『約数のn乗の総和』解答


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【証明】

M=N! 与式をF(M,K)とし、約数を大きい方から 
P1(=M),P2・・・,PL=1とします。

(1) F(M,K)=Σ( Pi
M
)K ≧( P1
M
)K =1

(2) F(M,K)=Σ( Pi
M
)K ≦Σ( Pi
M
)2 =F(M,2)

∵ ( Pi
M
)≦1、K≧2

よって [F(M,K)]=1であるためには F(M,2)<2が証明されればよい。

M=ΠQiTiに因数分解されるとします。
ここでQiは相異なる素数でTiは自然数です。
Mの約数はΠQiSi、 Si≦Tiですから
(3) F(M,2)=Π 1+Qi2+Qi4+Qi6・・・Qi2Ti
Qi2Ti
<ΠQi2
Qi2-1

です。

この式はすぐには分かりにくいと思いますので具体的に示します。

(例)M=120=2*2*2*3*5の場合
約数は{1 2 4 8, 3 6 12 24,5 10 20 40,15 30 60 120} ですが、
その総和(K=1)は (1+2+4+8)*(1+3)*(1+5)で計算されます

同様に2乗和(K=2)は
(1+22+42+82)*(1+32)*(1+52)
で計算することができます。

各括弧内は等比級数ですから

(1+22+42+82)*(1+32)*(1+52)
=(44-1)/(4-1)*(92-1)/(9-1)*(252-1)/(25-1)
< 4492252/(4-1)/(9-1)/(25-1)
=M2*4/(4-1)*9/(9-1)*25/(25-1)

です。

Qiは相異なり,2以上です。従って

(4) Π Qi2
Qi2-1

Π
J=2
J2
(J-1)(J+1)
=2

よってF(M,K)≦F(M,2)<2である。

【P.S.】

(1)N!の必然性が?です。
(2)実際に計算(5桁)すると下表でした。

KF(M , K)上限F(32! , K)
21.64491.6347
31.20201.2019
41.08231.0823
51.03691.0369
61.01731.0173
71.008310083


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