『3人ゲームのリーグ戦』解答


◆広島県 清川 育男 さんからの解答。

【問題1】

 
1回戦1,2,34,5,67,8,9
2回戦1,4,72,5,83,6,9
3回戦1,5,93,4,82,6,7
4回戦1,6,82,4,93,5,7

題意を満たしているが、ローテイションの規則性がよくない。

【問題2】

12人いるから1人は11人と対戦しなくてはならない。
1試合で2人と対戦することになる。
11÷2=5...1
割り切れない。
したがって、不可能である。

 答え 不可能である。


【コメント】

 この問題にはいろいろな解法があるようです。
ラテン方陣とそれと直交するラテン方陣を使う方法。
図形的に考えて、三角形を回転させながら対戦相手を決める方法などです。

後者の方法で、2人ゲームを解くことも可能です。


◆石川県 平田 和弘 さんからの解答。

これも図形をいろいろ書きましたがどれも5回戦くらいで手詰まりになってしまいます。
で、前回の2人リーグ戦と同様、文献からの紹介です。
著書は2人リーグ戦のものと同じです。

原題は1850年イギリスのカークマン先生が出した15人の女生徒問題だそうです。

原題
「15人の女生徒が毎日3人ずつの5組に分かれて散歩するとき、1週間(7日間)のうちにどの女生徒も他のすべての女生徒と1回ずつ同じ組になるような組み合わせを作れ」というものです。

図形での求め方もあるようなのですが図形が複雑なので、別の方法を紹介します。
(かなり長いですが、理解は難しくありません。)

(問題3解答)

【結論】

1回戦 (1,2,8)(3,5,13)(4,7,9)(6,15,10)(11,12,14)
2回戦 (2,3,9)(4,6,14)(5,1,10)(7,15,11)(12,13,8)
3回戦 (3,4,10)(5,7,8)(6,2,11)(1,15,12)(13,14,9)
4回戦 (4,5,11)(6,1,9)(7,3,12)(2,15,13)(14,8,10)
5回戦 (5,6,12)(7,2,10)(1,4,13)(3,15,14)(8,9,11)
6回戦 (6,7,13)(1,3,11)(2,5,14)(4,15,8)(9,10,12)
7回戦 (7,1,14)(2,4,12)(3,6,8)(5,15,9)(10,11,13)

【求め方】

15人を
Aグループ7人(a,b,c,d,l,m,n)、Bグループ7人(A,B,C,D,E,F,G)、Cグループ1人(*) として

Aグループでは1から回し、7を超えたら1に戻す(7を法とする合同その1)、
Bグループでは8から回し、14を超えたら1に戻す(7を法とする合同その2?)

ことを使います。・・・・・((I2)

●1.
下記のような組み合わせ表を考える。

テーブル1alA
テーブル2bmB
テーブル3cnC
テーブル4d*D
テーブル5EFG

上記に具体的に数字をあてはめてスタートとし、1ずつ加算したとき上記((I2)によりうまく回せるようにします。
但し*は固定して動かさない。

●2.
このとき、まずAグループでうまく相手が変わるように

l−a=1
m−b=2
n−c=3 とします。

たとえばa=1とすると、以下b,c,d,l,m,.nが定まり、1ずつ加算して上記((I2)を使うとうまく一巡します。

●3.
次に、いっせいに1を加算するとBグループどうしでも相手が変わるように

F−E=1
G−F=2
G−E=3 とします。

●4.
もうひとつ最後に

A−a,A−l
B−b,B−m
C−c,C−m
D−d

は、1,2,3,4,5,6,7を分け合うとします。
(要するにそれぞれどれかが1,2,3,4,5,6,7になります。)

