◆静岡県 ヨッシーさんからの解答。
log2= | ln2 ―――― ln10 | (log は常用対数、ln は自然対数) |
1 ―――― ln10 | =0.4343より、 |
ln(x+1) を級数展開すると
ln(x+1)=x− | x2 ―― 2 |
+ | x3 ―― 3 |
− | x4 ―― 4 |
+ | ・・ |
ln2=1− | 1 ―― 2 |
+ | 1 ―― 3 |
− | 1 ―― 4 |
+ | 1 ―― 5 | ・・ |
#でも大変そう(^^;
【コメント】
実はこの級数は収束の悪いことで有名なので、小数点以下4〜5桁程度までだすには、何万回以上まで計算する必要があると思います。
私も計算する自信はありません。(^_^;
◆宮城県 斉藤 誠さんからの解答。
収束の早い級数がありました。
第4項までの計算で4桁位の精度です。
手計算となると計算回数を少なくするためもう少しまとめなくては。
【コメント】
大幅に手数が軽減されましたね。
さらに軽減するためにヒントを出すと、この問題は自然対数を求めるのではなく、常用対数を求めるのであると
いうことに着目してください。
◆広島県 清川 育男さんからの解答。
斉藤さんの解答の意味がわかりました。
マクローリン展開を使っておられるのですね。
log(1+x)=x- | x2 ――― 2 | + | x3 ――― 3 | - | x4 ――― 4 | ・・・1) |
log(1-x)=-x- | x2 ――― 2 | - | x3 ――― 3 | - | x4 ――― 4 | ・・・2) |
自然対数で、収束の条件は、−1<x<=1
1)-2)
log( | 1+x ――― 1-x | )=2(x+ | x3 ――― 3 | + | x5 ――― 5 | ・・・)・・・・3) |
1+x ――― 1-x | =2・・・・4) |
x= | 1 ―― 3 | のとき |
1+x ――― 1-x | =χ |
xについて解くと
x= | χ-1 ―――― χ+1 |
【コメント】
これは相当優秀な方法だと思われます。
ただのlog(1+x)の級数展開よりはずっと収束がよくなりますね。
別の方法としては、23=8が常用対数の底である10に近いことを利用する方法が有力です。
◆宮城県 斉藤 誠さんからの解答。
10=8×1.25を利用するんですね
底を2とする対数をとると
log210
=log2(23・1.25)
=3+log21.25
=3+log101.25× log210
log210 (1− log101.25)=3
整理し逆数をとると
log102 |
= | 1 ――――――――― log210 |
= | 1− log101.25 ――――――――― 3 |
= | 1− ln1.25×log10e ――――――――――――― 3 |
ここでln1.25 に収束の早い級数を使うと
ln | 5 ―― 4 |
=2( | 1 ―― 9 | + | 1 ―― 3 | × | 1 ――― 93 | ) |
=約 0.22222 + 0.00066 + 0.00020 |
=0.22303 (概算した) 1000分の1の3割増し |
log102= | 1 - 0.22303 × 0.4343 ――――――――――― 3 | =0.30105 |
(誤差 log2 + | 3 ――――――― 1000000 | ) |
びっくりするほど簡単になりました。
真数と底の関係がとてもおもしろいですが、わすれていました。
【コメント】
工夫をこらした独創的な解答で、思わず感心しました。
すでに十分手計算で計算できますね。
この問題はまだまだいろいろな解法がでてきそうです。
とんでもない方法もありそうです。
◆石川県 青木(私です)からの解答。
誰もそんな馬鹿なことはやらないと思うので、自分でニュートン法で解いてみました。
お遊びだと思って読んでください。
ex=2を解けばよいのですから、その展開式を用いて、
F(x)=1+x+ | x2 ―― 2! |
+ | x3 ―― 3! |
+・・+ | x7 ―― 7! | −2 |
とし、F(x)=0をニュートン法で解きます。
(7乗までで精度は充分でしょう。)
また第一近似x1=0.7はすぐ見当がつきます。
F′(x)=1+x+ | x2 ―― 2! |
+ | x3 ―― 3! |
+・・+ | x6 ―― 6! |
F′(x)=F(x)+2− | x7 ―― 7! | ・・(1) |
第2近似x2=0.7− | F(0.7) ――――― F′(0.7) |
x2=0.6931・・
かなり大変ですが、手計算で可能な範囲でした。
第1近似がよかったこととexの収束のよいことが、大きな理由だと思います。
◆石川県 青木からの解答。
こんどは、シンプソン公式で解いてみました。
お遊びだと思って読んでください。
logexは | 1 ――― x | を積分したものであるから |
これをシンプソンの公式で計算します。
この公式は区間[a,b]をn等分(偶数)した場合、
S=h/3×(f0+4f1+2f2+4f3+・・+2fn-2+4fn-1+fn)
ただし fi=f(xi) xi=a+ih
h= | b−a ―――― n |
今、十等分して計算すると、
h=0.1
f0=1÷1=1
f1=1÷1.1=0.90909
f2=1÷1.2=0.83333
f3=1÷1.3=0.76923
f4=1÷1.4=0.71429
f5=1÷1.5=0.66666
f6=1÷1.6=0.625
f7=1÷1.7=0.58823
f8=1÷1.8=0.55555
f9=1÷1.9=0.52632
f10=1÷2=0.5
4×f1=3.63636
2×f2=1.66666
4×f3=3.07692
2×f4=1.42858
4×f5=2.66664
2×f6=1.25
4×f7=2.35292
2×f8=1.11111
4×f9=2.10528
これらの数値を用いて計算すると
loge2=0.69315・・・
◆石川県 青木からの解答。
最初に想定していた解答を公開します。
loge(x+1)=x− | x2 ―― 2 |
+ | x3 ―― 3 |
− | x4 ―― 4 |
+ | ・・(1) |
23=8が常用対数の底である10に近いですから、
3log102
=log108 |
=1+log10(1− | 1 ―― 5 |
)・・(2) |
この式を使うと6乗の項まで取れば5桁まででます。
さらに優れた方法は
10log102
=log101024 |
=3+log10(1+ | 24 ―――― 1000 |
) ・・(3) |
実は問題の中に一つポイントがあります。
問題にはlog10e=0.4343・・・と4桁しか与えられていないのですが、
この式の右辺でlog10eは小さい項にしか掛からないので、充分すぎるくらいなのです。
この問題のポイントはlog102は0.3に近い、
いいかえるとlog10210は3に近いということに気づくかどうかでした。
なぜ0.3に近いかと考えれば、解答に一歩近づけたはずです。
その補正にテーラーの級数を使うのは自然でしょう。
同じようにπに近い数やeに近い数もあります。
掲示板の中に関連した質問を書いておいたので、答えていただければありがたいです。
パソコンの世界では
210=1024が103=1000に近いことから、よく1キロという言い方をしますが、そのことにこだわった問題でした。