n=0 のとき、20012n-1=2000=24*53
2001^(2^n)-1=2000=2^4*5^3

より、素因数2を4個もつから、非負整数nに対しては n+4 個もつ。

(答) n+4

【問題1−2】

2001n-1
= (2001-1)(2001n-1+……+2001+1)
= 24*53(2001n-1+……+2001+1)

と因数分解し、f(n) = 2001n-1+……+2001+1とおくと、

2001n-1 = 24*53*f(n)

2001n は任意のnに対して奇数だから、
nが奇数であればf(n)は奇数個の奇数の和となり、必ず奇数になる。

よって、nが奇数のとき、2001n-1 は素因数2を4個もつ。

一方、nが偶数のとき、nから素因数2をできるだけ多く取り出し、
n = 2m*k と分解すると、(mは自然数、kは2を素因数として持たない自然数)

2001n-1
= 20012m*k-1
= (20012m)k-1
= (20012m-1)((20012m)k-1+……20012m+1)

2001^n-1
= 2001^(2^m*k)-1
= (2001^(2^m))^k-1
= (2001^(2^m)-1)((2001^(2^m))^(k-1)+……2001^(2^m)+1)

問題1-1の結果より、20012m-1 (2001^(2^m)-1) は素因数2を m+4 個もつ。

また、 (20012m)k-1+……20012m+1
((2001^(2^m))^(k-1)+……2001^(2^m)+1)
については、

任意のm, kに対して
(20012m)k ((2001)^(2^m)^k)が奇数なので、
k が奇数であることにより、f(n) と同様に奇数個の奇数の和となり、やはり奇数となる。

したがって、20012m*k-1(2001^(2^m*k)-1 )は素因数2を m+4 個もつ。

(答)

nが奇数のとき 4
nが偶数のとき、n = 2m*k として素因数2をできるだけ多く取り出したと仮定して、m+4 個

【問題2】

(答) いえる

数学的帰納法で示す。

(i)n=1 のとき
33n+1=2(3^(3^n)+1=28)より命題は正しい。

(ii)n=k のとき 33n+1(3^(3^n)+1) が28の倍数であると仮定すると、

33k+1 = 28m (mは自然数)(3^(3^k)+1 = 28m)
とおける。このとき、

33k+1+1
= 33k*3+1
= (33k)3+1
= (28m-1)3+13
= ((28m-1)+1)m' (m':因数分解の後半部分。議論に必要ないため省略)
= 28mm'

3^(3^(k+1))+1
= 3^(3^k*3)+1
= (3^(3^k))^3+1
= (28m-1)^3+1^3
= ((28m-1)+1)m' (m':因数分解の後半部分。議論に必要ないため省略)
= 28mm'

よって、33k+1+1(3^(3^(k+1))+1)も28の倍数である。

(i)(ii)より任意のnについて命題は正しいことが示された。 

【感想】

問題1−2が特に難しかったです。
誘導がなければ私には解けなかったかもしれません。
骨の折れる問題で、十分に楽しめました。


◆出題者の神奈川県 テトラン さんからのコメント。

皆さん正解です。
結構いろいろな解き方があるようですね。

私の解き方は、1-1はholsetyさんと全く同じ方法でした。
しかし1-2は、ここに載っているどの方法とも違いました。
ヒントは、nを○○表示する、です(○の数は関係ありません)。
興味のある方は、nを○○表示して解いてみて下さい。


◆東京都 かえる さんからの解答。

【問題3】

f(ai)=f(aj)となる0≦i<j≦b−1を満たす整数i,jが存在すると仮定すると、
ai≡aj(mod b(以下略))



a(j−i)≡0



j−i≡0(∵aとbは互いに素)



j−i=0(∵0≦i,j≦b−1)



i=jとなり矛盾。

従って、f(0),f(a),f(2a)・・・,f(a(b−1))は全て異なる。

これらが採り得る値は、0、1、2・・・b−1であるが、f(0)=0より、
集合{f(a),f(2a),・・・,f(a(b−1))}=集合{1,2・・・,b−1}

xをax≡1(modb)かつ1≦x≦b−1を満たす整数として、
f(ax)


ここで、1≦m≦b−1を満たす任意のmについて、
f(ay)=mを満たすyは、

ay≡m



amx≡ay(∵ax≡1 → amx≡m)



a(mx−y)≡0



mx−y≡0(∵aとbは互いに素)



y≡mx



y≦mx(∵1≦y≦b−1)

f(ay)

mx

以上より min( f(ak)
)=
(但しxはax≡1(mod b)かつ1≦x≦b−1を満たす整数)


