『ニセ証明問題』

『ニセ証明問題』解答


◆広島県 清川 育男さんからの解答。


 △ABCにおいて辺AB、辺ACが等しい三角形を二等辺三角形と言う。
∠BACの二等分線と辺BCとの交点をDとする。
△ABDと△ACDにおいて二辺とその挟角が等しいので、
△ABDと△ACDは、合同な三角形である。
よって∠ADB=∠ADC、∠ADB+∠ADC=二直角。
よって∠ADB=∠ACD=直角。
また辺BD=辺CDである。
したがって辺ADは△ABCの垂直二等分線である。
よって、この問題の点Dが常に△ABC内に存在するとはかぎらない。
△ABC内に常に点Dの存在を仮定したこの証明は誤りである。
問題の趣旨とは違っていますか。もし・・・があれば、・・・であることが証明されるのであれは、もし・・・である存在の証明も同時に必要になります。
以上です。


【コメント】

 もちろん成り立つはずのない定理なのですが、はじめてみた人は誤りがないようで、とまどったのではないでしょうか。
この図が巧妙ないんちきなのですね。


◆静岡県の中学校2年生 akka さんからの解答。

(二等辺三角形でない)△ABCがあるとします。
∠BACの二等分線を引きます。
辺BCとその交点をDとします。

そのとき、AB:AC=BD:CDという定理(?)があります。

それより、
AB>AC(AB<AC)ならばBD>CD(BD<CD)です。
もちろん別の角でも成り立ちます。

よって、△ABCの任意の角からの二等分線とその向かい合う辺の垂直二等分線は、△ABCの外に交わると言える。

よって、三角形の中に角の二等分線と向かい合う辺の垂直二等分線の交点ができるとした、この問題の仮定が間違っている。

だからこの問題の結論「全ての三角形は二等辺三角形である」というものは間違っている。


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