『整数問題一発勝負!! Part5』解答


◆島根県の高校生 支離滅裂 さんからの解答

【問題1】

商は必ず1になり、余りをxとすると

X2=(X-1)2+x=X2-2X+1+x

∴x=2X-1

余り:2X-1


◆愛知県 迷子の雄猫 さんからの解答

【問題1】

「自然数X2を(X-1)2で割ったときの余りは
X2から(X-1)2を引いたときの値2X-1に等しい。」

2X-1<(X-1)2のときこの命題が成り立つ。

つまり、X<0またはX>3のときこの命題が成り立つ。

よって、3より大きい素数Xがあるとき、
X2を(X-1)2で割ったときの余りは2X-1

・・・なのですが、なぜ素数と限定したのかがさっぱりわかりません(汗)

【問題2】

111111111*111111111=12345678987654321

6111111111*6111111111=37345679010987654321


◆東京都 かえる さんからの解答

【問題1】

2=(X−1)2+2X−1

XはX>3の素数なので、
(X−1)2>2X−1 かつ 2X−1>0

よって 余りは 2X−1・・・【答】

【問題2】

(1)1111111112=12345678987654321より存在・・・【答】

(2)(A+111111111)2=B・1011+10987654321
(A、B整数)とおく。

2+2・111111111・A+12345678987654321
=B・1011+10987654321

A(A+222222222)=((B−123457)・102+32)・109

よって、たとえば、A=6・109とすればよい。

61111111112が題意を満たす・・・【答】


◆静岡県 conejo さんからの解答

【問題1】

x2を(x-1)2で割ると商が1で余りが2x-1となる

ここで,2x-1<(x-1)2でなければ,2x-1は余りと言えないので
(x-1)2-(2x-1)>0を証明する。

左辺=x2-4x+2=(x-2)2-2
xは素数でx>3よりx≧5

したがって(x-2)2-2>0は明らかに成立するので余りは2x-1と言ってよい


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答

【問題3解答】 ∞

∵ 背理法で証明する。

仮に有限個であって p(n)>2nであるnの最大をnmaxとする。

p(n)>2nであるnの有限集合をAとする。 

A={n|p(n)>2n , nmax≧n∈N}

Aの要素から作られる1+n4の素因数の全体集合をMとする。

M={p|p∈素数 , 1+n4≡0 mod p , n∈A}

m=Πp [p∈M] とすれば、 1+m4≡1 mod p∈M であるから、
1+m4p∈M を因数に持たない。 ―――(*)

u=|m−p(m)*α| α∈Z と置くとき
1+u4≡1+m4≡0 mod p(m) である。

また、αを適当に選べば u≦ p(m)
 である。

n=1の場合としてMは2を含むので1+m4は奇数でありp(m)も奇数である。

よって実際は、u< p(m)
 である。

つまり 2u<p(m)≦p(u)

またuは1以上である。

なぜなら、u=0の場合 m=p(m)*α でなければならないが
1+m4≡1+p(m)44≡1 mod p(m) であり 
1+m4≡0 mod p(m)と矛盾するからである。

よって、u∈Aである。
よって、p(m)∈Mである。
これは(*)と矛盾する。

よって、無限個ある。

【P.S.】

2乗でもよいわけですね。
4乗だと全てのnで成立するのでしょうか?


◆愛知県 芋 さんからの解答

【問題4】

底が3である対数直線上で考察すると、
log3 1
2
は負の無理数であり、
その自然数倍d log3 1
2
の小数全体からなる集合は[0, 1)内で稠密である。

よってlog3n≦ c + d log3 1
2
<log3(n + 1)

を満たす自然数の組(c,d)が存在する。

対数直線から実数直線に戻すため上式のそれぞれの辺を3の指数として整理すると次式が得られる。
n≦ 3c
2d
<n + 1

この(c,d)は求める(a,b)の条件を満たす。

対数を使わずに解きたかったが出来なかった。


◆岩手県 高梨 さんからの解答。

【補題】

各項が 3a
2b
の形で表され、1に収束する単調減少数列が存在する。

以下の条件を満たす数列{Xn}{Yn}を考える。

X(0)= 3
2
、Y(0)= 1
2

X(n+1)=X(n)Y(n) (X(n)Y(n)>1)
      =X(n)     (X(n)Y(n)<1)

Y(n+1)=X(n)Y(n) (X(n)Y(n)<1)
      =Y(n)     (X(n)Y(n)>1)
このとき、{Xn}{Yn}は明らかに以下の性質を満たす。

