◆東京都 tensor さんからの解答。
【問題1】
元の正方形をABCDとする。
直線a, b, ...と、点E, F, ...を次のように取っていく。
ここで、L(X, Y)を2点X, Yを通る直線、P(x, y)を2つの直線(または線分)の交点とする。
a = L(A, C)
b = L(B, D)
E = P(a, b)
(Eは正方形の真ん中)
c = L(C, D) (延長線をとる)
Fを辺AD上に任意にとる。
d = L(B, F)
G = P(c, d)
e = L(C, F)
H = P(b, e)
f = L(G, H)
I = P(BC, f)
(Iは辺BCの中点)
g = L(E, I)
J = P(AD, g)
(Jは辺ADの中点)
h = L(D, I)
K = P(a, h)
i = L(B, K)
L = P(CD, i)
(Lは辺CDの中点)
j = L(I, L)
M = P(a, j)
k = L(J, L)
N = P(b, k)
4直線a, b, j, kは正方形EMLNをなし、
(EMLNの面積) = (ABCDの面積)/8
である。
ちなみに、この作図で引いた直線は11本です。
(つまり、11手詰(^^;)
おまけ:以下、作図は鉛筆と定規のみとする。
【問題3】
引く直線の本数が11より少ない作図は可能か?
【問題4】
(1) 正方形ABCDの座標をA:(0, 1), B:(0, 0), C:(1, 0), D:(1, 1)とする。
x, y: 有理数のとき、座標(x, y)の点は作図可能であることを示せ。
(2) 作図可能な点は(1)のものに限るか?
感想:辺の中点が作図できれば、あとはどうにでもなるので
パズル感覚で解いてみました。
案外、工夫の余地があって面白かったです。
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【問題4→2】
まずTOOLを作成します。
【LP1】 平行線パンタグラフtypeI
与えられた2平行直線 l≠,mに平行で、与えられた点pを通る直線の作図器
証明はtensorさんのと殆ど同じなので省略。
作図順は色(抵抗カラーコード)による。
pがl又はm上の場合はそれらをそのまま使えばよく、例外とはしない。
注記)抵抗カラーコード
【LP2】 平行線パンタグラフtypeII
直線l上に3点abcが等間隔に存在するとき、与えられた点pを通る直線の作図器
証明はtensorさんのと殆ど同じなので省略。
作図順は色で示す。
pがl上の場合はそれをそのまま使えばよく、例外とはしない。
【DIV】 主目盛り作成
平行4辺形a0,a1,b1,b0を基準としてL(a0,a1)上に等間隔の点列anをつくる。
【SUB】 補助目盛り作成
直線上の等間隔の点a↓=[a0,a1,〜,an]を用いて、
a0〜anにその(a1-a0)/n間隔の点列xmをつくる。
下図はa0〜a1間の分割のみ示す。
ak〜ak+1間はQ=P(L(b0,ak),L(bn,ak+1)) を用いて
x(kn+I)=P(L(a0,an),L(Q,bI)) である。
なお、nは自然数である。
n=1のときも、既に完成しているので含めた。
注) これはかなり持って回った方法で、DIVの副産物のb↓も使えばもっと手数は減らせますが、凝ってしまいました。
A↓[0:n]はA↓の0〜n成分だけのベクトルとする。
【問題4】
(1) x=nx/dx y=ny/dy とします。
a↓=DIV(B,A,D,C,max(dx,[1+nx/dx])) xsacle↓=SUB(a↓[0:dx],dx)
b↓=DIV(B,C,D,A,max(dy,[1+ny/dy])) ysacle↓=SUB(b↓[0:dy],dy)
lx =LP1(B,C,xscale[nx]) ly=LP1(B.A.yscale[ny])
(x,y)=P(lx,ly)
により作図可能です。
(2) (1)のものに限る
∵2点を通る直線の交点で新たな点を発生させて行くしかなく、四則演算以外は出てこない。
初期に既知の4点は全て有理点である。
従って、値が確定できる交点は有理点だけである。
つまり未知の無理点を用いて無理点を求めても、未知の部分は0(有理)に成る以外では消えない。
【問題2】
17=1+42であるから
一辺が | √(1+42) 17 | である正方形を描けばよい。 |
即ち有理点 ( | 1 17 | ,0)、(0, | 4 17 | )、( | 4 17 | , | 5 17 | )、( | 5 17 | , | 1 17 | ) |
下図では、すこし無駄を省いて
x軸の | 1 17 | , | 4 17 | , | 6 17 | , | 9 17 | だけ求め |
【PS】
問題3に関しては、11本が最小と思われます。
証明できていませんが。
問題2から一般に
1 n2+m2 | の正方形が可能であることが分かります。 |
◆三重県 いわし さんからの解答。
【問題2】
【準備】
線分XYと、XYに平行でXYを含まない直線kが与えられているとき、XYの中点を作図する方法:
直線XY,k上にない点Pをとり、直線PX,PYとkの交点をそれぞれQ,R,直線QYとRXの交点をSとすれば、PSとXYの交点が求める点です。
【本題】
面積が1の正方形ABCDの
(1) 辺AB,BC,CD,DAの中点E,F,G,Hを作図
(2) 線分AE,BF,GD,HAの中点I,J,K,Lを作図
すれば、直線AJ,LF,DI,KEの作る正方形の面積は1/17です。
◆出題者の東京都 tensor さんからのコメント。
Y.M.Ojisan さんへのコメント
【問題4】正解です。
(1) 上手くまとまっていて見事です。
(2) ポイントは
>四則演算以外は出てこない
ですね。
>未知の無理点を用いて無理点を求めても、未知の部分は0(有理)に成る以外では消えない
ここを厳密に言うのは少し大変(?)ですが、
Q(X) ∩ R = Q (Q: 有理数体, R: 実数体)
ということですね。
◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
【問題4(2)再解答】
(1)と問題2で力尽きたようです。
四則演算になるところは線形代数の教科書なので今回も省略させていただきます。
既知の有理点の座標値のベクトルをq∈Q2N、
未知の点の座標値のベクトルをx∈R2M、
操作の結果得られた確定点の座標値のベクトルをp∈R2L、とします。
四則演算でpが計算できるということは
p(q,x)[k]=N[k](q,x)/D[k](q,x) であるということです。
ここでN,Dは q,xの要素の多項式(+-*演算のみ)のベクトルです。
一方pが確定点であるということはpがxの関数でないということであり、
p(q,x)[k]=p(q)[k]=N[k](q,x)/D[k](q,x)です。
右辺はほとんど至るところ連続な関数ですから、
xの代わりにxに近い適当な有理数x'(D(q,x')≠0)を当てはめてもpの値は同じです。
よってp∈Q2Lです。
つまり、殆どどんな点を使っても1つの確定点が得られるのですから、無理して無理点を使うことはないということでした。^^
【P.S.】
先の解答では D(q,x)*p(q)-N(q,x)=0 の形にして、任意のxに対して成立するには
各xのべきの項の係数=0でなければならない。
一方この方程式はpに関しては線形式である。
よってpはべきの項の係数と右辺0の四則演算で計算できる。
ところでべきの項の係数は四則演算結果であるから∈Qであり、
0∈Qであるからp[k]∈Qであると想ったのですが、
Dは既に対角化されていたりして、冗長で情緒的で上智には遠かったです。