『時計に関する問題』

『時計に関する問題』解答


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題1】

短針は60分で、30度動く。したがって1分に1/2度。
長針は60分で、360度動く。
1分に 6度。
χ分後に重なるとする。

360−(6−1/2)×χ=0
11/2×χ=360
χ=60+60/11

・1回目  1時  60/11分
・2回目  2時 120/11分
・3回目  3時 180/11分
・4回目  4時 240/11分
・5回目  5時 300/11分
・6回目  6時 360/11分
・7回目  7時 420/11分
・8回目  8時 480/11分
・9回目  9時 540/11分
・10回目 10時600/11分
・11回目 11時660/11分=12時

上記の時刻に、11回重なる。
来る日も来る日も、壊れるまで。

【問題2】

11/2×χ=100
χ=200/11

題意から
240/11+200/11=440/11

 答え 4時440/11分

【問題3】

11/2×χ=90
χ=180/11

240/11+180/11=420/11

 答え 4時420/11分  


【コメント】

 はい、完全な正解です。
問題2は4時40分ですが、よしとしましょう。
この問題は別解がたくさんあるので、他の考え方をした方はまたメールをください。
ところで「来る日も来る日も、壊れるまで。」という一言が、私は妙に印象に残りました。
まるで自分のことを言われているような。
サラリーマンはつらいですね・・・ (^_^;。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題4】

短針は1時間に30度動く。
1分間に0.5度。
1目盛りは6度。
6/0.5=12(分)

長針が、0、12、24、36、48のとき、短針は、目盛り上にある。

短針の位置をNとする。Nは0〜60の整数。
長針(T)の位置をNで表わす。
T=12×(N mod 5)。
Tは、0,12,24,36,48をくりかえす。

題意から求める時刻の予想は、

 午前、午後は区別しないとする。

  答え 2時12分。9時48分。


【コメント】

 もちろん正解です。
長針の位置を式で表したのがすばらしいですね。
これはなかなか面白い問題ですね。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題5】

 問題1のとき、0時0分0秒からスタートして、720/11分ごとに、長針と短針が重なる。
これを秒に換算すると、43200/11秒ごとに重なる。
短針、長針、秒針が、題意の条件で重なる為には、その必要条件として、短針と長針が重なっている必要がある。

43200=26×33×52
したがって11とは互いに素である。
11回目に重なる12時(0時)のときだけ、3針は重なる。
したがって、それ以外の時刻で3針が重なることは出来ない。
正確な時計であれば。

【問題6】

 1秒単位とあるから題意から角度は、0〜360の整数と理解する。
短針が1度移動する間(2分間)に長針は12度、秒針720度(2回転して0度)となる。
したがって、短針と長針が整数の角度になるとき、秒針は0度であるから、この問題は、

「短針、長針の2つの角度から、時刻が特定出来るか。」という問題になる。

 短針の角度をT、長針の角度をMとする。MをTで表現する。
M=12×(T mod 30)となる。0≦T≦360。

 例えば、T=253のとき、253 mod 30=13。12×13=156。
短針は0.5度/分、長針は6度/分、それぞれ移動する。

253×2/60=8+26/60。6×26=156。
短針253度、長針156度、秒針0度のとき、8時26分0秒となる。

このようにして、時刻を特定することが出来る。


【コメント】

 短針の角度から、長針と秒針の角度を特定できることは分かりました。
しかし長針と短針のなす角度だけから、長針と秒針の角度を特定できるのでしょうか。

もちろんできると思うのですが、若干説明がいるのではないでしょうか。
例えば、短針と長針のなす角度が97度から、8時26分0秒とだせますか?
(簡単にできるのかな?)


