『作戦を練ろう』

『作戦を練ろう』解答


◆広島県 清川 育男さんからの解答。

偶数で勝つ期待値 (2+4)×0.5=3(万円)
奇数で勝つ期待値 (1+3)×0.5=2(万円)

したがって、偶数で勝つ期待値は奇数で勝つ期待値の1.5倍。
しかし、この事実は相手も知っていると考えると、入れる方も予想する方も五分と五分のゲームとなります。
そうなると少なくとも負けない作戦を考えるしかありません。
そこで正4面体のサイコロ を考えます。

入れる方予想する方
1のとき1万円1,3のとき奇数
2のとき2万円
3のとき3万円2,4のとき偶数
4のとき4万円

正しい正4面体がなければ、コンピュータを使いRND命令で作る事ができます。
これで最初に計算したことが実行できます。

 1/4=0.25
 3/4=0.75 0.25+0.75=1

 2/4=0.5
 4/4=1    0.5+1=1.5

【コメント】

 そんな簡単に勝てる方法はないということですか。
テストで生徒が鉛筆を転がすのと同じですね。(^_^;
もし相手が期待値の違いを知らなかったら、有利にできるでしょうね。
他によい作戦を考えた方がおいでましたら、またお知らせください。


◆神奈川県 飯田 孝久さんからの解答。

1)作戦の表現

相手の癖を読んで戦略を考えることはないとします。
この場合、2人の作戦は確率分布で表現できます。
Aさんの作戦は、1万円−4万円を入れる確率(a,b,c,dで表す)が作戦です。
Bさんの作戦は、奇数と言う確率(pとします)と偶数と言う確率(1−pです)が作戦です。

2)Aさんの期待収入の計算

収入(万)
確率a(1−p) bpc(1−p) dp
 
損失(万)
確率apb(1−p)cpd(1−p)

これよりAさんの期待収入は

a(1-p)+2bp+3c(1-p)+4dp-ap-2b(1-p)-3cp-4d(1-p) 
=a(1-2p)-2b(1-2p)+3c(1-2p)-4d(1-2p)
=(a-2b+3c-4d)(1-2p)

となります。

X=a−2b+3c−4d
Y=1−2p

とおくと、Yの正負に応じてXを変えれば期待収入をプラスにできます。
Y=0のときはどのようにしても期待収入をプラスにはできません。

逆に、Xが0でないときは、Bが作戦を工夫するとAの期待収入はマイナスになります。
これを避けるには、

 Aさんは、X=0となるような作戦を取るのがよく
 Bさんは、Y=0となるような作戦を取るのがよい

ことが判ります。この時の期待収入はどちらも0になります。(おもしろくない?)

3)作戦の例

Bさんの最適な作戦はもちろんp=0.5です。
Aさんの最適な作戦は一意には定まりません。

a+b+c+d=1
a−2b+3c−4d=0
0≦a,b,c,d≦1

の解になっていればいいです。

1つの例は、a=0.4 ,b=0.3,c=0.2,d=0.1です。

4)このような解のことを、ゲーム理論ではミニマックス解と呼びます。

付録

 じゃんけんで、勝った場合にもらえる金額が手によって違う場合も、この方法で最適な作戦を求めることができます。

【コメント】

 ミニマックス解といえば、将棋などのゲームのプログラムによく用いられていますね。
もし、詳しい方がおいででしたら、コメントをお願いいたします。


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