中学生からの挑戦状Part2

中学生からの挑戦状Part2解答


◆Machida-City, Tokyo Akira Yamazaki(yuppie)さんからの解答。

思わず(朝になってるのに気づかず)、解いてしまいました。

>うーむ、すごい集中力だ。

「面積が1という条件をはずして、正方形の数を求める問題」を考えてみました。
やはり非常に難しい(面倒?)な問題でした。

解答:
	n段のとき作れる正方形の数は、

	i)  n = 2m-1 のとき	m(4m2+3m-1)/6 個
	ii) n = 2m のとき	m(4m2+9m+5)/6 個  ( m = 1,2,3,... )
		
でした。

まず、考えたことは「どのようにすれば定性的に正方形の数を数えられるか」
ということです。これは以下の着想で意外に簡単に知ることができます。

	 _		. .
	|_|_		. . .		/
	|_|_|_		. . . .		//
	|_|_|_|_	. . . . .	///
	|_|_|_|_|_	. . . . . .	////
	|_|_|_|_|_|	. . . . . .	/////

	  Fig1		  Fig2		  Fig3

まず、Fig1のような階段があるとすると、その格子点を考える(Fig2)。
この格子点から、作ろうとする正方形の「対角線を構成する2点」を選べば良
い。ここで、対角線はFig3のようにとれば間違いなく正方形のみを構成するこ
とができる。たとえばFig4のような点集合( 。)を選んだとする。

			. .
			. . .
			. . . 。
			. . 。 . .
			. 。 . . . .
			。 . . . . .

			  Fig4

この点集合から作られる正方形(の対角線)の数は4つから2つをとる組合わせの
数であり、((m,n)は、ここでは組合わせの数(combination)を表す)

			(4,2) = 4*3/2! = 6

通りである。このようにしてすべての点を「斜めに」数えて、そこから2つを
とる組合わせの数を計算し、合計すれば望む答えが得られるはずである。

さて、次にn段のときのFig4のような特定の「斜めの列」の点の数を定性的に
表さなければならない。Fig4であれば、斜めの列の点の数は上から、

		2個 2個 3個 3個 4個 3個 3個 2個 2個

である。この数を合計してはいけない。それぞれの数に対して(*,2)を計算し
なければならないからである。この数字の配列(数列)は階段の数に応じて以下
のようになっている。

		1段	2
		2段	2 2 2
		3段	2 2 3 2 2
		4段	2 2 3 3 3 2 2
		5段	2 2 3 3 4 3 3 2 2	( <- Fig4 )
		6段	2 2 3 3 4 4 4 3 3 2 2
		:		:

これらから数列a(n)をn段のときに存在する正方形の数とすれば、

a(n) = a(n-1) + ( [(n-1)/2]+1 , 2 ) + ( [n/2]+1 , 2 ) , a(1)=1,a(2)=3

となっていることが分かる。ただし、[n]はnを四捨五入した数であり、(m,n)
は先ほどと同じくmからnをとる組合わせの数である。
ここまで分かれば n=2m-1 と n=2m の場合わけて数列の一般項を求めれば良い。
(さすがに中学生では、解くのは無理でしょうね。)

ということで、これを解くと,

	a(2m-1) = m(4m2+3m-1)/6				…(1)
	a(2m) = m(4m2+9m+5)/6	  ( m = 1,2,3,... )		…(2)	

となりました。おそらくこれは正しいでしょう。ちなみに、

	n=1 つまり m=1で(1)のとき a(1)=1
	n=2 つまり m=1で(2)のとき a(2)=3
	n=3 つまり m=2で(1)のとき a(3)=7
	n=4 つまり m=2で(2)のとき a(4)=13
	n=5 つまり m=3で(1)のとき a(5)=22
	n=6 つまり m=3で(2)のとき a(6)=34
			:
	n=9 つまり m=5で(1)のとき a(9)=95
	n=10つまり m=5で(2)のとき a(10)=125

となりました。(n=6以上は数えてないのであってるか分かりませんが^^;)

-- 感想 --
うーむ。つかれた....暇なときにはひじょーにいい刺激になりますね。

【コメント】

 私も責任上すべて確認しました。
まちがいなく、正解です。
最初の問題(1)、(2)を作った生徒は呆然とするでしょうね。
私自身ひさしぶりに、よい勉強になりました。
そのうちまた暇をつぶせる?問題を出題しますね。