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題6補足】

 秒針の存在はぜひとも基準点として必要ですね。
コメントにもあるように、厳密に長針と短針の角度だけでは、相対的になりますが、秒針は0度の基準点として、暗黙に使っていました。
253度とあるのは、秒針と短針のなす角度。
156度とあるのは、秒針と長針のなす角度。
短針と長針のなす角度は、253−156=97(度)。
3針のなすそれぞれの角度から時刻は特定できます。


【コメント】

 細かいことをいってすいませんでした。 今度は完全だと思ったら、次の指摘が来ました。


【出題者のT.Hirose さんからのコメント】

 問題5については正解です。
非常にスマートな解答でビックリしました。

問題6の解答が間違ってます。
なぜ「角度が整数」なのですか??
確かに「時刻は1秒刻みで数える」とは書きましたが、「角度は整数にする」とは書いていません。
きっちりと端数まで計ってください。
もう少し詳しく説明します。

秒針は 6 (度/秒)、
長針は 1/10(度/秒)
短針は 1/120(度/秒)
のスピードで動くわけですから、例えば12時0分1秒だとすると、

長針と短針のなす角度は 1/10−1/120=11/120度
長針と秒針のなす角度は 6−1/10=59/10度
短針と秒針のなす角度は 6−1/120=719/120度
となります。

僕が聞きたいのはこのような(11/120 , 59/10 , 719/120) という3つの数の組が与えられたときに、
(そのような時刻が存在することはあらかじめ仮定しておくとして)、
時刻が12時0分1秒と特定できるかどうか、
すなわち、12時0分1秒以外の時刻で、3つの角度がこれと同じになるようなものが存在しないかどうかです。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

 1秒単位では問題5の結論は、3針は重ならない。
したがって、この問題は確定出来るとなる。
もし3針が重なると10回、3針が重なった状態で、角度の関係がクリアされてしまうが、そうでないので手がかりを残す。
それを元に、確定できる。

12時の位置を基点にそれと秒針とのなす角度をS、長針との角度をM、短針との角度をTとする。
12時間=43200秒。Nを0〜43200の整数とする。
S、M、TをNで表現する。
0時0分0秒のとき、N=0、S=0、M=0。T=0とする。

S=6×(N mod 60)。
M=1/10×(N mod 3600)。
T=1/120×N。

 問題の3つの角度は、|S−M|、|S−T|、|M−T|となる。
3針の位置関係から、S、M、Tの3元1次方程式が、6通り出来る。
この中からS+M+Tの値から可能な方程式は2通りにしぼられる。
しかしながら、これらの3元1次方程式は、不定方程式となる。
3針の先行状態がわかれば、1つにしぼられるが、それにしても不定方程式。
出題者の意図がこれで理解出来ました。

 ここで原点に帰り、Nについての1元1次方程式に戻す。
Nは0〜43200。
「こういう時刻」があれば、Nで表現できる。
したがってNに対応したS、M、Tがあり、S、M、Tの関係式を満たすNが1つ存在する。
実際に解くのは大変ですが。
以上です。
解答になっているでしょうか。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題6について】

 誤りに気がつきました。
3元1次方程式(不定方程式になる。)は2通りの可能性がありますが、それぞれに、題意を満たす解があります。
例としてあげられた、12時0分1秒(0時0分1秒とする。)のそれぞれのなす角度の組みからもう1つの解、11時59分59秒も題意をみたします。

120倍して整数にして(分母を120にして分子で考える。)プログラムを組んでコンピュータに解かせてみました。
N=0〜43200。
解1+解2=12(時)。N=1。N=43199。
1+43199=43200。N=777。0時12分57秒。
43200−777=42423。11時47分3秒。

 以上の様に解が2つあり、その関係は、それぞれの時刻を足すと12時となります。
したがって厳密に言えば一通りとして確定出来ないことになります。
面白い問題ですね。だれか厳密な証明をお願いします。


◆東京都 Y.Mさんからの解答。

【問題6】

存在すれば一意に定まる。

そのような時刻が存在する(例えば09:48:00)と仮定して、3針の間の角度を与えた場合、別の時刻(例えば11:59: 11 >> 本当はそうなってはいない!)でもこの3針の間の角度が一致したとする。

すると、この別の時刻から仮定した時刻分だけ前の時刻(この場合、11:59:11から09:48:00前の2:11:11)で は、3針が一致しなければならない。

ところが[問題5]より3針が一致するのは12:00:00だけなので矛盾する。
よって上の結論となる。(「秒単位」の条件は???)