●5.
上記1.においてa=1、l=2、b=3 とすると
上記2.より、m=b+2=3+2=5

c=4 とすると、
上記2.より、n=c+3=4+3=7

d=6 となるので、上記1.は

テーブル112A
テーブル235B
テーブル347C
テーブル46*D
テーブル5EFG

となります。

●6.
A=8とすると、
上記4.より、A−a=8−1=7、A−l=8−2=6
となり、B,C,Dは9〜14のどれかとなります。

また、このとき上記4.は

B−b,B−m
C−c,C−m
D−d

は、1,2,3,4,5を分け合う
(要するにそれぞれどれかが1,2,3,4,5になります。)
となります。

●7.
B=9とすると、
上記6.より、B−b=9−3=6 で不適

●8.
C=9とすると、上記6.より、
C−c=9−4=5、C−n=9−7=2 でとりあえず候補とします。

このとき上記6.は

B−b,B−m
D−d

は、1,3,4を分け合う
(要するにそれぞれどれかが1,3,4になります。)
となります。

●9.
D=10とすると、上記8.より、

D−d=10−6=4 でこれもとりあえず候補とします。

このとき上記8.は

B−b,B−m

は、1,3を分け合う
(要するにそれぞれどれかが1,3になります。)
となります。

●10.
B=13とすると
B−b=13−3=10→3、
B−m=13−5=8→1(上記((I2)より) でこれもとりあえず候補とします。

●11.
残りE,F,Gで11,12,13,14のどれかとなりますが、
E=11、F=12、G=14とすると
F−E=12−11=1、G−F=14−12=2、G−E=14−11=3 で、上記3.を満たします。

●12.
従ってすべての条件がクリアされているので

テーブル1128
テーブル23513
テーブル3479
テーブル46*10
テーブル5111214

をスタート(1回戦め)として、1回戦進むごとに*以外の各要素に1を加算し、((I2)にしたがって計算する。
(要するに、Aグループの1〜7では7を超えたら1に戻り、Bグループでは14を超えたら8に戻るようにする。)
但し、*は15で固定とする。

(感想)

とても巧妙なアイデアだと思います。
特に上記中、4.のE,F,Gの関係でBグループどうしの関係をうまくずらしていくところがすばらしいです。

図形による方法がわかるようでしたら教えてください。

蛇足:
3人ゲームのリーグ戦はNを自然数として(6N+3)のすべての場合で可能であるそうです。
また5人ゲームの25人でのリーグ戦組み合わせも可能だそうです。


◆東京都 合屋 さんからの解答。

【問題3】(15人で7回戦)について平田さんの解答にある「7人のグループ2つを回す」をヒントに図形による方法を考えました。

[15人をP01〜P15で表す]

まず、使用する図を描きます。

P15を中心にP01〜P07を円形に等間隔に配置します。
その外側にP08〜P15を   〃

この図で3点づつ結び(これが対戦相手)5つの三角形を作り、
その図を1/7周づつ回転させて7回戦分の対戦表とします。

三角形を作る際、図を回転させても、重なる線が無いようにする方法を説明します。

@@ 手順 @@

説明の都合上、以下で次の用語を使用する。

●A.
内側の円上の3点を結び1つめの三角形を作る。
*この時、各2点の角度は 1s、2s、3sとすること

角度の組み合わせが 1s、2s、3s以外
(と言っても「1s、1s、4s」と「2s、2s、2s」しか無いが)
の場合は回転することによって、線が重なる。

ここでは、P02-03-05で1つ目の三角形を作ることにする。

●B.
7つの点で結べる2点の角度は1s〜3sであり、1つ目の三角形で3つとも使用しているため、内側の点で残っている4つの点同士を結ぶ線が重なることになるため結べない。

