『マラソン大会』解答


◆山梨県 もっち さんからの解答。

私は必ず存在するといえると思います。

まず、A君の平均は、3分で1km走ることができます。
ただし、A君は3分あたりに1kmの速度で常に走っているとはいえません。
しかし、平均ということは、この3分あたり1kmより速いときもあれば、遅いときもあるということです。

(証明)

A君が出発したあと、3分後に3分前のA君と全く同じ動きをするゴーストA君が出発するとします。
A君との差は必ず3分なので、全ての場合において、この2人の距離が1kmになれば、題意は成り立つといえます。

@)
A君が始め、3分1km以下の速度で走っていたとき、ゴーストA君との距離は1km以下ですが、どこかでペースをあげないと、ゴールに間に合いません。
ペースを3分1km以上にあげないとならないので、そうすると、ゴーストA君との距離が1km以上になります。
距離が離れるときに、一瞬でも必ず2人(?)の距離が1kmになるときがあります。
そうならないためには、瞬間移動しかありませんので、物理的にあり得ません。

A)
A君が始め、3分1km以上の速度で走っていたとき、ゴーストA君との距離は1km以上あります。
このままゴールできれば良いのですが、5kmを15分ということなので、どこかでペースを落とすか止まるかしなくてはなりません。
ペースを落とす、または止まってしまえば自分と全く同じ動きをするゴーストA君ですから、一瞬でも3分1km以下になろうものなら、2人の距離が1kmをきってしまいます。
この1kmの境目が必ずあります。

B)
A君が常に一定のペースのとき、
この場合は、常に3分1kmのペースなので問題なし。

@〜Bより、A君とゴーストA君の距離が1kmになるときが必ず存在するといえます。
よって、3分ちょうどで走った1キロの区間が必ず存在するといえます。


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。

【解答】 いえない。

反例:
(1)出遅れた
(2)コース間違えた
(3)トイレに駆け込んだ 等 速度0状態を含む場合。

【感想】

素直に考えた最初は引っかかりました。Хорошо!


◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。

反例

A君は昨日、徹夜でテレビゲームをしていたので眠くてたまらない。
出発ゲートで寝てしまいスタートの合図にも気づかない。
はっと目がさめたらもう出発の合図から14分たっていた。
A君はあわててスタートして超人的な走りで5キロを1分で走破した。


◆東京都の高校生 MATIX さんからの解答。

◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからの解答。
◆宮城県 甘泉法師 さんからの解答。
これに対して反論

速度0状態を含む場合。
これは、次のことが考えられます。

0≦t≦14のとき、v=0(km/h)
14≦t≦15のとき、v=300(km/h)

ありえなそうですが、このとき、14分12秒のとき、1キロ地点を通過します。
つまり、11分12秒から、14分12秒にかけて、1キロ走ったことになります。

ここで、この問題の趣旨を考えたいと思います。

t分後にいる地点をf(t)kmとおきましょう。
この問題では、3分間で走った距離が1キロになることがあるかどうかなので、

  f(t+3)−f(t)=1  (0≦t≦12)

を満たすtが存在するかです。

ここで、現代の社会において、ワープは使えません。(これ重要。)
つまり、f(t)は連続なのです。
ここで、f(t)の値についてですが、スタート地点より前のほうに走ったとかゴールを通過したということが ないものとして考えると、

  0≦f(t)≦15

となります。

ここで、F(t)=f(t+3)−f(t)   (0≦t≦12)
と定義すると、

  −15≦F(t)≦15  (0≦t≦12)

となるでしょう。(若干幅は広くしています。)

F(t)は連続だから、(f(t)は連続なので。)
F(t)=1 0≦t≦12 を満たすt が存在する。
つまり、3分ちょうどで走った1キロの区間が必ず存在するといえる。
ただし、ここで、ワープというものがない、現代社会の場合であることに注意してほしい。