ところで、一意性の証明だけにしましたが、

も問題の内に入っているのでしょうか?


【コメント】

 これは計算もほとんどいらない素晴らしい証明ですね。
存在の条件と、解法については問題の中には入っていません。
かなり困難な問題になるでしょうね。
でも実はかなり興味があるので、取り組んでくださる方がいるのを期待しています。


◆東京都 Y.Mさんからの解答。

【問題6の存在の条件と解法について】

まず、

 出題者のT.Hiroseさんのコメントにもあるように時計の3針は、

秒針: 6(度/秒)、
長針: 1/10(度/秒)、
短針: 1/120(度/秒)で連動しながら動きます。

これにより、(長針)−(短針)の角度を指定すると、(秒針)−(短針)は自由に設定することができません。
実際、(長針)−(短針)=0、すなわち短針と長針が一致する時刻は、[問題1]にもあるように11回しかありません。
つまり、これに対応する(秒針)−(短針)の角度は、11通りしか存在しないということになります。
(ちなみに、[問題1]の清川さんの解答より、この時の(秒針)−(短針)の角度は、すべて異なっています。.....たぶん)

短針と長針が一致しない任意の角度のときも同様で、(長針)−(短針)=χ(度)とすると、120×χ/11秒後に短針と長針が一致するので、この時の(秒針)−(短針)の角度は、上の11通りのどれかに一致しているはずです。

逆に短針と長針が一致するこの11通りの時刻からそれぞれ120×χ/11秒前の時刻だけでしか、(長針)−(短針)=χ(度)にはならないはずです。

このことから、この問題の「存在の条件」と「解法」は次のようになります。(定式化することは省略)

与えられた(長針)−(短針)=χ(度)、(秒針)−(短針)に対して、例えば120×χ/11秒後(短針と長針が一致すれば他の時刻でもいい)の(秒針)−(短針)の角度が、短針と長針が一致する11通りの場合 の(秒針)−(短針)の角度のどれかに一致すれば、対応する時刻が存在します。

実際、(秒針)−(短針)の角度が一致した場合、それに対応する短針と長針が一致した時刻もわかるので、その時刻から120×χ/11秒前が求める時刻となります。

[例] (長針)−(短針)=6(度)、(秒針)−(短針)=294(度)(=−66(度))の時

−(1/10)×s+6=−(1/120)×sより
s=720/11=65+5/11秒前に短針と長針が一致する。

このとき
 (秒針)−(短針)
=294−(5+5/11)×6+(720/11)×(1/120)
=2880/11(度)となる。

これは短針と長針が一致する2時120/11分=2時10分600/11秒の時の
 (秒針)−(短針)の角度
=(600/11)×6−(360/11)×2
=2880/11(度)に一致する。

よって与えられた角度に対応する時刻は存在し、実際その時刻は、
2時10分600/11秒から720/11秒後の2時12分00秒である。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題6】

 3針の整数秒単位での重なりを考える。

  1. 3針が同時に重なるのは、0時(12時)の時だけ。
  2. 秒針と長針が重なるのは、0時(12時)、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、11時の時だけ。
  3. 秒針と短針が重なるのは、0時の時だけ。
  4. 長針と短針は、重なることがない。(問題5による。)
 以上の12通りの場合は3つの角度の組み合わせで時刻を特定出来るがそれ以外の場合は2つの時刻が題意を満たす。
2つの時刻の関係は、解1+解2=12時となる。
Nは0〜43200の整数。
0時(12時)を基点としたときの秒針の角度をS、長針の角度をM、短針の角度をTとする。
S=6×(N−[N/60]×60)×120。
M=(N−[N/3600]×3600)×12。
T=N。