◆神奈川県 sharimaさんからの解答。

n段における面積hxhの正方形の数を求める方法は次のようになります。

1+2+3+・・・+n−h+1

従って,
面積1の正方形の数はn(n+1)
です。

ところが,hが2以上の場合は
n−h+1
は整数である必要があるから,
小数点はカットします。

例えば

 面積2x2(4)の数は,1+2+・・・・ (n−1)/2
      3x3(9)        1+2+・・・・ (n−2)/3
      4x4(16)      1+2+・・・・ (n−3)/4
                                        ・
                                        ・
                                        ・
そしてnが決まれば,各面積hxhの正方形の数は上の各個数を加えればよい。
n=10のときは,

  面積1の数は,(n−h+1)/h=10ですから全部で   55個
      2x2       ,             =4.5    → 4      10個
      3x3                      =2.66  → 2       3 個
      4x4                      =1.75  → 1       1 個
      5x5                      =1.2    → 1       1 個
      6x6                      =0.83  → 0

                                         合計  70個

【コメント】

 私は最初は解答の意味がわからなかったのですが、sharimaさんにお聞きしてわかりました。
正方形が重なる場合がないとしての解答だったのですね。
問題の意味が分かりにくくてすいません。
重なった部分があっても別の正方形として数えてください。
重複を許さないとすれば、70個で正解です。


◆石川県 マイマイプーさんからの解答。

神奈川県 sharimaさんからの解答がヒントになりました。

面積1(つまり1辺1)の正方形の個数は
1からnまでの和

面積4(つまり1辺2)の正方形の個数は
n=4→1+2
n=5→1+2+3
n=6→1+2+3+4
つまり、1からn−2までの和。

面積9(つまり1辺3)の正方形の個数は
n=5→1
n=6→1+2
n=7→1+2+3

つまり、1からn−4までの和

一般に面積k(一辺k)の正方形の個数は
1+2+・・・+{n−2(k−1)}

☆nが偶数の場合、

kは1からn/2まで変化させればよいから
求める正方形の個数は


これを計算すると、
☆nが奇数の場合、 kは1から(n+1)/2まで変化させればよいから 求める正方形の個数は
これを計算すると、

【コメント】

 この解答で面白いのは、当然なのかもしれませんが、
奇数と偶数の場合の答えの差が
になったことです。

蛇足ですが、例えば

1
12
n3+ 3
8
n2+ 5
12
n+ 1
16
+(-1)n+1
16

とでもすれば両者を統一できそうですね。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

マッチ棒の1つの交点に任意の大きさの正方形の右上の角がある時、正方形の左下の角がとり得る点は、その交点から斜め左下方向にある交点です。

これらの交点の数こそが、特定した1つの交点に正方形の右上の角がある時の、任意の大きさの正方形の数の筈です。

8段を例に、各−の交点に右上の角がくる正方形の数を、その交点に記入すると以下になります。

1x1の正方形を積み上げていくのですから、交点に1以上が記入されている箇所だけが問題になります。
ですから、1番左と1番下は除いて、交点に記入された数字だけを図で表すと以下になります。

1x1の正方形をn段積み重ねた時のすべての正方形の数は、上図の合計段の数列の1番目からn番目までの総和になります。

数列の1番目からn番目までの総和をS(n)で表すと、

◆ nが偶数の時は、
=m とすると

S(n)=2{m(m+1)(2m+1)
}+m(m+1)

ここで、m=
に戻すと

S(n)
n(n+1)(n+2)
12
n(n+2)
2n3+9n2+10n
24
n(n+2)(2n+5)
24

◆ nが奇数の時は、n+1
=m とすると

S(n)=2{m(m+1)(2m+1)
}+m(m+1)
−m(m+1)

ここで、m=n+1
に戻すと

S(n)
(n+1)(n+2)(n+3)
12
(n+1)(n+3)
(n+1)(n+3)
2n3+9n2+10n+3
24
n(n+2)(2n+5)
24

◆ nが偶数の時と奇数の時を統合した一般式は

S(n)=n(n+2)(2n+5)
24
(−1)n−1
16

1x1の正方形を10段目まで積み上げたのなら、

S(10)
10(10+2)(2x10+5)
24
(−1)10−1
16
=125

任意の正方形は125個あります。



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