『平面上のn個の点』

『平面上のn個の点』解答


◆岩手県 高梨 さんからの解答。

【補題】

三辺の長さの合計値が等しい三角形の集合のうち、面積が最大になるのは正三角形である

この集合の中から、正三角形以外の任意の三角形を一つ取る。
正三角形で無いので、長さが等しくない二辺の組を選ぶことが出来る。

選ばれなかった一辺を固定して、「その両端からの距離が選んだ二辺の長さの合計に等しい点の集合」を取ると、これは固定した一辺の両端を焦点とする楕円になる。

この楕円の短径の両端と固定した一辺の両端を頂点とする三角形は、最初の集合の元であり、その面積は(底辺が同じ、高さが大きいので)最初の三角形より大きい。

以上の手法により、正三角形以外の全ての三角形に対しては、
「三辺の長さが同じで面積がより大きな三角形」が作図可能である。

よって、この集合の中で面積が最大になるのは正三角形である。

【本題】

いずれか三点が同一直線上にある場合は面積0のものがあり自明なので、そうでない場合を考える。

「各三角形の三辺の長さの和の平均値」を考える。
「各三角形の三辺の長さの和の合計値」は、任意の点の組み合わせ(nC2通り)に対して、その距離を一辺とする三角形がn-2個づつ取れることから、

各三角形の三辺の長さの和の合計値
=L*nC2*(n-2)
=Ln(n-1)(n-2)
2

これを三角形の総数nC3=n(n-1)(n-2)
6
で割って、

各三角形の三辺の長さの和の平均値=3L

次に、nC3個の三角形のうち「三辺の長さの和が最も小さいもの」を選ぶ。

その三辺の長さを(a,b,c)、面積をSと置くと、明らかに
a+b+c≦3L

次に、三辺の長さの和がこの三角形と同じになる正三角形を考える。

一辺の長さをa'、面積をS'と置くと、
a+b+c=3a'≦3L

S≦S'(補題より)

S'= a'2
 L2

∴S≦ 2
以上により、面積が 2
以下になる三角形の存在が示された。

【感想】

最初は「辺の長さだけ分かってるんだからヘロンの公式を使うんだろう、そうに違いない」と考えはじめ、ガリガリと計算した挙句に出た式がこんな感じ。

S/( 2
)≦3√(3(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c)/(a+b+c)3)

コレ≦1が言えればOKだなぁ……(長考)……等号が成り立つのは正三角形の時か……あれ?と、解答のような正三角形を考え始めたらサックリ解けてしまいました。

最初に「 2
=一辺がLの正三角形の面積」
と気づいていれば、回り道せずにすんだでしょうね。

思考が徐々に硬くなってきているようです。歳でしょうか(w。


◆東京都 かえる さんからの解答。

個の3角形を作るときに 特定の1つの辺は丁度(n−2)回ずつ選ばれるので、
Tが作る個の3角形の周長の平均は3L。

従って、周長が最小の3角形を選べばその周長は3L以下。

周長が3Lの3角形で面積が最大になるのは、面積をS、3辺をa,b,cとして、ヘロンの公式より、

S={3L
3L
−a)(3L
−b)(3L
−c)}1/2
≦(3L
[{(3L
−a)+(3L
−b)+(3L
−c)}/3]3 )1/2

(∵3L
−a,3L
−b,3L
−c>0、相加相乗平均の関係)

=[3L
{(3L
)/3 }3 ]1/2
(∵a+b+c=3L)

 2

以上から、Tが作る3角形の中で

面積が 2
以下であるものが存在することが示された。

【証明了】


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