これにより、2〜5つ目の三角形の作り方は内側の1点と外側の2点を結ぶ三角形を3つ と中心(P15)と内側、外側の1点を結ぶ三角形1つ しかありえない。

●C.
外側の円上の点を結び3本の線を結ぶ。

*この時、3本の線の2点の角度は 1s、2s、3sとすること
角度の組み合わせが 1s、2s、3s以外の場合は回転することによって、線が重なる。

ここでは、
P09-13,P10-11,P12-14の3本を引くことにする。

●D.
内側で残っている4つの点とCで結んだ3本の線を結ぶ組み合わせと2点の角度の表を作る。

 01040607
P09-131s,5s5s,2s3s,0s2s,6s
P10-112s,3s6s,0s4s,5s3s,4s
P12-144s,6s1s,3s6s,1s5s,0s

内側と外側を結ぶため、例えば同じ 1sでも
線分P01-09とP01-14は回転しても線が重ならない。
そこがA,Cと異なるので表内の角度は内側を基点とする角度で記す。

3つの点と3本の線を結んでできる6本の線についても回転させても線が重ならないように、6つの角度は6種類とする必要がある。

上記の表でこれを満たす組み合わせは

P09-13-04、P10-11-07、P12-14-06 と
P09-13-07、P10-11-06、P12-14-04 の2通りがあり、

どちらも 0s以外の6種類の角度が使用されている。

●E.
ここまでで、線を結んでいないP15-01-08が5つ目の三角形となる。

A〜Dでは中心(P15)とは内側も外側も結んでいなかった為、5つ目の三角形との線の重なりはない。
重なる可能性があるのは内側と外側を結ぶ線 P01-08とDで描いた6本の線であるが、
01-08=0sに対しDでは2通りとも 0s以外の角度を使っているため
P01-08とは重ならない。


以上により、5つの三角形の作り方として、

P02-03-05、P09-13-04、P10-11-07、P12-14-06、P15-01-08

P02-03-05、P09-13-07、P10-11-06、P12-14-04、P15-01-08
の2種類ができました。

このいずれかを1回戦の組み合わせとして、図を1/7周づつ回転させれば、7回戦分の対戦表ができます。

*実際には2回戦目以降の組み合わせは、内側の7人と外側の7人を平田さんの解答中のA,Bグループと対応させてA,Bグループ内でローテーションを行えば簡単です。

いくつかのパターンでやった限りではこの方法では5つの三角形の作り方は常に2通りできるようです。


◆東京都 合屋 さんからの解答。

平田さんからの解答の(感想)にある
「5人ゲームの25人でのリーグ戦組み合わせも可能だそうです。」は
n人ゲームのn2人でのリーグ戦組み合わせについて可能です。

7人ゲームの場合
・全部で8回戦で1人が他の48人と対戦する。
・1回戦につき7つテーブルで7人づつ対戦する。

図0のように49人を7×7のマスに次の通り配置する。

1011121314
15161718192021
22232425262728
29303132333435
36373839404142
43444546474849

1〜8回戦の組み合せは図1〜8のようになります。
(マスの色が7つのテーブルに対応します。)

  

 最初

  

 図1

  

 図2

  

 図3

  

 図4

  

 図5

  

 図6

  

 図7

  

 図8

これは、列=グループとし、1回戦ごとに各グループから選出する人を1人ずつ下にシフトしながら選ぶことで対戦者を決めています。
例えば「1」を基準に2列目だけを見ていくと2,9,16・・となっています。

7人以外の場合も同じ手法でできるのでMS-excelでn=2〜15の対戦表を作りました。

◆Download here!

□人ゲーム には7を入れてあるので
□回戦の対戦表 に1〜8を順次入力すると図1〜8が数字で表示されます。

1〜n回戦は横、n+1回戦目のみ縦にテーブル(組み合せ)を表しています。


◆東京都 合屋 さんからの解答。

『3人ゲームのリーグ戦』の対戦表を作るプログラム

以前、解答した図形による解き方をプログラム化したものです。
但し、「6N+3」人で対戦表を作ることが可能とのコメントがありますが、このプログラムで作れるのは
「12N+3」人の対戦表です。
「12N+9」人の対戦表は作ることができません。

作成できる対戦表をすべて表示するまで終わりません。
途中で終わらせるには「中断」してください。

◆Download here!


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