『πの値』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【解答】

円の面積はπrです(中学1年)。
そこで、r=1の円の面積で評価を行います。
もう一つ、3平方の定理(中学3年)を下記恒等式として用います。
+y=1
ここで x= 1−t
1+t
、y=2t
1+t


従って、t=0,0.1,0.2〜1.0 から得られる 11個の座標(x、y)は半径1の円の第一象限上の点となります。
下図参照。

    


【問題1】

 11点を頂点とする図形を台形公式で求めると、
それは π
より小さい値です。上図参照。

これを計算し、4倍すると 243966251978854
78016568325449
であり、
78016568325449*3.1241851361808891.9243966251978854であって、

3.1より大きい値であることがわかります。

よって、 3.1<4×図形面積<π です。
 

【問題2】

 11点間の辺で中心に最も近いのは t=0と0.1の間です。
その辺上での最近接点は辺の中点であって、
座標は ( 100
101
,10
101
です。

よって 3平方の定理により 

2=( 100
101
2+(10
101
2 100
101
である円の面積は、
問題1で得た図形の面積より小さい面積です。

即ち π* 100
101
243966251978854
78016568325449
 です。

つまり π< 121983125989427
38622063527450
 です。

一方、38622063527450*3.16=122045720746742>121983125989427 であり、
πが3.16より小さい値であることがわかります。


【PS】

手間を別にして、問題2も中学レベルで解く方法を考えてみました。
円の面積=πr2の根拠を子供に質問されたときに、結局例の、扇形を櫛状に並べ組み合わせて、極限の思想で説明する以外無いように思います。
これは積分ですから本来高校レベルですね。

だから、やめろとか言うつもりは毛頭ないのですが、円の面積=πr2が中学で教えられることの純数学的意味を考えさせられる解答となりました。

この辺の曖昧さに関して、http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/circle/circle4.htmに良くまとめられていると思います。


◆東京都 甘泉法師 さんからの解答。

【問題1】

『平均と数列』の問題3の数列は、扇形の円弧の長さを、それぞれ、内側から、外側から評価する式になっており、
極限値は  4π

第7項から求めた値から、π>3.1058...

【問題2】

同じく、第8項を計算して、 π<3.1597 .
中心角120度の弧の8分割(すなわち外接正24角形)の周の長さを評価しています。


◆高知県 blue さんからの解答。

【問題1】

半径1の円Aに内接する正12角形Bを考える。
Aの円周>Bの周りの長さ、である。

ここで、頂角30°、二辺の長さが1の二等辺三角形の残りの辺の長さは
三平方の定理を使った計算から√(2−√3)である。

したがって、2π>12√(2−√3)

π>6√(2−√3)
=6√( 4−2√3
)
 =3√2√(4−2√3)
 =3√2√{(√3−1)2}
 =3√2(√3−1)
(∵ √3−1>0)

√2>1.414 より 3√2>4.242 (>0)
√3>1.732 より  √3−1>0.732 (>0)

辺々を掛け合わせて 
3√2(√3−1)>3.105144

∴π>3√2(√3−1)>3.105144>3.1

【問題2】

半径1の円Aに外接する正24角形Cを考える。
Aの面積<Cの面積、である。

ここで、頂角15°、頂角から対辺におろした垂線の長さが1である二等辺三角形の
等しい二辺の長さは 1
cos(15°/2)
 である。

したがって、π<24( 1
2
(sin(15°)) ( 1
cos(15°/2)
)2


( 1
cos(15°/2)
) 2 = 2
1+cos(15°)

(∵ 半角公式より) であるので、

π< 24sin(15°)
1+cos(15°)
 --------(1)


(sin(15°))2=(sin(30°/2))2= 1-cos(30°)
2
= 2-√3
4
故に、sin(15°)= √(2-√3)
2


(cos(15°))2=(cos(30°/2))2= 1+cos(30°)
2
= 2+√3
4


故に、cos(15°)= √(2+√3)
2


これらを(1)に代入し、二重根号をはずすなどして整理すると、
π< 24(√3−1)
2√2+√3+1


√2>1.414 と √3>1.732 より 
2√2+√3+1>2*1.414+1.732+1=5.560

したがって、 1
2√2+√3+1
1
5.560
---------(2)


1.73206>√3 より 
24*0.73206=17.56944>24(√3−1)--------(3)

(2)と(3)の辺々を掛け合わせて

24(√3−1)
2√2+√3+1
17.56944
5.560
=3.1599712230215827338129496402878
<3.16

∴ π< 24(√3−1)
2√2+√3+1
<3.1599712230215827338129496402878<3.16


近似値を使ったかなり強引でかつ古代のアルキメデスの方法で解いてみました


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