◆東京都の中学校2年生 青のトランプ さんからの解答。

速度0を含んでいたとしても大丈夫だと思います。

A君があわててスタートして超人的な走りで5キロを1分で走破したとしても 走り始めてから11分12秒後から14分12秒後までの3分間に1キロちょうど走っています。

しかし途中で引き返したりすると話は別になると思います。
つまり走った距離の合計が5キロを超えた場合は反例が発生します。

反例

常に1分1キロの速さで走り続けゴールが近くなったらそのあたりを同じ速さのままうろうろ して15分たった時にゴールする。


◆山梨県 Footmark さんからの解答。

【答え】

いえます。

【証明】

走行距離XqからX+1qまでに要する時間をF(X)とすると、
関数F(X)は0≦X≦4において連続です。

● F(0),F(1),F(2),F(3),F(4)のどれかが3のとき
明らかに、3分ちょうどで走った1キロの区間は存在します。

● F(0),F(1),F(2),F(3),F(4)のどれも3でないとき
F(0)+F(1)+F(2)+F(3)+F(4)=15 より、
F(0),F(1),F(2),F(3),F(4)のどれも3未満であることはあり得ません。
それ故、5つの内の少なくとも1つは3より大きい筈です。

同様に、F(0),F(1),F(2),F(3),F(4)のどれも3より大きいこともあり得ません。
それ故、5つの内の少なくとも1つは3未満の筈です。

ですから、F(p)<3<F(q)となるpとqが必ず存在します。
(ただし、p,qはp,q∈(0,1,2,3,4)です。)

よって、中間値の定理よりF(r)=3となるrが必ず存在する筈です。
(ただし、p<r<q または p>r>q)

証明は終わりです。


◆山梨県 Footmark さんからのコメント。

「走った距離は5キロ、タイムは15分でした。」が、厳密さに若干欠けるため、 A君は「15分間で5キロ走った」あるいは「15分間で出発地点からコース上5キロ先にある地点に到着した」 の2通りの解釈が存在します。

前者のばあい、仮にコースに関係ないところを自由に走ったとしても、明らかに3分ちょうどで走った1キロが存在します。

後者のばあい、コースを逆戻りするのが青のトランプさんの反例ですが、15分間はコース上にいるのでやはり連続です。
すると、出発地点からコース上を最初にXキロ進んだときから、コース上をさらに1キロ先に進んだ地点に最初にいるときまでの時間を、私が先の解答で示したF(X)と考えれば、
やはり F(0)+F1+F2+F3+F4=15 が成立します。
よって、中間値の定理が同様に成立し、コースを逆戻りしても常にコース上にいるのなら反例にはなりません。

つまり、15分間すべてにコース上の速度が存在するのなら、速度がマイナスも速度が0同様に反例になりません。



強いて反例をあげるなら、後者の解釈でコース以外で時間を費やしたときです。
このとき、その時間はコース上の速度は存在しませんから、グラフはその時間の分が明らかに消え連続ではありません。
ですから、最初の2分30秒でコースを2.5キロ走り、そこでコースから外れたところをぐるりと10分間走り、 マラソン開始から12分30秒後にコースに戻り、残り半分の2.5キロを2分30秒で走るのは反例になります。

なぜなら、「3分ちょうどで走った1キロの区間が必ず存在するといえるでしょうか?」と言われても、コースを走った連続3分間は存在しません。


◆愛知県 Y.M.Ojisan さんからのコメント。

x=f(t) を用いると f∈0級連続関数on[0,15] なので 確かにYESです。

でもt=g(x)を用いた場合はgは g∈連続関数 とは限らないのでNOの場合があります。

つまり問題文において1kmの区間があるかと問うているのでNOです。
もし1km移動する3分間があるかと問われればYESです。

 もっとも、止まったx地点の通過時間の記録を例えば11分から12分の全てと考える場合は別です。
こうなるとラップタイムの定義の問題です。

その場合、問題の1kmに対して複数の走行時間が存在するので 「3分ちょうど」というのが適当な表現か、やはり引っかかります。


 『マラソン大会』へ

 数学の部屋へもどる