◆東京都 ぽこぺん さんからの解答。

【問題3】

r(a) を 「b を法とする a の逆数」,すなわち

r(a) = k  (ただし f(ak) = 1,0<k<b)

と定義するとき,
min[0<k<b] f(ak)
k
= 1
r(a)
が成立する。

この最小値を与える k の値は,
m = [ b
r(a)
] とおくとき,
k = j・r(a)  (0 < j ≦ m)の m 個ある。

(証明)

一般に,整数 x に対して f(x) を

f(x) = (x を b で割った余り)

と拡張しておく。元の定義はこれに含まれている。

a と b は互いに素だから

a x + b y = 1

となる整数 x,y が存在する。特に,

0 < x < b

に取ることができるから,この x が r(a) になる。

このとき,r(a) も b と互いに素であり,

S={ k | k=1,2,…,b-1 } = { f(j・r(a)) | j=1,2,…,b-1 }

であるから,

min[0<k<b] f(a・k)
k
 = min[0<j<b] f(a・j・r(a))
f(j・r(a))
 = min[0<j<b] j
f(j・r(a))

である。

S の元のうち,0 < j ≦ m である j に対する f(j・r(a)) に対しては,

0 < j・r(a) < b

であるから,

f(j・r(a)) = j・r(a)

となり,

j
f(j・r(a))
= j
j・r(a)
= 1
r(a)

が成り立つ。

しかし m < j < b である j に対しては

b < j・r(a)

であるから

f(j・r(a)) < j・r(a)

となり,

j
f(j・r(a))
j
j・r(a)
= 1
r(a)

が成り立つ。■


◆東京都 かえる さんからの解答。

【問題4】

題意を満たすにはS(2,p)が平方数であることが必要。

S(2,p)=1+2p=x2(xは自然数)
⇔2p=(x+1)(x−1)

(x+1)と(x−1)がともに2q(qは0以上の整数)であるのは、
X=3のときのみで、 このときp=3

逆にp=3のとき、S(n,3)=( n(n+1)
) 2ゆえ題意を満たす。

以上よりp=3・・・【答】


◆北海道 あき さんからの解答。

【問題5】

nが奇数の場合つねに10000〜〜00が最小の平方数。
(100だとか、10000、n=1は除く)
nが2の時も制約があるので無視。

そこで取り出すのは電卓!笑

n=4つまり1000はルートすると31,6227766・・・・・・
この数字より大きく最小・・この場合322がそれに当たります。(もちろん偶数)

n=6つまり100000はルートすると316,227766・・・・・
この場合だと3172です!
奇数の2乗は奇数なのでこれが答えですね。

もうちょい考えると、ルートをして1桁目が偶数ならばそれはこれにあたります。
10のルート・・無理数なので小数点以下バラバラに数字があります。
当然偶数もいっぱいあるのでこれに当たる数字は山ほどあります。


◆神奈川県 テトラン さんからの解答。

【問題6】

n〜m⇔(nの1桁目からずっと続く0の次の数字=mの1桁目からずっと続く0の次の数字)と定義すると、
〜は同値関係になり、次の性質が成り立つことが分かる。

(1)5で割り切れない自然数n,m,a,bに対してn〜m,a〜b→an〜bm 

(2)nを10で割った余りをrとするとき、r≠0ならばn〜r

(n!の1桁目から続く0の次の数字)=F(n)とおく。

F(1017)=偶数=2a (aは5で割り切れない)となる(1017の素因数2の個数>素因数5の個数だから)ので、

F(1017)1016
〜(2a)1016 ←(1)より。2,a,F(1017)は5で割り切れない。
=(21016)(a1016)
〜6*(a1016) ←(1)(2)より

〜(aが奇数の場合)6*1=6 ←(1)(2)より
 (aが偶数の場合)6*6〜6 ←(1)(2)より
となって、F(1017)1016〜6

よって、求める値は6である。

青木注:ブラウザによってはきちんと見えないかもしれません。

F(10^17)^10^16
〜(2a)^10^16 ←(1)より。2,a,F(10^17)は5で割り切れない。
=(2^10^16)(a^10^16)
〜6*(a^10^16) ←(1)(2)より

〜(aが奇数の場合)6*1=6 ←(1)(2)より
 (aが偶数の場合)6*6〜6 ←(1)(2)より
となって、F(10^17)^10^16〜6
よって、求める値は6である。

