『正方形の問題 Part2』解答


◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。

【問題1】

xy座標を考える。
△ABCの重心を座標原点O(0,0)にとり、
回転、伸縮により点A(1,0) 点B(a,b) 点C(-1-a,-b)とする。

ベクトルAHはベクトルAC=(-2-a,-b)に90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(b, -2-a)。
   1  0                      
よって点H(1+b,-2-a)、点I(-1-a+b,-2-a-b)。

ベクトルAEはベクトルBA=(1-a,-b)に90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(b, 1-a)。
   1  0                      
よって点E(1+b,1-a)、点D(a+b, 1-a+b)。

ベクトルBGはベクトルCB=(1+2a,2b)に90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(-2b, 1+2a)。
   1  0                      
よって点G(a-2b, 1+2a+b)、点F(-1-a-2b, 1+2a-b)。

これから

点J: 1
2
*(2+2b,-1-2a)、
点K: 1
2
*(2a-b,2+a+2b)、
点L: 1
2
*(-2-2a-b, -1+a-2b)。

ベクトルJK= 1
2
*(-2+2a-3b, 3+3a+2b)

(長さ*2)2 は 13+13a2+13b2+10a+24b

ベクトルKL=- 1
2
*(2+4a, 3+4b)

(長さ*2)2 は 13+16a2+16b2+16a+24b

ベクトルLJ= 1
2
*(4+2a+3b, -3a+2b)

(長さ*2)2 は 16+13a2+13b2+16a+24b

これらが等しいとおくと a=- 1
2
,b=±
2

すなわち△ABCは正三角形である。

【問題2】

xy座標をとる。
任意の形の凸四角形を回転、伸縮させ
点A(1,0) 点B(a,b)
点C(c,0) 点D(0,d)とすることができる。

ベクトルAFはベクトルBA=(1-a,b)を縦にして90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(b, 1-a)。
   1  0                      
よって点F(1+b,1-a)、点E(a+b,1-a-b)。

ベクトルBHはベクトルCB=(a-c,b)を縦にして90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(-b, a-c)。
   1  0                      
よって点H(a-b,a+b-c)、点G(c-b, a-c)。

ベクトルCJはベクトルDC=(c,-d)を縦にして90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(d, c)。
   1  0                      
よって点J(c+d,c)、点I(d, c+d)。

ベクトルDLはベクトルAD=(-1,d)縦にして90度回転の行列

  0 -1                     
(   )を作用させて得られ、(-d, -1)。
   1  0              
よって点L(-d,d-1)、点K(1-d, -1)。

以上から
P: 1
2
*(2+b-d,-a)、M:1
2
*(2a,1+2b-c)、

N: 1
2
*(-b+2c+d,a)、O:1
2
*(0,-1+c+2d)。

さらに

ベクトルPM= 1
2
*(-2-2a-b+d,1+a+2b-c)、
ベクトルMN= 1
2
*(-2a-b+2c+d,-1+a-2b+c)、
ベクトルNO= 1
2
*(b-2c-d,-1-a+c+2d)、
ベクトルOP= 1
2
*(2+b-d,1-a-c-2d)。

四角形OPMNが平行四辺形ならば、上式の対辺のベクトルが等しいことから
b=-d, a=c+1。

すなわち四角形ABCDは平行四辺形である。

この関係式を四角形OPMNの辺のベクトルに代入し、隣あう辺のベクトルの内積をとったりベクトルの長さを求めたりすることにより四角形OPMNは正方形であることがわかる。

よって、四角形OPMNが正方形ならば、四角形ABCDは平行四辺形である。


◆出題者のコメント。

甘泉法師さんの解答に対するコメントです。

早速のご解答ありがとうございます。

【問題1】【問題2】とも計算量節約のため、「回転」、(原点周りの)「伸縮」で巧みに座標系を変えられているわけですが、【問題1】 は任意の三角形をこのように配置することができるので、あとの論旨は正しく正解でしょう。
しかし【問題2】は本当に任意の四角形がこのように配置できるでしょうか?
D(d,e)と置く必要があるのではないでしょうか?
そうすると結論は変わってきます。

こうしてみると【問題1】のほうが易しいんですね。
初等幾何学的な解法も引き続き募集します。


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