・全ての項が 3a
2b
(a,bは0以上の整数)の形で表される

・{Xn}は1を下界とする単調減少数列である
・{Yn}は1を上界とする単調増加数列である

ここで、{Xn}{Yn}がともに1以外の数に収束すると仮定する。

lim
n→∞
X(n)=1+i (i>0)
lim
n→∞
Y(n)=1-j (j>0)

この時、十分に大きなkを取ると、

X(k)=1+i+α (0<α<j)
Y(k)=1-j-β (0<β< i
2
)

以上の条件をα,βが満たすようにすることができる。このとき、

X(k)Y(k)
=(1+i+α)(1-j-β)
=(1+i)+(α-j)-ji-jα-β-βi-αβ
<1+i

X(k)Y(k)
=(1-j)+α(1-j-β)+i(1-j-β)-β
>(1-j)+αX(k)+i(1-j-β)- i
2
=(1-j)+αX(k)+i( 1
2
-j-β)
=(1-j)+αX(k)+i(Y(k)- 1
2
)
>1-j (∵Y(0)= 1
2
,Y(k)≧Y(0))

となるが、X(k)Y(k)はX(k+1)又はY(k+1)になるので矛盾。

収束先の仮定が間違っていて、i,jのいずれか、もしくは両方が0である。
ここで(i>0,j=0)とし、α,βを以下のように取ると、

X(k)=1+i+α (0<α<i)……(1)
Y(k)=1-β (0<β< i
1+2i
)……(2)

X(k)Y(k)
=1+i+α-β(1+i+α)
>1+i+α-β(1+2i)
>1+α
>1

X(k+1)=X(k)Y(k)
Y(k+1)=Y(k)

となる。

また、このX(k+1),Y(K+1)についても、(1)(2)の条件は満たしているので、

X(k+2)=X(k+1)Y(k+1)=X(k)Y(k)2
Y(k+2)=Y(k+1)=Y(k)

となり、n>kの範囲において、数列{X(n)}は公比Y(n)の等比数列になる。

しかしY(n)<1と lim
n→∞
X(n)=1+i (i>0)は明らかに矛盾するので、i=0。

よっていずれの場合も、数列{X(n)}は、1に収束する単調減少数列である。

【問題4】

ある自然数Nを、
[ 3a
2b
] =Nの形で表したい。

数列{a(n)}を、初項1、公比Zの等比数列とする。

ただしZは 3a
2b
(a,bは自然数)の形で表され、
さらに1<Z<1+ 1
N
を満たす数とする。

このようなZは、補題の数列{Xn}の項として存在する。

この数列{a(n)}の項に、[a(n)]=Nを満たすものが無いと仮定すると、
kをa(k)<Nを満たす最大のkとするとき、

a(k+1)
=a(k)Z
<NZ
=N(1+ 1
N
)
=N+1

となり矛盾するので、a(n)の項として[a(n)]=Nなるものが存在する。

以上より、任意の自然数Nに対して
[ 3a
2b
] =Nなるa,bの組の存在が証明された。

【感想】

1に収束して各項が 3a
2b
の形の数列を見つける
→1より大きく n+1
n
未満の項をひとつ使ってお好きな方法で

発想はこんな簡単なものだったのに、書いたら酷いことになりました。
読んでいただければ一目瞭然ですが、目的の数列の存在証明(補題)をかなりの力技で行っています。
ここをもう少しスマートに解ければ全体も綺麗にまとまるんでしょうが……。


◆東京都 ぽこぺん さんからの解答。

【問題5】

(1) 互いに素である 2 元が存在することの証明

この集合から,すべての 2 元の間隔が 2 以上になるように要素を取り出すと,
たかだか 2n/2 = n 個しか取ることができない。

したがって,n+1 個の要素を取り出すと,その中には必ず隣り合う自然数が含まれる。
隣り合う自然数は明らかに互いに素だから,題意は証明された。■

(2) 約数・倍数関係にある 2 元が存在することの証明

任意の自然数は q・2e (q は奇数,e は非負整数) の形に一意的に表現できるので,

2 つの自然数

  x = q・2e
  y = q'・2e'

に対して,

  x 〜 y  ⇔  q = q'

として同値関係 〜 を定義する。

このとき,集合 S = {1,2,…,2n} を 〜 で分類すると,S は互いに排他的な n 個の部分集合に分割される。

このとき,S から n+1 個の要素を取り出すと,そのうちの少なくとも 2 個の要素は同一の部分集合に属するから,それは約数・倍数関係にある。■

【感想】

(2) は最初もっと面倒な証明を考えていたのですが,眺めているうちに文字通り一発勝負の証明に気づきました。


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