のことです。

なお、(1)について、5で割り切れない という条件を外すと、
例えば3〜30=2*15〜2*5=10〜1 となって矛盾するので、この条件は必須です。

F(n)を直接求めてみたので、参考までに載せておきます。
証明は、見た目と違い かなり大変だったので省略します。

・まず、自然数nの5進法表示n= u

i=0
(5i)aiを与える。
次に、 u

i=1
i*ai≡t (mod 4)となる自然数t(1≦t≦4の範囲から選べば十分)を1つ選ぶ。

1桁の自然数mで、{au!a(u−1)!…a1!a0!}2t と同値なものが、求めるF(n)になる。

各aiは0から4の範囲にあるので、特に5では割り切れず、従って(1)(2)を用いて簡単にmを計算できる。

1017は5進法で1314324200000000000000000なので、
u

i=1
i*ai≡3 (mod 4) よって、

{au!a(u−1)!…a1!a0!}2t
={1!3!1!4!3!2!4!2!0!0!…0!}23
〜{6*4*6*2*4*2}8
〜4*8
〜2 となり、

F(1017)=2

すなわち((1017)!の1桁目から続く0の次の数字)=2 となる。


◆東京都 かえる さんからの解答。

【問題8】

(1)nが奇数のとき
n≧3だが、n=2k+1(kは自然数)とおいて、
3辺を(2k+1,2k2+2k+1,2k2+2k)として、題意の直角三角形を作ることができる。

(2)nが偶数のとき
n=2l・m(lは自然数、mは奇数)と表せる。

(2−1)m=1のとき
lは2以上の自然数となるが、(3,4,5)の直角三角形の各辺を
l-2倍することにより、題意の直角三角形を作ることができる。

(2−2)m≧3のとき
mはm≧3の奇数なので、(1)を用いて直角三角形を作り、
その各辺を2l倍することにより、題意の直角三角形を作ることができる。

【証明終了】


◆東京都 ユウプー さんからの解答。

【問題7】

以下で,( a
p
)はルジャンドル記号を表す.

x+3y=5z…☆

x,y,zのうち負であるものがある場合は,あり得ないことはすぐわかる.
よってx,y,z≧0で考えてよい.

x=0とすると
1+3y=5z

となり,両辺の偶奇が異なってしまう.
よってx>0.

またz=0は明らかに解は持たずy=0とすると
z>0と仮定してよく
x+1=5zより
x≡−1(mod.5).

∴( 2x
5
)=( -1
5
).

∴( 2
5
)x=1.

∴(−1)x=1.
∴x:偶数.

1≦x≦2なら,x=2,z=1が解.

x>2とすると,☆を変形すると
2x-2=5z-1+5z-2+…5+1

この式の左辺は偶数で,右辺は奇数のz個の和だからzは偶数.
(5z≡1(mod.8).

φ(8)=4で,5n≡1(8)なる最小指数はn=2.
.よって2|z.)

そこで改めてx=2x,z=2zとおけば
1=(5z-2x)(5z+2x)

これは起こりえない.

以上から,すべてが正でない解は
(2,0,1)のみ.

次にx,y,z>0としてよい.
するとまず次のことがわかる.
『x,y,zの偶奇は一致.』
(∵( 2x
3
)=( 5z
3
)より
(−1)x=(−1)z

また( 2x
5
)=( −3y
5
)より
(−1)x=(−1)y

∴(−1)x=(−1)y=(−1)z.
∴x,y,zの隅奇は一致.)

Cace1)x=1.
y=1なら,z=1.
y≧2なら☆をmod.9でみれば
2≡5z≡(−4)z≡(−1)z・4z≡22z.

∴22z-1≡1.
(∵『』よりzは奇数.)

ところで2は法9に関して指数6に属するから
2z−1は6で割り切れなければいけない.
ところがこれはできない.

よって解は(1,1,1).

Cace2) x≧2.
☆をmod.4でみれば

z−3y ≡2x ≡0.

∴5z≡3y

z≡1で
y≡(4−1)y≡(−1)y≡1

だから,yは偶数.

よって『』からzも偶数.

そこで改めてy=2y,z=2zとおけば、☆を変形して

x=(5z+3y)(5z−3y)

∴2c=(5z+3y)
 2d=(5z−3y)
(c,d≧1,c+d=x)

辺へん加えて2で割れば
5z=2c-1+2d-1

∴c=1 or d=1.

前者は起こらない.後者なら
z=3y+2

で、これはCace1)から
y=z=1.

つまりもともとのy,zは
y=z=2.

このときx=4.

よって解は(4,2,2).

以上よりすべての解は
(2,0,1),(1,1,1),(4,2,2).


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