[ ]はガウスの記号。
分母を120に通分して分子の数の関係で考えるために120倍する。
解1の時、N=N1。
解2の時、N=N2=43200−N1。
N1+N2=43200。

 0時(12時)、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時ちょうどの12通りの場合は確定する事が出来るが、それ以外の場合は、2通りの時刻が上記の関係で存在可能となる。

(P1,P2,P3)が与えられたとき、その解法は、

|S−M|=P1...1)。

|S−T|=P2...2)。

|M−T|=P3。...3)

1)、2)、3)の関係を満たすNについての1元1次不定方程式を解く事になる。
Nは0〜43200の整数。


◆広島県 清川 育男さんの疑問点。

Y.Mさんの背理法を使われた証明に疑問点があります。

3針が重なるのは、0時(12時)の1回だけだから、一様に定まるとありますが、それはあくまでも整数秒単位での事で(実際の時計でも秒針は1秒単位で動きます。そういう意味では、アナログ時計と言っても、デジタル時計です。)連続性の時間のなかでは、重なっていると思います。
したがって矛盾は生じないと思います。
如何なものでしょうか。

ところで、「一様に決まる」というのは正解なのですか。
先生のコメントによると正解のようですが。長針と秒針が重なる0〜11時ちょうどのときは一様に決まると思いますが、それ以外の場合は2通りあると思うのですが。
0時0分1秒の角度のセットと11時59分59秒のそれとは、同じになりませんか。
私が「角度の決め方」を誤解しているのでしょうか。


 例としてあげておられる、0時0分1秒。(11/120,59/10,719/120)。
Nについての1元1次不定方程式の解法。

短針と長針のなす角度は、11/120。120=23×3×5。
分子と分母は互いに素。したがって分子は11の倍数になる。

例えば、0時1分1秒。
1/10×61=61/10。
1/120×61=61/120。

 61/10−61/120
=(61×12)/120−61/120
=(61×(12−1))/120
=(61×11)/120。

1)0時(12時)、1時、2時、3時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時ちょうど以外の場合。
  N1=(61×11)/11=61。
  N2=43200−61=43139。

2)何時(0〜11)ちょうどの場合。
たとえば、3時0分0秒。
6×(10800 mod 60)=0。
1/10×(10800 mod 3600)=0。
1/120×10800=90。
90−0=90。
(90,0,90)。
90/30=3。3時0分0秒。

この場合は11の倍数にならない。

問題5と問題6がペアになっている興味深い問題ですね。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

【問題6】

 Y.Mさんが例としてあげられた、2時12分0秒は一様にきまります。
一様に決まる場合の拡張を迫られました。
実験の結果をもとに今までの解答を修正します。

Nは0〜43200の整数。0時0分0秒からの経過秒数を表わす。

  1. Nが60の倍数(N=0も含む)のときは、一様に決まる。
    即ち少なくとも秒針が0度のときで、何時何分0秒のときです。

  2. Nが60の倍数でないときは、2つの解がありN1+N2=43200。
    (解1の時刻)+(解2の時刻)=12時。
    Y.Mさんの指摘のように角度のセット(Y・Mさんの定義された)は2つで十分だと思います。

 解答をコロコロ変えてすみません。
しかし、また2)の場合を修正することがあっも、角度を決める基準に誤解が(私に)なければ、存在すると思います。
それにしても興味深い問題ですね。


時計1で特定出来た時刻をセットして 時計2で仮に同じ角度の条件を満たす時刻をセットしたとします。
時計1の方は0時0分0秒まで戻します。
反時計回りに。
時計2の方は時計回りに12時0分0秒まで進めます。
逆戻りした時間と進めた時間が同じであれば、なにも矛盾なく0時と12時で3針を重ねることが可能です。
如何なものでしょうか。
N1+N2=43200。
それが可能な時間の関係になります。


◆東京都 Y.Mさんからの解答。

(1) 3針の間の角度の指定について ---

3針の位置関係は一般に足して12:00:00になる2つの時刻で、文字盤の12と6(目盛の0と30)に対して線対称になりますが、問題文により、3:00:00と9:00:00の3針の間の角度は異なるものとするとあるので、例えば指摘している0:00:01と11:59:59や[問題4]の答えである2:12:00と9:48:00などの3針の間の角度は、それぞれ異なったものであると解釈しておきました。
この方がこの問題では都合がいいと思います。

(2) 連続的な時間の中では、12:00:00以外でも3針が重なる時刻があるのではという点について ---

一見そんな感じもするかもしれませんが、清川さん自身が[問題5]で指摘しているように3針が重なるためには、まず短針と長針が重なる必要があり、その時刻を実際に[問題1]の解答で挙げてありますが、12:00:00以外では、秒針はいずれも短針と長針には一致していません。
これはそもそも3針がいかなる瞬間においても連動しているために、整数秒単位で時刻を指定するかどうかに関係なく、短針と長針のなす角を決めると(当然重なる場合も含めて)、許される短針と秒針の角は離散的に(しかも、たった11通り)しか存在しないからです。(*)

このことから、出題者が[問題5][問題6]で出した整数秒単位で時刻を指定するという条件はあまり意味のない気がします。
なお、私自身が送った[問題6]の一意性の証明の中の「[問題5]より...」の[問題5]はこの条件を除いています。

整数秒単位という条件を除いて再び[問題5][問題6]の結論をみると、(12時間の間)いかなる瞬間においてもアナログ時計の3つの針は相対的に同じ位置関係になることはない、つまりすべて違った顔(?)を見せることになるのでしょうか? (**)

(*) それでも、12:00:00以外で3針が重なる瞬間を見たことがあるぞ、いう人は、その時計の時刻を設定した際、秒針が数字の12にない時に長針を目盛の上に合わせたからです。
(設定では秒針は、短針・長針と連動しない)

(**) その気になれば、丸い形で不親切にも目盛と数字が書いていない(つまり上がどこなのかわからない)アナログ時計でも時刻を正確に読むことができるということになるのでしょうか?
(もっとも(*)のような時計ではだめだけど)


【コメント】

 問題の意味からいって、角度についてはこの解釈が正しいと思われます。
整数秒単位というのは、話しを簡単にするためのものではないでしょうか。
一意性の証明には、必要はなさそうです。


【出題者のT.Hirose さんからのコメント】

問題5における「時刻は秒単位で」という条件は必要ありませんでした。
したがって問題6においてもこの条件は不要になります。


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

Y.Mさんの解答で、
1)角度指定について3針のなす顔と言う表現、(3針の先行状態が違えば別の顔)でこの問題を規定すると、指摘の通りです。
  一様にきまります。

2)連続性については、私の理解不足による見当違いの疑問でした。

1)の角度指定(3針のなす顔)ということになると、Y.Mさんの解答が正しいですね。
納得しました。
そうなれば、解法の一般解の問題が残された課題ですね。
Y.Mさん、解りやすい解答ありがとうございました。


問題6

 Nを経過秒数とする。角度の指定はY.Mさんの定義による。
1)秒針−短針。2)長針−短針。とする。

S=6×(N−[N/60]×60)。
M=1/10×(N−[N/3600]×3600)。
T=N。

S(秒針)、M(長針)、T(短針)は0時(12時。)を基点としたときの角度とする。
[ ]はガウスの記号。

イ)例えばN=25831の場合。(Nは11の倍数でない場合。!!!)

S=6×31=186。
M=631/10。
T=25831/120。

1)186−25831/120=−3511/120。
 −3511/120+360=39689/120。

2)631/10−25831/120=−18259/120。
 −18259/120+360=24941/120。

(長針−短針,秒針−短針)=(24941/120,39689/120)が与えられたとき、Nを求める。
それを元に時刻を特定する。
分母を120にする。分子で考える。

3600×χ+11×Y=24941..............1)。

0≦χ≦11。0≦Y≦3599。χ、Y整数。

2元1次不定方程式の整数解を求める。
χ=5。Y=631。
3600×5+11×631=24941。

求めるNは、N=3600×(12−χ)+Y..........2)。

N=3600×(12−5)+631=25831。

[25831/3600]=7。
25831−3600×7=631。
[631/60]=10。
631−60×10=31。

求める時刻は7時10分31秒となる。

ロ)Nが11の倍数のとき

χ、Yについての2元1次不定方程式の整数解を求める。

(121−3×χ)+121×Y=42347.....1)。
0≦χ≦10
0≦Y≦356

[42347/121]=349。Y=349。
42347−121×349=118。
121−3×χ=118。χ=1。

N=3927×χ+11×(Y+1).........2)。
N=3927×1+11×(349+1)=7777。
[7777/3600]=2。
7777−3600×2=577。
[577/60]=9。577−60×9=37。

N=7777のとき、求める時刻は、2時9分37秒です。

イ)、ロ)とも(長針−短針)の角度しか使っていない。
問題にある整数秒単位では、3針が重なるのは0時(12時)のときだけであり、かつ長針と短針も整数秒単位では、重ならない。
したがって、この問題は、(長針−短針)の角度さえ判れば一様に時刻を特定することが可能です。

以上です。
やっとスッキリしました。それにしても興味深い問題でした。


◆東京都 鳳 奥人 さんからの解答。

【問題1】

n時0分≦現在時刻<(n+1)時0分
(nは0以上11以下の整数)・・・という区分にして考えると、

「0時と12時のあいだ」ということは、0時と12時はカウントに入れないのですね?

ということは、n=0のときは0時がカウントされないから0回。
で、n=11のときも0回ですね。
重なったと思ったら12時ですから。

あとは、nの各値について1回ずつ。よって10回。

それぞれの時刻ですが、長針は1分で6度、
短針は1分で0.5度(1時間で30度)進むので
「分」の数字をx(もちろん0≦x<60)、
針の位置を12時の目盛りから時計回りに数えた角度でyとして表すと

長針:y=6x
短針:y=0.5x+30n

この連立方程式を、nが1から10までのそれぞれの場合について解けばいいわけです。

すると、x= 60
11
nになるので、

n=1→ x= 5.45... →1時5分27...秒
n=2→ x=10.90... →2時10分54...秒
n=3→ x=16.36... →3時16分21...秒
n=4→ x=21.81... →4時21分49...秒
n=5→ x=27.27... →5時27分16...秒
n=6→ x=32.72... →6時32分43...秒
n=7→ x=38.18... →7時38分10...秒
n=8→ x=43.63... →8時43分38...秒
n=9→ x=49.09... →9時49分5...秒
n=10→ x=54.54... →10時54分32...秒

です。(秒の小数点以下は省略)

【問題2】

上の連立方程式を応用して考えます。
n=4ですね。

6x−(0.5x+120)=100 →x=40

答え:4時40分

【問題3】

同様に 6x−(0.5x+120)=90 →x=38.18181...

答え:4時38分

【問題4】

6x−(0.5x+30n)=±6 を満たす自然数x、n
(0≦x<60、0≦n<12)を求めるわけですね。

これはnの各値についてxを求めてみればわかることですが
題意を満たすのはn=2、x=12のときだけです。

というわけで2時12分。

【問題5】

問題1の計算結果で、分と秒が同じ数字になっているのを探せばいいのだと思いますが・・・ないですね。
(計算が違ってたらどうしよう)

【問題6】

h時m分s秒に、12の目盛りと短針がなす角(時計回り)をH、長針がなす角(同様)をM、秒針がなす角をSとすると、

 S=6s
 M= 1
10
s+6(m−1)

 H= 1
120
s+1
2
(m−1)+30(h−1)

 短針と長針がなす角はH−M
 長針と秒針がなす角はM−S
 秒針と長針がなす角はS−M

これらを連立させてH、M、Sの各値を求め、その後、Sからsを求め、ここからm、さらにhを求めればいいのではないかと思うのですが。

問題は、たとえば「短針と長針がなす角」はひょっとするとM−Hの可能性もあるってことですよね。


◆大阪府 ゆたか さんからの解答。

【問題1】

0時から12時までの12時間の間に、短針は1回転,長針は12回転します。
したがって、この間に長針は短針に、12−1=11回追いつくことになります。

長針が短針に追いつくとは、すなわち2針が重なるということですから、重なる回数は11回です。(12時を含む)

また、2針の回転の速さはそれぞれ一定ですから、1度重なってから次に重なるまでの時間は一定です。

よって、2針の重なる時刻は、
12
11
×N(時) ただし、N=1,2,3,・・・,11
となります。

【問題6】

求める時刻T(時)の範囲を、0時≦T<12時とします。

この範囲で長針と短針の重なる時刻は、
12
11
×N(時) ただし、N=0,1,2,・・・,10 です。
(問題の設定上Nの値が1つずれます。)

また、12時間の間に秒針は60×12=720回転します。

したがって、秒針は長針に、720−12=708回重なります。
その時刻は、
12
708
×M(時) ただし、M=0,1,2,・・・,707 です。

さて、短針と長針、長針と秒針のなす角度が与えられるわけですが、この角度の単位を「周」とします。
例えば、30度=
12
周,90度=
周,360度=1周です。

また、問題の設定より、与えられる角度a(周)は、0≦a<1です。

今、短針から長針まで時計回りにa周,長針から秒針まで時計回りにb周であるとします。
(このとき、短針と秒針のなす角は自動的に定まります。)

0時を過ぎて、求める時刻Tまでの間に長針と短針はN回、秒針と長針はM回重なっているとすると、
T= 12
11
×(N+a) ,T= 12
708
×(M+b)・・・(1)

が成り立ちます。

よって、
12
11
×(N+a)= 12
708
×(M+b)

11M−708N=708a−11b   ・・・(2)

M,Nは整数なので、(2)の両辺は整数です。

11と708は互いに素で、
N=0,1,2,・・・,10、M=0,1,2,・・・,707ですから、
(2)をみたすMとNがただ1組定まります。

したがって、(1)によって、ただ1つの時刻Tが特定されます。

また、解Tが存在するような角度a,bの条件は、

0≦a<1 , 0≦b<1 , 708a−11bが整数

であるということがわかります。

【問題5】

問題6においてa=0,b=0の場合ですから、
(2)よりM=N=0となり、T=0のみが解となります。


◆大阪府 ゆたか さんからの解答。

【問題2】

N,aは前回と同じものとします。

4時と5時の間で長針が短針を追い越したあとなので、N=4です。

また、2つの針のつくる角度は100度=
18
周です。
a=
18

よって、T= 12
11
×(4+5
18
)= 14
3
(時)=4時40分 となります。

【問題3】

問題2と同じくN=4です。

また、a=
周ですから、
T= 12
11
×(4+1
4
)= 51
11
(時)=4時420
11
 分が答えです。

【問題4】

短針が目盛の上にあるとき、
長針は0,12,24,36,48分のいずれかの目盛の上にあります。

長針が目盛の上にあるとき、短針は0秒の目盛の上にあります。

以上のことと、問題の条件より、
a= 1
60
周,b=
周と表すことができます。

ただし、cは0,1,2,3,4のいずれかです。

前回の問題6の解法より、

11M+708N=708a−11b が成り立ちますから、

11M−708N= 708−132c
60

この右辺が整数になるのはc=4の場合だけです。

このとき、11M−708N=3 となり、これを満たす整数M,Nを探すと、
M=129,N=2 が見つかります。

よって、T= 12
11
×(2+1
60
)= 11
5
(時)=2時12分 が答えとなります。

【コメント】

もちろん、小学生でも解ける方法がありますが、あえて、この前の問題6の解法にこだわってみました。


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